The First Morning~穂積version
「う・・・ん」
温かい場所で、ゆっくりと意識が浮上する。
なんだかすごく満たされた気分。
もちろん、ぐっすり眠ったからなんだけど、いつもと『ちがう』ベッドの感触。
ああ、私、パジャマを着ないで寝ちゃったんだ・・・。
でも、ちっとも寒くなかったな。
むしろ、素肌のまま何かに全身を包まれて、守られているような感じ。
どうしてだろう?と思ったけれど、その答えはすぐに出た。
思わず頬を摺り寄せ、手のひらでその感触を確かめるように触れていた・・・というか、撫ででいたもの。
それは、間違いなく、自分ではない、ひとのからだだった。
きれいに整った筋肉と、なめらかな素肌。
規則的に上下する胸にもたれていたから、
伝わって来る呼吸と心臓のリズムが、私に安心感と懐かしさを与えてくれていたんだ・・・。
・・・え?
でも、素肌って、誰の?
まさか、この歳で親のハズはないし・・・
そこまで思案して、はっと気づいた。
そうだ!!
私、昨夜
初めて・・・。
・・・ということは、私が触れてる、これって・・・、室長、の、胸ってことだよね?
・・・ということは、室長も、私も、何も着てない・・・裸ってことだよね?
だいたい、私、どうやって眠ったのかも全く覚えてないよ。
はっきりしてくる意識とは裏腹に、できるならこのまま気絶してしまいたくなった。
どうしよう、
とにかく室長が目覚める前に起きないと、裸を見られちゃう・・・!
でも、どうやって??
こんなに密着してるのに、起こさずに動くなんて無理だ。
さっきまでの穏やかな気分はどこかに吹き飛んでしまい、
うるさいくらいに速く心臓が拍動してるのが、自分でも分かる。
背筋を冷や汗まで流れるような錯覚がしたところで、
「なーに、焦ってるんだ?」
突然、頭上から室長の声が聞こえた。
「きゃ!」
驚きのあまり、バクバクいってた心臓が口から飛び出そうになる。
「し、つ長・・・、起きちゃったんですか?」
「起きちゃったはないだろう?朝っぱらから、ヒトの胸をそんなに撫でまわしてしがみついたりして、別のトコが起きたらどうするつもりなんだよ」
・・・・・・
いやーっ。
こんな、初めての朝から、下ネタなんて!
やっぱり室長は室長だった・・・。
真っ赤になってる自覚はあったけど、
緊張感は一気に薄れていった。
身体から力が抜けたのを見計らったように、室長が私の頭を撫でる。
くしゃくしゃと、いつものように、慈しむように。
「よく眠れたか?」
「は、はい。室長は?枕にしちゃって・・・すみません。その・・・、重くなかったですか?」
胸にすがったままなので、見上げるような目線になってしまったけれど、ちゃんと顔を上げて室長の目を見ながら聴いてみた。
すると、触れたままの胸の鼓動が、大きく跳ねたのがわかった。
背中と頭に回された室長の腕に力が籠り、ぎゅっと胸に抱きしめられる。
「し、室長!」
「・・・お前、可愛いすぎ」
少し掠れた声で、吐息混じりに囁かれた。
その瞬間、
昨夜、この声を。この腕を。この・・・熱を。
いっぱいいっぱい感じてたことを、体が思い出してしまった。
うわー・・・
どうしよう。
もう、幸せで溶けちゃいそう・・・。
「室長じゃない。名前で呼べって言ったはずだろう?」
腕の力を緩めて、柔らかく室長が微笑む。
「おはよう、翼」
啄むようなキス。
ああ、私、本当に本当の室長の恋人に、なれたんだ・・・
「・・・おはようございます。・・・泪さん」
上出来だ。
そう言いながら、室長・・・泪さんの唇が、私の唇に、甘く深く重なった。
Fin
温かい場所で、ゆっくりと意識が浮上する。
なんだかすごく満たされた気分。
もちろん、ぐっすり眠ったからなんだけど、いつもと『ちがう』ベッドの感触。
ああ、私、パジャマを着ないで寝ちゃったんだ・・・。
でも、ちっとも寒くなかったな。
むしろ、素肌のまま何かに全身を包まれて、守られているような感じ。
どうしてだろう?と思ったけれど、その答えはすぐに出た。
思わず頬を摺り寄せ、手のひらでその感触を確かめるように触れていた・・・というか、撫ででいたもの。
それは、間違いなく、自分ではない、ひとのからだだった。
きれいに整った筋肉と、なめらかな素肌。
規則的に上下する胸にもたれていたから、
伝わって来る呼吸と心臓のリズムが、私に安心感と懐かしさを与えてくれていたんだ・・・。
・・・え?
でも、素肌って、誰の?
まさか、この歳で親のハズはないし・・・
そこまで思案して、はっと気づいた。
そうだ!!
私、昨夜
初めて・・・。
・・・ということは、私が触れてる、これって・・・、室長、の、胸ってことだよね?
・・・ということは、室長も、私も、何も着てない・・・裸ってことだよね?
だいたい、私、どうやって眠ったのかも全く覚えてないよ。
はっきりしてくる意識とは裏腹に、できるならこのまま気絶してしまいたくなった。
どうしよう、
とにかく室長が目覚める前に起きないと、裸を見られちゃう・・・!
でも、どうやって??
こんなに密着してるのに、起こさずに動くなんて無理だ。
さっきまでの穏やかな気分はどこかに吹き飛んでしまい、
うるさいくらいに速く心臓が拍動してるのが、自分でも分かる。
背筋を冷や汗まで流れるような錯覚がしたところで、
「なーに、焦ってるんだ?」
突然、頭上から室長の声が聞こえた。
「きゃ!」
驚きのあまり、バクバクいってた心臓が口から飛び出そうになる。
「し、つ長・・・、起きちゃったんですか?」
「起きちゃったはないだろう?朝っぱらから、ヒトの胸をそんなに撫でまわしてしがみついたりして、別のトコが起きたらどうするつもりなんだよ」
・・・・・・
いやーっ。
こんな、初めての朝から、下ネタなんて!
やっぱり室長は室長だった・・・。
真っ赤になってる自覚はあったけど、
緊張感は一気に薄れていった。
身体から力が抜けたのを見計らったように、室長が私の頭を撫でる。
くしゃくしゃと、いつものように、慈しむように。
「よく眠れたか?」
「は、はい。室長は?枕にしちゃって・・・すみません。その・・・、重くなかったですか?」
胸にすがったままなので、見上げるような目線になってしまったけれど、ちゃんと顔を上げて室長の目を見ながら聴いてみた。
すると、触れたままの胸の鼓動が、大きく跳ねたのがわかった。
背中と頭に回された室長の腕に力が籠り、ぎゅっと胸に抱きしめられる。
「し、室長!」
「・・・お前、可愛いすぎ」
少し掠れた声で、吐息混じりに囁かれた。
その瞬間、
昨夜、この声を。この腕を。この・・・熱を。
いっぱいいっぱい感じてたことを、体が思い出してしまった。
うわー・・・
どうしよう。
もう、幸せで溶けちゃいそう・・・。
「室長じゃない。名前で呼べって言ったはずだろう?」
腕の力を緩めて、柔らかく室長が微笑む。
「おはよう、翼」
啄むようなキス。
ああ、私、本当に本当の室長の恋人に、なれたんだ・・・
「・・・おはようございます。・・・泪さん」
上出来だ。
そう言いながら、室長・・・泪さんの唇が、私の唇に、甘く深く重なった。
Fin
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