01.夢ならば
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「ユウキ!いつまで図書室にいるの?もう下校時間になっちゃうよ!」
肩にポンッと手を置かれ、私ことアマクラ ユウキ(高校3年生)は、思わず肩を震わせて反応した。
読書に集中してるのに急に肩に触れられたものだから、少しばかり驚いた。
「図書室では静かにしないと…」
私は読んでいた本を静かに閉じ、友人のマリを見た。
「もー、そんな風にしてるから友達いないんだよ!」
「大きなお世話」
楽しそうに笑うマリに釣られて、自分も笑みをこぼしながら本を鞄に仕舞った。
マリの言う通り、私には友達というものが多くはない。
毎日話すの主にこのマリと同じ趣味の2、3人くらい。
他の人達は私に話しかけることなんて滅多にしない。
もちろん私から話しかけることもしない。
どうやら一人で過ごすのが好きな私と、何でも群れをなす女子たち(ここは女子校である)とでは非常に相性が悪いらしい。
お陰で高校生活は快適だけどね。
「帰ろっか」
「うん!」
マリだけは毎日話しかけてくる。
最初はうるさくてあまり快く思わなかったけど、話してみると話が合って、いつの間にか仲良くなっていた。
もうかれこれ3年目の付き合いだ。
図書室の美人なお姉さんに別れを告げて、私たちは学校を出た。
このお姉さんが本当に綺麗でおしとやかで…と、この話はまた今度にしよう。
ちなみに私は美男美女が好きである。もちろんかわいい子も。おじさんだって…。
要するにストライクゾーンが広い。広すぎる。
「明日から夏休みだね!」
「夏休みかぁ。本何冊読めるかな?」
私は風に煽られて乱れたショートの髪を手櫛で直しながら言った。
「もしかして夏休み中ずっと本読んでる気?」
「読書は一生の勉強だよ」
誰かがそんなこと言ってたよね。覚えてないけど。
明日からは待ち望んだ夏休み。自分の空間で、ゆっくり落ち着いて、気の済むまま本を読んだり、好きなことができると思うとわくわくする。そんな私にマリは呆れている。
「ちゃんと遊ぼうね。高校生最後の夏休みだし!」
言われてみれば、もう最後の夏休みか…仕方ない、少しくらい思い出作ろうかな。
「うん、最後だし思い出作ろ」
「やった!毎日ユウキと遊べる!」
「誰が毎日なんて言ったよ」
何だかんだで話ながら電車に乗り込むと、お互い手帳を出して遊ぶ日を決めていく。
決めるなら早い方がいいしね。
花火大会、勉強会(宿題のため)、お泊まり会(半強制)、映画、買い物など…たくさんの予定を入れた。
というか入れられた。
マリは満足そうだ。
「あ、そう言えばさ、ハリポタ観た?死の秘宝PART2!」
「あー…観たよ」
「ちょっと、何でそんな顔すんの」
マリはおかしそうに笑っている。そんな顔ってどんな顔だよ。
「だってセブルスがとうとう死んじゃったんだもん…」
「でたよ。本当にユウキはスネイプ大好き馬鹿だね」
スネイプ大好き馬鹿って…間違ってないけど。
私たちが話しているハリポタとは、誰でも聞いたことはあるであろうあの大人気シリーズのハリー・ポッターのことだ。
セブルス・スネイプはもちろん私が愛して止まない大好きなハリポタの登場人物である!
「なんでセブルスが死ななきゃならなかったんだろ…」
「もー、また始まったよ」
「だってー…」
私、セブルスのことになると少しおかしくなる。
1人でいる時には必ずと言っていいほど妄想モードに入ってしまうほど。
「でもスネイプっていい人だったんだね。ずーっと悪い人って思ってた」
なんですと?聞き捨てならん!
私は思わず睨むようにムッとしてマリを見た。
「もしかして、まだ原作読んでないんでしょ!」
「うん。読書好きじゃないし、ハリポタ長いからねー」
そんなヘラヘラ笑うマリに、足をつんつんと突きまくる。
「やめてやめて。何すんの!」
「あんだけ読めって言ったのに!」
「だってさー…あ、そうだ」
マリは何か閃いたように手を叩くと、パッと表情を明るくして私を見てきた。
「じゃあさ、ユウキが本貸してよ!そしたらちゃんと読む!」
「えー…」
あまり気乗りはしない。
ちゃんと読んでくれるのは嬉しいけど、物を貸すのがあまり好きじゃない私。
しかも好きな本だしね。
「お願い!」
まぁマリなら汚したりしないことはわかってるんだけどね。
「ねぇ、ダメ?」
あー、話してたらもう一度読みたくなってきた。
「じゃあ私がもう一回読んだら貸すよ」
「本当に!?じゃあ明日の1時にこの駅でね!楽しみにしてるよー」
とても嬉しそうなマリを見て微笑んでいると、マリは突然予定を取り付けて電車を降りてしまった。
私は驚いて声も発せず、ただ閉まる扉と駅のホームで手を振るマリを見た。
電車はすぐに発車し、マリはどんどん遠ざかった。
どうやらいつの間にかマリの降りる駅だったらしい。
勝手な約束を取り付けられた私は溜め息をついて項垂れた。