壱の話
「叔父さん。 叔父が小塚新だったって、公表したいんだけど。」
「…………。」
「記事、ほぼ確実に出るんだろ? 叔父さんが心配してくれてんのは、分かってるつもりだけど、叔父で育ての親が馬鹿にされ続けてんのはマジで腹立つ。 ……登録者数20万人行ったらって約束は、破る事になるけど。」
「………お前の事だから公表させろって言い出すだろうなとは思ってたよ。」
翔真からはまだ決めたかどうかの返事は無い。
だが、これ以上和馬が我慢出来るとは思っていない。
だからこそ、約束である条件達成前に言い出すだろう事は予測出来ていた。
「! じゃあ……。」
「今は駄目だ。 記事が出る事を前提で弁護士さんには動いて貰ってるし、記事が出る前提で俺も動かなきゃならない。 小塚新として、対応せざるを得ない状況が迫ってる中で公表を先にされればお前が問い詰められる。 心無い言葉が言われても冷静に対応しなきゃならないが、お前にそれは難しいだろ?」
「…………。」
「だから、今は駄目だ。 分かったな?」
「……分かった。」
「匂わせるのも駄目だからな?」
「…………。」
「(やっぱりやろうとしてやがったな……?)」
釘を差せば目を逸らした和馬にそう思い、溜め息を吐くとその頭を撫で回してやった。
「………やっぱりあのクソ記者は、痛い目を見るべきね。」
やはり例の記事がほぼ確実に出そうだ、と、伝えると大きな溜め息の後でそう言った大悟に苦笑いを返した。
「この仕事を辞めなきゃならないのが、少し……いや、普通に残念だけどな。 こればっかりはしょうがない。」
「………別に、気にする事無いのよ。 アタシだって、本業関係で雑誌やなんかに出てるしね。」
「ここはお前の店だし、お前の本業を分かってて湊も遥斗もバイトに来てる。あと客もか。 でも、俺の事は違う。あくまでも、俺は元役者だ。 芸名も、どこに居たのかも、お前以外誰も知らない……そうだろ?」
「…………。」
「お前には感謝してるよ、本当に。 応えてやれない事に罪悪感すら感じるぐらいにはな。」
「………アタシが中二の時、自殺未遂をしたこと、アンタも覚えてるでしょ?」
「? ああ。 お前の退院直後に、病院の前でお前をぶん殴ってやったからな。」
「アンタは信じられないくらい怒ってて、それがアタシの為であり、アタシはどれほど愚かなのか痛感したわ。 アンタは、こんなアタシを否定せず、拒絶する事なく、理解ある親友としてアタシが犯した間違いを本気で怒った。 だから、アンタは今のままで十分よ。」
「………そうか。 なら、俺がここに来なくなってもしっかりやれよ?大悟。 今生の別れって訳じゃないし、落ち着いたら顔を出すつもりはあるんだからな。」
「……その時は、店にサインでも貰おうかしらね。」
「ははッ! 良いぜ?ちゃんとお前がしっかりやってたらな。」
「………念押しするじゃない……。」
大悟は不満げにそう告げたが、自殺未遂という前科の自覚があるからか、それ以上は言わずに俺が差し出した右手の拳に左手の拳で応えてきた。
「「辞める?!」」
「ああ。 来週から有給消化で来ないから、実質的には今週いっぱいでな。」
「そんなぁ……!」
「まさか、店長が何かやからしたんですか?」
「ちょっとどういう意味かしら?」
「あー、違う違う。 前職が絡む事で対応を続けてたんだが、どうしても戻らざるを得なそうなんだよ。 だから、迷惑をかける前にな。」
「「……!!」」
「そういう訳だから、新しい人が来るまでは二人には負担掛けちゃうでしょうけど……。」
「全然大丈夫です!」
「頑張ります。」
「まあ、俺も落ち着いたら顔を出すつもりだよ。」
湊と遥斗の他、常連客も退職を伝えると皆残念がったが前職への復帰と聞いて楽しみだと言う人も中にはいた。
それは有り難く、大悟の店で働くのは楽しかったとつくづく思った。
「………大悟さんの店、辞めてきた?」
「正確には再来週には辞める。 が、有給がまだ10日ぐらい残ってるから、明日からその有給消化でそのまま辞める形だな。」
「今日が最後の出勤日だったってことじゃん。 だからそんなに花束とかお菓子貰って来たんだ 昔のファンに会ったのかと思った。」
「昔のファンだとしたら、人数居すぎだろ。 ……こっちはクッキー缶だから、なんだったら部屋に持って行ってゲームしながらでも食べろ。 ただし、飯前とか食い過ぎんなよ。」
「やった。 今日は流石に食わないで明日雑談配信のつもりだから、それのお供にする。」
翔真と和馬に、大悟の店を辞める事と小塚新として再活動する意向を伝え、最後の出勤日だから、と常連客が花束やら焼き菓子のギフトセットなどをくれたが流石に一人では食い切れないので丸々一つを和馬にくれてやれば嬉しそうにそう言って来た。
だが、翔真はまだ結論が出てないようで、俺の意向を伝えても了承したような返答があっただけで、俺は改めて待つがあまり日は無いとだけ伝えた。
[小塚新:元⚫劇団RIZE第八十二代目俳優代表の小塚新です。 お久し振りです、あるいは、初めまして。 ]
[小塚新:先に申し上げておくと、私に関して様々な憶測や噂、元劇団RIZEの後輩であるタレントの発言は把握しています。]
[小塚新:こうしてアカウントを作成したのは、そうした噂や発言に対して身内が誰よりも心を痛め、激怒している事から対応せざるを得なくなった為です。 正直に申し上げるならば、私の退団が公表されたタイミングで全ての事実を権利者から公表して頂いていれば、このような事態を招かなかったという認識です。]
