07.魔法薬学の大惨事
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得意気なマルフォイでも見てやるか、と思いそちらに目を向けた時、私はハッとしてネビルを見て駆け寄った。
「ネビル、待った!」
私が声をかけた時には、山嵐の針がすでに大鍋の真上にあった。
そしてあろうことか、ネビルは「へ?」と間抜けな声を上げながら山嵐の針を手から離した。
「っ!」
私は声を上げる間もなくネビルの首根っこを思い切り引っ張り、自分の着ているローブを広げてネビルに覆い被せた。
というか私自身が覆い被さった。
「痛っ」
次の瞬間、地下牢いっぱいに強烈な緑色の煙が上がり、シューシューという大きな音が広がった。
どうしたらこうなるのやら、大鍋は溶けて薬がこぼれた。
鍋を溶かすとか…ある意味天才だよ。
「馬鹿者!」
大鍋がこぼれた時、私は派手に薬をかぶってしまった。
セブルスは怒鳴ると杖を一振りして、こぼれた薬を取り除いた。
「大方、大鍋を火から降ろさないうちに、山嵐の針を入れたんだな?」
はい。その通りです教授。
私にそう答える余裕はなく、その場にうずくまった。
ネビルはしくしく泣いていたが、どうやら手に少しかかっただけのようだ。どうやら私の方が酷いらしい。
すぐにセブルスが私のところへ来て、薬でぐっしょりのローブを剥ぎ取った。
そして、杖を私に向けてチョイと振ると、被った薬が綺麗に乾いた。
「早く医務室へ連れていけ。こやつもだ」
苦々しげにセブルスがハーマイオニーに言いつけた。
こやつとはネビルのことだ。
私は最初はかなり痛かったものの、すぐに我慢できる程の痛みになり少しホッとした。
泣くほどではない。
ハーマイオニーは私を気遣いながら地下牢を出た。
出る前にチラリとセブルスを見ると、少し心配そうな顔をしていた。
いや、していたような気がした。
いつもと表情が微かに違うような気がしたのだ。
「どうしてあんな馬鹿したのよ!」
「だってネビルが危なかったからさ、つい」
私はチクチクと痛むのを気にしながら答えた。
まぁ元々助けようとはしてたけど、実際のところ体が勝手に動いたんだけどね。
ネビルは後ろから泣きながらついてきている。
「もう、何がついよ。無茶しないでよ」
「ごめん。ネビル、大丈夫?」
ハーマイオニーに謝り、ネビルを見た。
ネビルはぐずぐずと泣いているだけで答えない。
痛みより、びっくりしたんだろうな。
「それにしてもあなた大声出せたのね」
「え?」
「いつも静かだからびっくりしたわ」
私は苦笑しながらハーマイオニーを見た。
確かに、私はいつも必要以上に大きな声を出さない(元の世界でもそうだった)。
だから珍しかったのだろう。
なんだかんだ話しつつ、医務室へと着いた。
マダムに「女の子なんですから自分を大切にしなさい」と言われてしまった。
ネビルの方はまったく問題ない。
薬を塗ってガーゼを貼られただけ。すぐに治るそうだ。
私の方は左腕から背中にかけてだった。
すぐに薬を拭ったこともあり、傷は明日の夜には消えるそうだ。
しかし、痛みは2、3日続くらしい。
ちょっとチクチクするだけみたいだけど。
魔法でなんでもすぐに治るわけじゃないのね。
しばらくするとチクチクとした痛みが少し増したので、苦い痛み止めを飲み、傷に薬を塗られて包帯でぐるぐる巻きにされ、また夕食後に来るように言われ医務室を後にした。
ハリーに後から聞いたが、ハリーは理不尽に減点されたらしい。
いや、ネビルを減点しろよ。