16.クィディッチ
Your Name
この小説の夢小説設定名前を入れると、登場人物に自動変換します。
より楽しく読むために名前を記入して下さい。
記入なしの場合、“アマクラ ユウキ(天倉 優希)”となります。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私は人気のない廊下に立っていた。
目の前には教室の扉。
この中でクィレルが待っているらしい。
あの後話しを中断した。双子の伝言によれば、大事な話だからすぐに来るようにとのことだったからだ。
嫌な予感しかしない。
クィディッチでのことがばれたのだろうか?
セブルスにここにいること伝えればよかったな、と後悔しつつ、扉を叩き中へと入った。
途端にんにくの臭いが鼻をついた。
「失礼します…」
「ミ、Ms.アマクラ。き、急な呼び出しをし、してしまってすみ、すみません」
クィレルは教室の真ん中辺りに立っていた。
いつもよりどもりが絶好調だ。
私は少し進んで足を止めた。
クィレルとは十分な距離をとって。
「何かご用ですか?」
「えぇ、さ、先程のクィディッチの、し、し、試合のことで」
やっぱり。こいつと2人きりは危ない。
でも話すチャンスか?
いや、やっぱりせめてセブルスに…。
「すみません。私はこれから大事な用事があるので、大した話しでないのなら後にしてほしいのですが」
私がそう言うと、クィレルが近づいてきた。
私はそれに合わせて後ろへ下がるが、すぐに扉に背がついてしまった。
扉を開けて逃げようとしたが開かない。
もしかしなくても閉じ込められた?
私はすぐにクィレルに向き直った。
もうすぐ近くまで来ていた。
クィレルの表情はいつもの弱々しいものではなかった。
「逃げることはないでしょう」
いつものどもったしゃべり方ではなかった。
声も強くハキハキしていて、いつものクィレルとは別人だった。
「身の危険を感じたら誰だって逃げますよ?」
あくまで冷静に答えた。
大丈夫。呼び出すのに生徒を使ったんだ。
私を傷つけたりしたらすぐにばれる。
だからそういうことはしないはず。
まぁ脅すという選択もあるだろうが。
クィレルは私の真ん前で足を止めた。
ちょっと近すぎやしませんか?臭いですよ?
「君は気づいているんでしょう?」
「私にはなんのことやら」
クィレルは私の両肩を強い力で扉に押さえつけた。
ちょ、近い!痛い!
「君のせいでポッターを殺しそこねた。もう少しだったのに…!」
「残念でした」
じっとクィレルを見つめたまま、私は口元に笑みを浮かべて言った。
クィレルの手に更に力が入り、服越しに爪が食い込む。
「口が減らない子だ」
クィレルは片方の手を肩から離し私の顎へと持ってくると、掴んでグイッと上へ持ち上げ、品定めでもするかのように見た。
「強い魔力だ。素晴らしい…不思議な力も感じる…」
私が精一杯睨み付けるが、クィレルはクスリと笑うだけであった。
私は然り気無くポケットに手を伸ばした。
杖さえ取れれば…。
しかし、それは甘かった。
なんとか杖を握った瞬間、物凄い力で手首を掴まれた。
「杖なんか握ってどうする気だ?」
「痛っ…ここから逃げること以外なにかありますか?」
私がヘラッと笑うと手首を掴む力が増し、杖は私の手から離れて虚しくも床に転がった。
「口は悪いが、ご主人様の捧げ物としてはいいかもしれない」
誰が寄生虫の捧げ物なんかになるか!
だったら大人しく死んだ方がましだ!
「あなたのご主人様とやらなんかに捧げられたら堪ったもんじゃないね」
「侮辱するなっ」
手首を掴んでいた手は首に移り、グッと力を込められた。
少し苦しいが息は出来る。
殺す気はないようだ。
「あなた自身も、捧げることはないんじゃないですか?」
「っ!?」
クィレルは眉をひそめ、私に顔を近づけた。
その表情はどこか悲しそうだった。
どうしてそんな顔をするの?
「私は…私はあなたを救いたい」
だって、このままじゃヴォルデモートにいいように使われて、クィレルは死んでしまう。
いくら敵でも、クィレルには死んでほしくない。
それにこんな表情をされたら余計に…。
「な、なにを…っ」
クィレルは手を離し、杖を取り出すと私の首筋に突き付けた。少し動揺しているようだ。
「これ以上私の邪魔をするな」
私はただじっとクィレルを見つめた。
すりと首筋がチクリと痛んだ。
「い、今何した!?」
「少し印を…ね」
クィレルの腕を掴み、引き剥がそうとすると、片方の手を掴まれた。
「君を殺したくはないからね」
クィレルはフッと微笑みを浮かべると、私の手の甲に軽くキスをした。
私は初めてされたその行動に顔を真っ赤にする。
「噂に聞いた通り、白雪姫はおもしろい反応をする」
私が顔を押さえて恥ずかしさを隠そうとしていると、クィレルは私を扉の前から退かして出ていった。
「あんにゃろ…」
私はその場にへたり込んだ。
だから白雪姫ってなんだよ…。
落ち着いた後、すぐさま近場のトイレに向かった。
運良く誰もいる気配はない。
私は急いで鏡の前に立ち、服の襟をグイッと引っ張った。
「あーっ、なにこれ!」
杖を突き付けられた首筋を見てみると、そこには赤い痕があった。
ひし形のような謎の印。
そこまで色は濃くはない。
「なんか嫌だな…うぅ」
ギリギリ服に隠れるか隠れないかの位置で、私は唸った。
なんか物凄く勘違いされそうなんだけど…。
痕を隠しながら寮へ戻ると、ハリー達が話の続きを聞きたがったけれど、私はそれを振り切って部屋へ戻った。
この印がなんなのか、私にはまったくわからなかった。