[小塚新:退団に至った経緯ですが、私が退団に至るまでに劇団RIZEの幹部との信頼関係の悪化は少しづつ生じており、晩年(私が退団するまでの数年間を指します)には致命的なものは数知れず、一切の不信へと至るには充分すぎる事象が生じました。 詳細については、申し訳ありませんが契約上申し上げる事が出来ません。 少なくとも現在の権利者に対しても、信頼関係の構築は厳しいという認識です。]
[小塚新:現在の権利者を信頼出来ない理由としましては、事実の公表が不十分であり、私の退団理由の不明瞭な公表に対しても不信感が拭えないからです。 私からは何も言うつもりは無い、と退団届に何故記載したのかご理解頂けなかった事は極めて遺憾であり、非常に落胆致しました。]
[小塚新:数有る噂について、明確に否定しておきたいのは、私自身も旧総支配人ならびに旧演出家より性加害を受けた被害者の一人であり、当該事案についての捜査協力もしたという事です。 なお、性加害の被害を受けた理由は私が彼らの意見と対立し、出資者に対して強い影響力を持っていた私が目障りで気に食わないという理由です。 本件に関しては元劇団員を含めた非被害者である第三者によって、性加害という犯罪行為の一部始終を目撃していた(あるいはそういった行為がある旨を通告していた)にも関わらず、私による拒否や拒絶行為をあたかも助長の一環だったかの様に吹聴するなどの行為がある事を認識しております。 心当たりがある者は、直ちにやめてください。 今後は認識した時点で法的なものを含め、対応を検討して参ります。]
[小塚新:私は現在、甥である二名を甥の両親であった姉夫婦の急逝に伴い、養子として引き取っております。 姉夫婦、父と立て続けに失った私にとっては、甥二名のみが唯一の家族と呼べるのですが、私が劇団RIZE幹部による性加害の被害者であった事は二人が当時まだ幼かった事から伏せ、現在に至るまで言うタイミングを失っていた為、本投稿で知る事となります。 既に役者(劇団RIZE在籍)時代に何かあった、という事は察していたようですが、俺が劇団と役者を辞めたのはこういう理由です。 元より劇団RIZE自体は、例え二度と劇団RIZEコンテンツの使用が許されなくなり、事実上役者を辞める事になってでも辞めるつもりでした。]
[小塚新:平気で嘘を付く、裏切る。 平気で噂に尾ひれを付け、劇団関係者(出資者を含む)にまで広める。 そういった事が劇団員を含めて、私の退団当日まで蔓延っていたため他人不信になりました。]
[小塚新:私の望みは、劇団RIZEの存続、または、万人が納得出来る終幕でしたが、どちらも叶いませんでした。 本音を言えば劇団RIZEの存続が望みであり、その為に粉骨砕身しましたが先程も申し上げたように、平気で嘘を付かれ、裏切られ、性暴力を含めた暴力や言葉の暴力も毎日だった事から、幾度となく環境改善を求めていましたがそれすら叶わず、失望のままに自身の心を守る為に退団を決めました。 具体的な退団理由とするならば、“劇団RIZEに対する失望と絶望"の一言に尽きるのです。]
[小塚新:俺にとって、劇団RIZEは希望であり憧れの場だったが、気が付いた時には希望にも憧れにもなれない劇団RIZEになっていた。 ただただ残念で、悲しみしかない。 俺がやっていた数々、あの数年間は一体なんだったのか。 努力が泡と化し、味方も援軍も無い状態でひたすら放置されていたのに、愛想を尽かすなというのが無理な話だ。 流石に、俺だって愛想を尽かすさ。]
[小塚新:最後に。 改めてになりますが、私は舞台に立つのが、演じる事が好きだったから芸能活動を辞めました。 好きであるが故に苦しみ、疲れ果てたので芸能活動を辞めよう、離れようと決めたタイミングで、ようやく小学生になったばかりだった甥は急に両親を失ってしまった。 父も、既に病魔により殆ど自力で動く事が困難となり、殆ど寝たきりの状態で訪問看護等のサービスを受けながら姉夫妻のサポートを受けていたので、亡き姉夫妻に代わって誰かがサポートする必要があったのです。 そういった様々な要因が重なったので、劇団や芸能活動を辞めるにはちょうど良かったんです。]
[小塚新:しかし、真実を知りながら、あるいは、一部始終を見ていながら“沈黙"または“隠蔽"を選んでいるのが今の劇団RIZEコンテンツに関わる人達であるという認識である以上、私が劇団RIZEコンテンツに関わる事はありませんし、所有しているものに関しても貸し出しや譲渡はしません。当然、私が歌唱した音源や出演映像の使用についても許可致しません。 芸能活動の再開を行なうつもりですが、現状、劇団RIZEにはもう関わりたくありません。 芸能活動再開時期等については、別途改めてお知らせ致します。]
[小塚新:以上を私、小塚新からの声明とし、開設した個人HPに今回投稿したものと同文の内容の声明文を掲載しております。 引用する場合には、個人HPに掲載しております声明文(画像)の方をご利用下さい。 掲載許可を求める必要はありませんが、常識や法令が許す範囲でお願いします。]
小塚新名義で作成したSNSアカウントで投稿すると、投稿から約30分で二十万ほど拡散されていた。
[え、いつの間にか小塚新のSNSアカウント増えてる? 偽物なら前から居たけど、これ本人?!]
