15.怪しすぎる男
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机の上には『クィディッチ今昔』の本があった。
「出て行け、失せろ!」
ハリーは急いでその場を去った。
あぁ、寮に戻ったらどうなることやら…言いふらしてなければいいけど。
「セブルス、そこまで怒らなくても」
「またこの前みたくならなければいいが…」
私は手当ての続きをしながら苦笑した。
またスリザリンのスパイなんて噂が流れちゃたまらないもんね。
私は手当てを終えて立ち上がった。
「終わりましたよ。これ、縫わないとダメじゃじゃないですか?」
「これくらい平気だ。処罰だが…」
「手当てを毎日するのはダメですか?」
この傷じゃ毎日消毒しないとね。
毎日消毒するようにセブルスに言っても、どうせしないだろうし。
「…いいだろう」
私はホッとして胸を撫で下ろした。
「では、また明日の夕食後に来ますね」
「あぁ」
「あ、これは私から返しておきます」
私はハリーの本を手に取ると笑顔でセブルスに言い、部屋を後にした。
寮に戻ると、談話室の隅の方でハリー、ロン、ハーマイオニーがこそこそと話していた。
「スネイプはあの犬が守っているものを狙ってるんだ。トロールは絶対にあいつが入れたんだ。みんなの注目を逸らすために…箒を賭けてもいい」
「そう簡単に大事な箒を賭けない方がいいよ」
私がハリーにそう言うと、3人はびっくりして飛び上がった。
もう、セブルスしか頭にないんだから。
「ユウキ!君、その…」
ハリーはさっきのことを聞きたいんだろう。
聞きにくいのかあたふたとしている。
ロンは疑いの目を私に向けている。
ハーマイオニーは溜め息をついてハリーを見ていた。
もう話しはしたのか。
「はい。これを取りに来たんでしょ?」
私はハリーに本を返した。そしてロンが口を開いた。
「なんでスネイプの傷を手当てなんかしてたんだ?」
「ロン、少し声をおとして。またスリザリンのスパイなんて言われちゃ大変だよ」
「答えられないのか?」
「答えるから静かにしろって言ってるの」
「……」
問いつめてくるロンを黙らせ、私は3人に話した。
「処罰があって行っていたんだけど…」
「嘘さ」
「黙って聞いてなさいよ」
すぐに口を挟むロンの腹をハーマイオニーが肘で小突いた。
ロンが再び口を閉じたところで続きを話した。
「教授が怪我してるのを見ちゃったんだ。見たら放っておけないでしょ?」
「僕なら頼まれてもやらないね」
この減らず口が!
ロンを睨みつけていると、ハーマイオニーが言った。
「だから言ったじゃない。ユウキはそういう人なの。誰にでも優しいのよ」
誰にでも優しいかは別として、ハーマイオニーはわかってくれてるな。
ロンとは大違い。
「でも、あの犬のことを話してたよね?」
「あぁ、つい口が滑って犬こと言っちゃってさ。それでちょっと話しをしてたの。大丈夫、みんなのことは言ってないよ」
「そうだったんだ」
ハリーが鋭いとこを突いてきたが、納得してくれたようだ。
「さぁ、ユウキの疑いが解けたならさっきの続きを話しましょう」
ハーマイオニーが2人にそう言うと、そうだ!と再びセブルスの話しを始めた。
「絶対にスネイプが狙ってるんだって」
「違う。そんなはずないわ。確かに意地悪だけど、ダンブルドアが守っているものを盗もうとする人ではないわ」
ハーマイオニーは眉をひそめながら言ったが、ロンはそれに手厳しく言った。
「おめでたいよ、君は。先生はみんな聖人だと思っているんだろう」
「ハーマイオニーの言う通り、教授はそんな人じゃない。ロンたちが疑うのもよくわかるよ?でもそれだけに捕われちゃダメだ。他に怪しい人がいるかもしれない」
気づかないかな?
よく考えればわかることだ。セブルスは怪しすぎる。
もし盗もうとする者ならば、もっと慎重に狙うはずだ。
私はよいしょ立ち上がり、3人に言った。
「ほら、明日はクィディッチの試合だよ。ハリー、早く休んだ方がいい」
そう、明日はハリーの初陣だ。
クィレルを止めないと。