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薄暗い路地に飛び込んだ。湿っぽい空気と嫌な匂いが鼻をつく。慣れた足取りでしばらく進むと、とある廃ビルの裏口で立ち止まる。灰色の薄汚いドアの横に立つと、上空を仰ぐ。多分もうすぐだ。と、ポケットで携帯のバイブが振動した。電話だ。相手は共にヒーローを目指す学校のクラスメイト、麗日お茶子だった。
「もしもし、お茶子ちゃん?うん、どうしたの?へえ、A組の女子でお買い物?いいな!行きたいのは山々なんだけど、いまからちょっと用事があって…。うん、本当にごめんね!埋め合わせは今度する!うん、ありがとう!じゃあね」
電話を切ると同時に、突然耳元で聞き慣れた低い声が響いた。
「よォ、楽しそうだな」
「っ!」
驚いて横を見ると、ゆらりと暗闇に紛れて彼がそこにいた。
「クラスメイトか?」
「…はい」
「…ヘェ」
顔を歪めて楽しそうに嗤う彼に、私は黙って携帯をポケットに仕舞うと、隣の彼をゆっくり仰ぎ見た。
黒い髪にやけどのように爛れた継ぎ接ぎの顔。鋭い目でこちらを射抜くように見つめている。その目に微かに嘲笑が含まれているのに気づいたのは、こうした密会を重ねた成果なのだろうか。
彼は体が触れるほどまで近づくと、継ぎ接ぎの手で私の顎に手を伸ばし、私の顔を上に向かせた。何を考えているのかわからないような彼と目が合う。いつも私は彼が何を考えているのかさっぱりわからない。思いもよらないような行動を起こすときもあれば、拍子抜けするほど何もしないときもある。
本来は相入れるはずのない立場のふたり。雄英生徒と敵 連合。ヒーローと敵。善と悪。
私は敵 連合ではない。私はヒーロー志望で、雄英高校の生徒だ。……そう、そのはずなのだ。
彼は相変わらず黙ってこちらを見つめるだけ。
私と対になる人物。私は表を歩き、彼は裏を歩く。
「一週間ぶり、ですね。…荼毘さん。」
「雄英生活満喫してるみたいだなァ」
目の前にいるのは敵 連合の荼毘。彼とこうした密会を重ねはじめたのは、わたしのこの呪いのような個性のせいだった。
「もしもし、お茶子ちゃん?うん、どうしたの?へえ、A組の女子でお買い物?いいな!行きたいのは山々なんだけど、いまからちょっと用事があって…。うん、本当にごめんね!埋め合わせは今度する!うん、ありがとう!じゃあね」
電話を切ると同時に、突然耳元で聞き慣れた低い声が響いた。
「よォ、楽しそうだな」
「っ!」
驚いて横を見ると、ゆらりと暗闇に紛れて彼がそこにいた。
「クラスメイトか?」
「…はい」
「…ヘェ」
顔を歪めて楽しそうに嗤う彼に、私は黙って携帯をポケットに仕舞うと、隣の彼をゆっくり仰ぎ見た。
黒い髪にやけどのように爛れた継ぎ接ぎの顔。鋭い目でこちらを射抜くように見つめている。その目に微かに嘲笑が含まれているのに気づいたのは、こうした密会を重ねた成果なのだろうか。
彼は体が触れるほどまで近づくと、継ぎ接ぎの手で私の顎に手を伸ばし、私の顔を上に向かせた。何を考えているのかわからないような彼と目が合う。いつも私は彼が何を考えているのかさっぱりわからない。思いもよらないような行動を起こすときもあれば、拍子抜けするほど何もしないときもある。
本来は相入れるはずのない立場のふたり。雄英生徒と
私は
彼は相変わらず黙ってこちらを見つめるだけ。
私と対になる人物。私は表を歩き、彼は裏を歩く。
「一週間ぶり、ですね。…荼毘さん。」
「雄英生活満喫してるみたいだなァ」
目の前にいるのは
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