[えっ?! 小塚新本人のアカウント出来てる!?]
[仮に小塚新本人だとしたら、これ……結構権利者とか元劇団員仲間に怒ってる感じでは………?]
[小塚新本人なら、小塚新が芸能活動を辞めたくなるほど劇団RIZEの関係者が小塚新からの信用を損なって、仲間だったはずの劇団員にも失望したって事なんだけど、この声明色々大丈夫……?]
[ずっと黙ってた小塚新が実は未だにめちゃくちゃ怒ってるのを匂わせてる上、劇団RIZEの関係者だけじゃなくて劇団員仲間もだいぶやらかしてたのが発覚して笑うしかなーい!!劇団員もやらかしてるとか、なにしてんだよ………。]
[小塚新の投稿見たんだけどこれ、もしかしてオルティナヤバいんじゃない……?]
[小塚新は劇団RIZEの総支配人とヤッてた(肉体関係あった)とか言ってたオルティナは小塚新本人がこう投稿した以上、そういう風な言い方して性加害を容認してた連中って事じゃねえか? 性加害とは知らなかったって言い出すんだろうけど、笑いながら一部始終見た時の話ししてたのネットに上がってるから無理だろ]
[てか、普通に一回読んだ時に見落とした! え!! 小塚新活動再開するの?!マジ!?]
[小塚新の声明文にシレッと活動再開するつもりって書いてあるーッ?! も、もしやフリーでやって行くんですか……?劇団RIZEコンテンツはやらないだろうけど、また歌ったり演じたりが見れるということ………?(ソワァ)]
「……概ね想定通りだな。」
小塚新としての投稿への引用投稿の数々を見てからそう呟いた。
記事が出る日程までは分からず、小塚新としての声明が出る方が先になってしまったが。
[小塚和馬:急でごめんなんだけど、今日の20時から俺的に重要なお知らせをします。 割と真面目な話です。(引退とかそういう話では無い)]
「! ……今日話すって決めたか。」
嬉しい反応があるのも噛み締めていると、和馬の小塚和馬としてのSNS投稿を目にし、そう呟くと目を伏せ、翔真に決まったかどうか確認するメッセージを送った。
すぐに既読は付いたが、しばらく待っても返事は無かった。
まだ決まっていないのと、小塚新としての俺の声明を見て考える時間が欲しいのだろう事はすぐに察し、決まったら連絡が欲しいとだけ追加で送った。
『あんまり遠回しな言い方は好きじゃないので、単刀直入に言うと叔父兼養父が小塚新です。 今まで言わなかったのは、叔父さん自身が望まなかったからで、叔父さんが望まなかった理由は、俺が小塚新の甥で養子だって公表する事によって生じるだろう、小塚新が原因の誹謗中傷に対する心配と不安。 俺は、叔父さんが嫌がっている事を無理矢理押し通そうとは思ってなかったから、分かったって今まで言わなかっただけ。 俺はちゃんと納得したから、言わなかっただけだから、公表しなかった事について叔父さんを責めるような真似するなら、法的に何かできないのか叔父さん経由で専門家に相談したりとかするから、マジでやめて欲しい。』
『小塚新として声明出すよ、とは聞いてて………うん……実際、配信前に声明見た。 小塚新として何かあったって事は、まあ、叔父さんの友達から仄めかされてたし、叔父さんの口振り的にも察してた。 明らかに、話したくなさそうだったから、ふーんって。 声明見て、そりゃあ言いたくもないよな、って腑に落ちた。』
「…………。」
『叔父さんは、今日は頭から聞いてると思う。 送信エラーになってて俺が投稿した後になっちゃったんだけど、公表するってメッセージ送ったから俺が公表する事は知ってるから。 まあ、叔父さんとは改めて後で話そうかなとは思ってるけど。 ………本当はさ、まだ言えない事があるんだけど、それは俺を護る事を兼ねてるからだし、言えるようになったらマジで言うけど、現状はあんまり噂とかを鵜呑みにされたくない。』
『俺の両親が死んだ時、絶対叔父さんだって悲しかっただろうし、泣きたかったはずなんだけど、マジで叔父さんが悲しくて泣いてるのを見た事がない。 ドラマ見て泣く、なんてこともマジで無い。 俺達の前では笑い過ぎて泣く事はあっても、悲しくて泣いた事は一度も無い。 ………大人だから、とか、親代わりだからとかそういう、責任感?が叔父さんってめちゃくちゃ強い。しかもこっちが頼るとしっかり応えるからさ。 だからちょっと、今は心配なんだよな、叔父さんが。』
「……!」
『無理してるとは思ってない。 思ってないけど、気負い過ぎというか抱え過ぎてんじゃないか?とは心配になる。 まあ、俺はまだ未成年だから特別何か出来る訳じゃないんだけど、子供ってほど幼くないから、出来る範囲の事は自分でやれるよっとは度々言ってて。 させてもくれるけど………なんだろうな、叔父さんなりの親心なのかな?多分。分かんねえけど、それも出来るんだけどなーってのも多い。』
「…………。」
