第9話・翼を撃ち落とす
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どうして此処にムウがいるのかと首をかしげるセツラ
一方ムウはメンバーの傷を見て慌てて駆け寄る
ムウ「全員無事なんだな!?」
『一応は…と言うかなんで少佐が此処にいるんですか?』
ありえない人物にもっともな質問が繰り出す
ムウ「なんでってそりゃあ…」
まどか「セツラちゃんを心配してきたんですって」
『・・・何故?』
ムウ「Σ!!」
途端うなだれるムウ
ムウ「アイズって坊主が言ってたこと…笑えねえぞ;;」
香介「(あいつ…姉貴がもう嫌ってるかもとか言ったのかもな;;)」
香介が引きつった笑みを浮かべた
香介「でも姉貴。こいつ現役の軍人なんだろ?使えるんじゃねーか?」
ムウ「アイズ・ラザフォードといいこいつといい、俺一応年上なんだけど」
香介「うるさいぞおっさん」
ムウ「おっさん!?」
理緒「まあまあ。戦力が増えるのは有難いし、こーすけ君もそんなに喧嘩腰にならない」
『あれ?なんかぽんぽんと話が・・・まあ今はカノンをどうするかが先だから少佐にも協力してもらうことになるね;;』
男は度胸だと言えばあんたは女だと亮子に突っ込まれた
『それで…カノンは…』
歩「窓から飛び降りて逃げたが…時期戻ってくるだろうな」
ムウ「5階から飛び降りて無傷とは…本当にナチュラルか?」
そんな中理緒が立ち上がり、歩が頼りだとそう告げる
清隆の弟
神に似てるが神ではないもの
しかし、神のごとき力を持っている存在
歩だけがブレードチルドレンを救える
カノンを救えるのだと
理緒は言う
まどか「清隆さんは自分の限界を感じていたようだったわ」
理緒の言葉にまどかも同意したが、当の本人歩は首を横に振って呟く
歩「みんな兄貴に騙されてるよ…あんたらを救う気なら俺にカノン・ヒルベルトを殺させはしないさ…」
その言葉にセツラ以外が驚き言葉を失っている
『…そう、カノン本人が言ったの?』
歩「あいつは絶望の中で意味ある死を求めていた。そして俺に殺されることに重要な意味があると気付いた」
カノンは歩にそう話したのだと言う
意味のある死を迎えたかった・・・と
そして歩が自由になったら大人しく歩に殺される
そう言って歩に銃を託していったのだと
歩「俺がやらなきゃ、あいつは殺戮をやめない。なら俺は…嫌でも殺してやるしかない」
理緒「駄目です!!カノン君を殺しちゃいけません!!いえ…あなたは絶対手を汚しちゃいけないんです!!あなたまであたし達と同じ罪を犯してどうしてあたし達が救えるんですか!?」
理緒が必死に叫んで歩を見上げる
清隆は歩はブレードチルドレンを救えるかもしれないと
そう組織の人間にささやいていた
鳴海歩と言う存在はブレードチルドレンにとってわずかな”希望”だったのだ
歩「冷静になれよ。俺は無力だ。…奇跡とかそんなもの現実にはない。あってもそれは兄貴のものだ。俺には起こせない」
歩は淡々とそう話す
その言葉に理緒はぺたりと座り込んでしまう
歩「人を殺す姿は…誰にも見られたくない」
そう言って音楽室に戻ろうとする歩を誰も止められない
その時だった
ひよの「行かせませんよ鳴海さん」
ひよのが歩の前に立ちはだかったのだ
ひよのは歩を睨みつけて言い放つ
ひよの「まだ鳴海さんは何もしていません。例え奇跡が起こせなくてもあなたにはまだ推理の力が残っています。それを使わず負けを認めるなんて私は許しません」
歩「あんたが許すも許さないもないだろ!!いいからそこをどけ!!」
ひよの「そんなに人殺しになりたいんですか?」
歩「なりたかないさ!!だがこれが兄貴のシナリオだ!!他に道はないッッ」
ひよの「それは十分に考え、それで出した結論ですか?」
歩「あんなはわかってない……!!」
二人の言い争いを黙って見守るメンバー
歩はひよのに叫ぶ。カノンがもうすぐ戻ってくるのに呑気に考えてる時間はないのだと
確かに悠長にしている時間はない
それを聞いたひよのはにっこり笑って告げる
ひよの「なら…時間さえあればいいんですね?」
そう言うなりひよのは鞄を置くと
最低10分カノンを足止めすると言って落ちていたナイフを拾う
ひよの「では時間かせぎに行って参ります。しっかり考えてくださいね!!」
唖然とするメンバーに構わずひよのは足止めに向かおうとする
我に返った歩が慌ててひよのの肩を掴んだ
歩「待て……!!あいつを足止めなんて無茶だ!!あんたにできるわけ―「うだうだ言ってんじゃねえ!!」
ドゴッ!!
ひよの渾身の一撃が歩のみぞおちにクリティカルヒットした
再び唖然とするセツラ達とうずくまる歩
ひよの「ここは私に任せてください。そして鳴海さんは時間に出来る事をしてください」
そう言って颯爽と走り去っていったひよの
ムウ「とんでもないお嬢さんだな;;」
『ですね・・・;;』
。