『俺は叔父さんのこと大好きだよ。叔父としても、養父としても、マジで感謝してるし尊敬してる。 あのー……後で俺が怒られるだけだから言うけど、退団直後の叔父さんね、皆が思ってる以上にヤバかった。 俺の両親の葬儀云々、多分叔父さんが受けた被害の事云々、ガチで言えない事云々でマジで寝れてなかった。 目の下に常にクマ出来てたくらい寝れてなかったし、まともに食事食べれてなかったというか、食べても俺達が知らないとこで吐いてたっぽくて、倒れて救急車で運ばれてんだよね、一回。 そっから今も病院通ってるくらいだし、通ってる理由教えてくれないから、本当は受けた被害が理由なのかも。 とりあえず、実はカウンセリングを受けてたとは聞いた、何年か前に。 何度か叔父さんが何か言おうとしてやめたって事あったから、全く話したくなかったって訳じゃない。 叔父さんだって皆と同じ普通の人?だから、話すのに勇気が要るって事は普通にあるに決まってんだよ。』
『………てか、言える訳なくねえ? 実は、昔に上司的な奴らから男だけど男から無理矢理抱かれましたーとか、そんなん言える訳ない。 折れは家族だし、未成年だし、両親もじいちゃんも亡くしたばっかだったんだから尚更。』
「!」
『俺は叔父さんの養子で良かったって思ってる。叔父さんの養子が良い。 お金持ちの家じゃなくったって、叔父さんがああいう被害受けた人だったって、全然良い。 俺がこの活動したいって言った時も、叔父さんは反対しなかった。 ただ、甘く考えてないか、とか、遊びのつもりなんじゃないかとか、そういう、本気度?の確認はされた。 だから、俺からも最低でも五年は小塚新の甥で養子だって明かさない事は活動始める、していく条件の中には入れてた。 だけどさ、小塚新の噂っつのかな?が年々酷くなってるというか、尾ヒレが付いたまま広がってるから、流石にここ数年は目に付く頻度が増えてて、流石に面白くない。 腹立つ本当に。』
[ヒエッ……]
[あ〜……おすすめ表示とかかな………]
[再生数とか閲覧数稼ぎに〜とかやる奴居るからなぁ……]
[腹立つって事は、声明以上の内容聴いてる感じ?]
『声明以上の内容を叔父さんから聴いてるか? うーん……。 まあ、過去については、概ね声明通りに聞いたかな。 声明まで知らなかったのは、叔父さんも性暴力被害者だって事くらい。 あとは、声明でも言われてない事かつ噂になってるような内容で、叔父さんからマジで言うなよ?振りじゃないからな?ってガチで言われてるし、言っちゃいけないって分かってるのがあるってだけ。 ………叔父さーん、あの、この言っちゃいけない話ってさ、あのー……待って、やっぱメッセージで送るわ。口に出すの怖くなってきた。』
[和馬 弁護士さん(専門家)案件って言うのもまずい?]
[あー……まあ、弁護士さんに依頼してるようなのもある、くらいなら大丈夫じゃないか?]
『………多分大丈夫じゃないか?って回答が来た時が一番怖い。 大丈夫じゃなかったら、叔父さんも大変なんだよなこれ………言わないでおこ。』
[匂わせだけwww]
[凄いデリケートというか、シビアな何かがあるという匂わせだけwwww]
[ファンとしては、どうやらまだ不発弾があるっぽいという事実が怖い………]
[やばすぎん?]
『言えないやつは、マジで小塚新云々というよりは、家族。プライベート寄りな話。 ただ、あのー、叔父さんは小塚新だからさ、何?それが影響があるんだよねって感じ。 俺から言えるのはね、その話としてはこの話が世に出た瞬間に、俺はブチ切れて暴れるよって叔父さんには伝えてある。』
「…………。」
[小塚和馬チャンネル 和馬「大人の事情とか知らねえし。(既にキレている)」 実にあの姉貴の息子って感じ]
[管理人さんだ!!]
[本当に居た?!]
[母親の遺伝子強いのかw]
[管理人さん(=叔父)=小塚新なの未だに動揺が凄いんですが???昔、出演作拝見してました………]
[居るぅぅ!! オルフェウスを一回だけ観た事あります!その後?チケットがご用意出来ませんでした]
[マティウスを観て、マティウスの弟役の役者(小塚新)すげえ!と思ったら数カ月後には出演(静寂たる月夜の散華)やってて、これは売れると思ったらもうチケット取れなくなって笑った記憶あるw]
[静寂たる月夜の散華なら観ました!! チケット戦争勝てたのはそれっきり………]
[小塚新といえば、皇帝じゃない時のオルフェウスを観たきりだったなぁ………(シミジミ]
[小塚和馬チャンネル マティウスとか知らない人が大半な、クッッソ古い作品挙げられて「はぁ?!」って声出すとこだったわ(別室だが多分マイクに拾われたはず)]
『叔父さんの出演作品観たことある奴ら多くてウケる。 マティウスとか、オルフェウスって何?作品名なのそれ?』
[知らない……だ、と………?]
[うそだろ……?オルフェウスすら………?]
[えっ……(ショック)]
[おい、甥への教育どうなってんだ。出演作ぐらい義務教育だろ!?]
[なんで小塚新の出演作すら知らねぇんだよ!?]
[小塚和馬チャンネル ヒント:俺が劇団辞めた時点で和馬は6歳]
[クッッソ!!!!]
[小塚新全盛期がバブちゃん!!]
[小塚新がオルフェウス演ってた時点で生まれてない可能性高いの………]
[ファーーー(ジェネレーションギャップでタヒ)]
『叔父さんね、基本的に役者やってた事は言っても、劇団RIZEでとか、何演ったかは言わないよ。 劇団RIZEで役者やってたって知ってるの、元々やってる事を知ってた叔父さんの友達ぐらい? 俺が劇団RIZEの役者だったって聞いたのが………七年前?くらいだし。 言い触らすタイプでもないって叔父さんの友達が言ってた。』
「…………。」
「記事、ほぼ確実に出るんだろ? 叔父さんが心配してくれてんのは、分かってるつもりだけど、叔父で育ての親が馬鹿にされ続けてんのはマジで腹立つ。 ……登録者数20万人行ったらって約束は、破る事になるけど。」
「………お前の事だから公表させろって言い出すだろうなとは思ってたよ。」
翔真からはまだ決めたかどうかの返事は無い。
だが、これ以上和馬が我慢出来るとは思っていない。
だからこそ、約束である条件達成前に言い出すだろう事は予測出来ていた。
「! じゃあ……。」
「今は駄目だ。 記事が出る事を前提で弁護士さんには動いて貰ってるし、記事が出る前提で俺も動かなきゃならない。 小塚新として、対応せざるを得ない状況が迫ってる中で公表を先にされればお前が問い詰められる。 心無い言葉が言われても冷静に対応しなきゃならないが、お前にそれは難しいだろ?」
「…………。」
「だから、今は駄目だ。 分かったな?」
「……分かった。」
「匂わせるのも駄目だからな?」
「…………。」
「(やっぱりやろうとしてやがったな……?)」
釘を差せば目を逸らした和馬にそう思い、溜め息を吐くとその頭を撫で回してやった。
「………やっぱりあのクソ記者は、痛い目を見るべきね。」
やはり例の記事がほぼ確実に出そうだ、と、伝えると大きな溜め息の後でそう言った大悟に苦笑いを返した。
「この仕事を辞めなきゃならないのが、少し……いや、普通に残念だけどな。 こればっかりはしょうがない。」
「………別に、気にする事無いのよ。 アタシだって、本業関係で雑誌やなんかに出てるしね。」
「ここはお前の店だし、お前の本業を分かってて湊も遥斗もバイトに来てる。あと客もか。 でも、俺の事は違う。あくまでも、俺は元役者だ。 芸名も、どこに居たのかも、お前以外誰も知らない……そうだろ?」
「…………。」
「お前には感謝してるよ、本当に。 応えてやれない事に罪悪感すら感じるぐらいにはな。」
「………アタシが中二の時、自殺未遂をしたこと、アンタも覚えてるでしょ?」
「? ああ。 お前の退院直後に、病院の前でお前をぶん殴ってやったからな。」
「アンタは信じられないくらい怒ってて、それがアタシの為であり、アタシはどれほど愚かなのか痛感したわ。 アンタは、こんなアタシを否定せず、拒絶する事なく、理解ある親友としてアタシが犯した間違いを本気で怒った。 だから、アンタは今のままで十分よ。」
「………そうか。 なら、俺がここに来なくなってもしっかりやれよ?大悟。 今生の別れって訳じゃないし、落ち着いたら顔を出すつもりはあるんだからな。」
「……その時は、店にサインでも貰おうかしらね。」
「ははッ! 良いぜ?ちゃんとお前がしっかりやってたらな。」
「………念押しするじゃない……。」
大悟は不満げにそう告げたが、自殺未遂という前科の自覚があるからか、それ以上は言わずに俺が差し出した右手の拳に左手の拳で応えてきた。
「「辞める?!」」
「ああ。 来週から有給消化で来ないから、実質的には今週いっぱいでな。」
「そんなぁ……!」
「まさか、店長が何かやからしたんですか?」
「ちょっとどういう意味かしら?」
「あー、違う違う。 前職が絡む事で対応を続けてたんだが、どうしても戻らざるを得なそうなんだよ。 だから、迷惑をかける前にな。」
「「……!!」」
「そういう訳だから、新しい人が来るまでは二人には負担掛けちゃうでしょうけど……。」
「全然大丈夫です!」
「頑張ります。」
「まあ、俺も落ち着いたら顔を出すつもりだよ。」
湊と遥斗の他、常連客も退職を伝えると皆残念がったが前職への復帰と聞いて楽しみだと言う人も中にはいた。
それは有り難く、大悟の店で働くのは楽しかったとつくづく思った。
「………大悟さんの店、辞めてきた?」
「正確には再来週には辞める。 が、有給がまだ10日ぐらい残ってるから、明日からその有給消化でそのまま辞める形だな。」
「今日が最後の出勤日だったってことじゃん。 だからそんなに花束とかお菓子貰って来たんだ 昔のファンに会ったのかと思った。」
「昔のファンだとしたら、人数居すぎだろ。 ……こっちはクッキー缶だから、なんだったら部屋に持って行ってゲームしながらでも食べろ。 ただし、飯前とか食い過ぎんなよ。」
「やった。 今日は流石に食わないで明日雑談配信のつもりだから、それのお供にする。」
翔真と和馬に、大悟の店を辞める事と小塚新として再活動する意向を伝え、最後の出勤日だから、と常連客が花束やら焼き菓子のギフトセットなどをくれたが流石に一人では食い切れないので丸々一つを和馬にくれてやれば嬉しそうにそう言って来た。
だが、翔真はまだ結論が出てないようで、俺の意向を伝えても了承したような返答があっただけで、俺は改めて待つがあまり日は無いとだけ伝えた。
[小塚新:元⚫劇団RIZE第八十二代目俳優代表の小塚新です。 お久し振りです、あるいは、初めまして。 ]
[小塚新:先に申し上げておくと、私に関して様々な憶測や噂、元劇団RIZEの後輩であるタレントの発言は把握しています。]
[小塚新:こうしてアカウントを作成したのは、そうした噂や発言に対して身内が誰よりも心を痛め、激怒している事から対応せざるを得なくなった為です。 正直に申し上げるならば、私の退団が公表されたタイミングで全ての事実を権利者から公表して頂いていれば、このような事態を招かなかったという認識です。]
[小塚新:退団に至った経緯ですが、私が退団に至るまでに劇団RIZEの幹部との信頼関係の悪化は少しづつ生じており、晩年(私が退団するまでの数年間を指します)には致命的なものは数知れず、一切の不信へと至るには充分すぎる事象が生じました。 詳細については、申し訳ありませんが契約上申し上げる事が出来ません。 少なくとも現在の権利者に対しても、信頼関係の構築は厳しいという認識です。]
[小塚新:現在の権利者を信頼出来ない理由としましては、事実の公表が不十分であり、私の退団理由の不明瞭な公表に対しても不信感が拭えないからです。 私からは何も言うつもりは無い、と退団届に何故記載したのかご理解頂けなかった事は極めて遺憾であり、非常に落胆致しました。]
[小塚新:数有る噂について、明確に否定しておきたいのは、私自身も旧総支配人ならびに旧演出家より性加害を受けた被害者の一人であり、当該事案についての捜査協力もしたという事です。 なお、性加害の被害を受けた理由は私が彼らの意見と対立し、出資者に対して強い影響力を持っていた私が目障りで気に食わないという理由です。 本件に関しては元劇団員を含めた非被害者である第三者によって、性加害という犯罪行為の一部始終を目撃していた(あるいはそういった行為がある旨を通告していた)にも関わらず、私による拒否や拒絶行為をあたかも助長の一環だったかの様に吹聴するなどの行為がある事を認識しております。 心当たりがある者は、直ちにやめてください。 今後は認識した時点で法的なものを含め、対応を検討して参ります。]
[小塚新:私は現在、甥である二名を甥の両親であった姉夫婦の急逝に伴い、養子として引き取っております。 姉夫婦、父と立て続けに失った私にとっては、甥二名のみが唯一の家族と呼べるのですが、私が劇団RIZE幹部による性加害の被害者であった事は二人が当時まだ幼かった事から伏せ、現在に至るまで言うタイミングを失っていた為、本投稿で知る事となります。 既に役者(劇団RIZE在籍)時代に何かあった、という事は察していたようですが、俺が劇団と役者を辞めたのはこういう理由です。 元より劇団RIZE自体は、例え二度と劇団RIZEコンテンツの使用が許されなくなり、事実上役者を辞める事になってでも辞めるつもりでした。]
[小塚新:平気で嘘を付く、裏切る。 平気で噂に尾ひれを付け、劇団関係者(出資者を含む)にまで広める。 そういった事が劇団員を含めて、私の退団当日まで蔓延っていたため他人不信になりました。]
[小塚新:私の望みは、劇団RIZEの存続、または、万人が納得出来る終幕でしたが、どちらも叶いませんでした。 本音を言えば劇団RIZEの存続が望みであり、その為に粉骨砕身しましたが先程も申し上げたように、平気で嘘を付かれ、裏切られ、性暴力を含めた暴力や言葉の暴力も毎日だった事から、幾度となく環境改善を求めていましたがそれすら叶わず、失望のままに自身の心を守る為に退団を決めました。 具体的な退団理由とするならば、“劇団RIZEに対する失望と絶望"の一言に尽きるのです。]
[小塚新:俺にとって、劇団RIZEは希望であり憧れの場だったが、気が付いた時には希望にも憧れにもなれない劇団RIZEになっていた。 ただただ残念で、悲しみしかない。 俺がやっていた数々、あの数年間は一体なんだったのか。 努力が泡と化し、味方も援軍も無い状態でひたすら放置されていたのに、愛想を尽かすなというのが無理な話だ。 流石に、俺だって愛想を尽かすさ。]
[小塚新:最後に。 改めてになりますが、私は舞台に立つのが、演じる事が好きだったから芸能活動を辞めました。 好きであるが故に苦しみ、疲れ果てたので芸能活動を辞めよう、離れようと決めたタイミングで、ようやく小学生になったばかりだった甥は急に両親を失ってしまった。 父も、既に病魔により殆ど自力で動く事が困難となり、殆ど寝たきりの状態で訪問看護等のサービスを受けながら姉夫妻のサポートを受けていたので、亡き姉夫妻に代わって誰かがサポートする必要があったのです。 そういった様々な要因が重なったので、劇団や芸能活動を辞めるにはちょうど良かったんです。]
[小塚新:しかし、真実を知りながら、あるいは、一部始終を見ていながら“沈黙"または“隠蔽"を選んでいるのが今の劇団RIZEコンテンツに関わる人達であるという認識である以上、私が劇団RIZEコンテンツに関わる事はありませんし、所有しているものに関しても貸し出しや譲渡はしません。当然、私が歌唱した音源や出演映像の使用についても許可致しません。 芸能活動の再開を行なうつもりですが、現状、劇団RIZEにはもう関わりたくありません。 芸能活動再開時期等については、別途改めてお知らせ致します。]
[小塚新:以上を私、小塚新からの声明とし、開設した個人HPに今回投稿したものと同文の内容の声明文を掲載しております。 引用する場合には、個人HPに掲載しております声明文(画像)の方をご利用下さい。 掲載許可を求める必要はありませんが、常識や法令が許す範囲でお願いします。]
小塚新名義で作成したSNSアカウントで投稿すると、投稿から約30分で二十万ほど拡散されていた。
[え、いつの間にか小塚新のSNSアカウント増えてる? 偽物なら前から居たけど、これ本人?!]
[えっ?! 小塚新本人のアカウント出来てる!?]
[仮に小塚新本人だとしたら、これ……結構権利者とか元劇団員仲間に怒ってる感じでは………?]
[小塚新本人なら、小塚新が芸能活動を辞めたくなるほど劇団RIZEの関係者が小塚新からの信用を損なって、仲間だったはずの劇団員にも失望したって事なんだけど、この声明色々大丈夫……?]
[ずっと黙ってた小塚新が実は未だにめちゃくちゃ怒ってるのを匂わせてる上、劇団RIZEの関係者だけじゃなくて劇団員仲間もだいぶやらかしてたのが発覚して笑うしかなーい!!劇団員もやらかしてるとか、なにしてんだよ………。]
[小塚新の投稿見たんだけどこれ、もしかしてオルティナヤバいんじゃない……?]
[小塚新は劇団RIZEの総支配人とヤッてた(肉体関係あった)とか言ってたオルティナは小塚新本人がこう投稿した以上、そういう風な言い方して性加害を容認してた連中って事じゃねえか? 性加害とは知らなかったって言い出すんだろうけど、笑いながら一部始終見た時の話ししてたのネットに上がってるから無理だろ]
[てか、普通に一回読んだ時に見落とした! え!! 小塚新活動再開するの?!マジ!?]
[小塚新の声明文にシレッと活動再開するつもりって書いてあるーッ?! も、もしやフリーでやって行くんですか……?劇団RIZEコンテンツはやらないだろうけど、また歌ったり演じたりが見れるということ………?(ソワァ)]
「……概ね想定通りだな。」
小塚新としての投稿への引用投稿の数々を見てからそう呟いた。
記事が出る日程までは分からず、小塚新としての声明が出る方が先になってしまったが。
[小塚和馬:急でごめんなんだけど、今日の20時から俺的に重要なお知らせをします。 割と真面目な話です。(引退とかそういう話では無い)]
「! ……今日話すって決めたか。」
嬉しい反応があるのも噛み締めていると、和馬の小塚和馬としてのSNS投稿を目にし、そう呟くと目を伏せ、翔真に決まったかどうか確認するメッセージを送った。
すぐに既読は付いたが、しばらく待っても返事は無かった。
まだ決まっていないのと、小塚新としての俺の声明を見て考える時間が欲しいのだろう事はすぐに察し、決まったら連絡が欲しいとだけ追加で送った。
『あんまり遠回しな言い方は好きじゃないので、単刀直入に言うと叔父兼養父が小塚新です。 今まで言わなかったのは、叔父さん自身が望まなかったからで、叔父さんが望まなかった理由は、俺が小塚新の甥で養子だって公表する事によって生じるだろう、小塚新が原因の誹謗中傷に対する心配と不安。 俺は、叔父さんが嫌がっている事を無理矢理押し通そうとは思ってなかったから、分かったって今まで言わなかっただけ。 俺はちゃんと納得したから、言わなかっただけだから、公表しなかった事について叔父さんを責めるような真似するなら、法的に何かできないのか叔父さん経由で専門家に相談したりとかするから、マジでやめて欲しい。』
『小塚新として声明出すよ、とは聞いてて………うん……実際、配信前に声明見た。 小塚新として何かあったって事は、まあ、叔父さんの友達から仄めかされてたし、叔父さんの口振り的にも察してた。 明らかに、話したくなさそうだったから、ふーんって。 声明見て、そりゃあ言いたくもないよな、って腑に落ちた。』
「…………。」
『叔父さんは、今日は頭から聞いてると思う。 送信エラーになってて俺が投稿した後になっちゃったんだけど、公表するってメッセージ送ったから俺が公表する事は知ってるから。 まあ、叔父さんとは改めて後で話そうかなとは思ってるけど。 ………本当はさ、まだ言えない事があるんだけど、それは俺を護る事を兼ねてるからだし、言えるようになったらマジで言うけど、現状はあんまり噂とかを鵜呑みにされたくない。』
『俺の両親が死んだ時、絶対叔父さんだって悲しかっただろうし、泣きたかったはずなんだけど、マジで叔父さんが悲しくて泣いてるのを見た事がない。 ドラマ見て泣く、なんてこともマジで無い。 俺達の前では笑い過ぎて泣く事はあっても、悲しくて泣いた事は一度も無い。 ………大人だから、とか、親代わりだからとかそういう、責任感?が叔父さんってめちゃくちゃ強い。しかもこっちが頼るとしっかり応えるからさ。 だからちょっと、今は心配なんだよな、叔父さんが。』
「……!」
『無理してるとは思ってない。 思ってないけど、気負い過ぎというか抱え過ぎてんじゃないか?とは心配になる。 まあ、俺はまだ未成年だから特別何か出来る訳じゃないんだけど、子供ってほど幼くないから、出来る範囲の事は自分でやれるよっとは度々言ってて。 させてもくれるけど………なんだろうな、叔父さんなりの親心なのかな?多分。分かんねえけど、それも出来るんだけどなーってのも多い。』
「…………。」
『俺は叔父さんのこと大好きだよ。叔父としても、養父としても、マジで感謝してるし尊敬してる。 あのー……後で俺が怒られるだけだから言うけど、退団直後の叔父さんね、皆が思ってる以上にヤバかった。 俺の両親の葬儀云々、多分叔父さんが受けた被害の事云々、ガチで言えない事云々でマジで寝れてなかった。 目の下に常にクマ出来てたくらい寝れてなかったし、まともに食事食べれてなかったというか、食べても俺達が知らないとこで吐いてたっぽくて、倒れて救急車で運ばれてんだよね、一回。 そっから今も病院通ってるくらいだし、通ってる理由教えてくれないから、本当は受けた被害が理由なのかも。 とりあえず、実はカウンセリングを受けてたとは聞いた、何年か前に。 何度か叔父さんが何か言おうとしてやめたって事あったから、全く話したくなかったって訳じゃない。 叔父さんだって皆と同じ普通の人?だから、話すのに勇気が要るって事は普通にあるに決まってんだよ。』
『………てか、言える訳なくねえ? 実は、昔に上司的な奴らから男だけど男から無理矢理抱かれましたーとか、そんなん言える訳ない。 折れは家族だし、未成年だし、両親もじいちゃんも亡くしたばっかだったんだから尚更。』
「!」
『俺は叔父さんの養子で良かったって思ってる。叔父さんの養子が良い。 お金持ちの家じゃなくったって、叔父さんがああいう被害受けた人だったって、全然良い。 俺がこの活動したいって言った時も、叔父さんは反対しなかった。 ただ、甘く考えてないか、とか、遊びのつもりなんじゃないかとか、そういう、本気度?の確認はされた。 だから、俺からも最低でも五年は小塚新の甥で養子だって明かさない事は活動始める、していく条件の中には入れてた。 だけどさ、小塚新の噂っつのかな?が年々酷くなってるというか、尾ヒレが付いたまま広がってるから、流石にここ数年は目に付く頻度が増えてて、流石に面白くない。 腹立つ本当に。』
[ヒエッ……]
[あ〜……おすすめ表示とかかな………]
[再生数とか閲覧数稼ぎに〜とかやる奴居るからなぁ……]
[腹立つって事は、声明以上の内容聴いてる感じ?]
『声明以上の内容を叔父さんから聴いてるか? うーん……。 まあ、過去については、概ね声明通りに聞いたかな。 声明まで知らなかったのは、叔父さんも性暴力被害者だって事くらい。 あとは、声明でも言われてない事かつ噂になってるような内容で、叔父さんからマジで言うなよ?振りじゃないからな?ってガチで言われてるし、言っちゃいけないって分かってるのがあるってだけ。 ………叔父さーん、あの、この言っちゃいけない話ってさ、あのー……待って、やっぱメッセージで送るわ。口に出すの怖くなってきた。』
[和馬 弁護士さん(専門家)案件って言うのもまずい?]
[あー……まあ、弁護士さんに依頼してるようなのもある、くらいなら大丈夫じゃないか?]
『………多分大丈夫じゃないか?って回答が来た時が一番怖い。 大丈夫じゃなかったら、叔父さんも大変なんだよなこれ………言わないでおこ。』
[匂わせだけwww]
[凄いデリケートというか、シビアな何かがあるという匂わせだけwwww]
[ファンとしては、どうやらまだ不発弾があるっぽいという事実が怖い………]
[やばすぎん?]
『言えないやつは、マジで小塚新云々というよりは、家族。プライベート寄りな話。 ただ、あのー、叔父さんは小塚新だからさ、何?それが影響があるんだよねって感じ。 俺から言えるのはね、その話としてはこの話が世に出た瞬間に、俺はブチ切れて暴れるよって叔父さんには伝えてある。』
「…………。」
[小塚和馬チャンネル 和馬「大人の事情とか知らねえし。(既にキレている)」 実にあの姉貴の息子って感じ]
[管理人さんだ!!]
[本当に居た?!]
[母親の遺伝子強いのかw]
[管理人さん(=叔父)=小塚新なの未だに動揺が凄いんですが???昔、出演作拝見してました………]
[居るぅぅ!! オルフェウスを一回だけ観た事あります!その後?チケットがご用意出来ませんでした]
[マティウスを観て、マティウスの弟役の役者(小塚新)すげえ!と思ったら数カ月後には出演(静寂たる月夜の散華)やってて、これは売れると思ったらもうチケット取れなくなって笑った記憶あるw]
[静寂たる月夜の散華なら観ました!! チケット戦争勝てたのはそれっきり………]
[小塚新といえば、皇帝じゃない時のオルフェウスを観たきりだったなぁ………(シミジミ]
[小塚和馬チャンネル マティウスとか知らない人が大半な、クッッソ古い作品挙げられて「はぁ?!」って声出すとこだったわ(別室だが多分マイクに拾われたはず)]
『叔父さんの出演作品観たことある奴ら多くてウケる。 マティウスとか、オルフェウスって何?作品名なのそれ?』
[知らない……だ、と………?]
[うそだろ……?オルフェウスすら………?]
[えっ……(ショック)]
[おい、甥への教育どうなってんだ。出演作ぐらい義務教育だろ!?]
[なんで小塚新の出演作すら知らねぇんだよ!?]
[小塚和馬チャンネル ヒント:俺が劇団辞めた時点で和馬は6歳]
[クッッソ!!!!]
[小塚新全盛期がバブちゃん!!]
[小塚新がオルフェウス演ってた時点で生まれてない可能性高いの………]
[ファーーー(ジェネレーションギャップでタヒ)]
『叔父さんね、基本的に役者やってた事は言っても、劇団RIZEでとか、何演ったかは言わないよ。 劇団RIZEで役者やってたって知ってるの、元々やってる事を知ってた叔父さんの友達ぐらい? 俺が劇団RIZEの役者だったって聞いたのが………七年前?くらいだし。 言い触らすタイプでもないって叔父さんの友達が言ってた。』