第2話・五匹の虎と優しい刀
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新しい審神者がやってきた
本来であれば喜ばなければならない
新しい主の就任
しかし、前任者から受けた仕打ちにより、本丸に残っていた者は反発した
そんな中、薬研藤四郎のみがその審神者を抱えて走り"主"とよび慕っていた
五虎退「・・・」
粟田口の短刀の一人である五虎退は自身のお供でもある5匹の小虎を探して歩いていた
五虎退「あ、虎さん……」
その呼び掛けに一匹が姿を現したのだが、直ぐ様走り去ってしまった
五虎退「ま、待ってください…」
慌てて追いかける五虎退
たどり着いて場所は審神者が住まいにしている離だった
本丸とは明らかに違う
とても澄んだ空気
その離の縁側で談笑している審神者と薬研…そして審神者に甘えている小虎の姿があった
五虎退「(あれが……新しい審神者様…)」
頭からショールを被っているため顔は見えない
だが、僅かに見える口元には優しい笑みを浮かべ、甘えている小虎を優しく撫でている
その光景をただぼんやりと見つめていると
薬研「五虎退」
五虎退に気づいた薬研が声をかけてきた
そして、隣に座っていた審神者が五虎退に顔を向けて
優しく微笑んだ
五虎退「あ………っ」
『貴方のお供なのよね?ごめんなさい』
薬研「大将が謝る事ないと思うぜ?小虎が大将に懐いちまったんだからな」
五虎退「虎さんが……?」
『先日池と井戸を浄化した所に居合わせて…それからね』
そう話ながら小虎を抱き上げる審神者
五虎退は一歩一歩審神者に歩み寄る
五虎退「貴女が……新しい……主様…?」
『新しく来た審神者ではあるわ』
五虎退「……役立たずな僕は……捨てられるんですか……?」
五虎退の言葉に審神者は一瞬目を見開く
そして五虎退に手を向けると
そっとその頬に優しく触れる
『捨てたりしないわ。だって貴方は…こんなに優しい刀なのに』
その言葉に五虎退は涙を流して審神者の手にすがり付いた
泣き止むまで頭を撫でる審神者と
その様子を嬉しそうに眺める薬研がいた
泣き止んだ五虎退は審神者…刹羅を見て口を開いた
五虎退「僕は五虎退です……主様……よろしくお願いいたします…っ」
『ええ。よろしくね。五虎退』
新たに刹羅の刀となってくれた五虎退はケルベロスや月、前鬼後鬼に最初は驚いたものの直ぐに仲良くなったようだった
『薬研、五虎退おやつにしましょう』
薬研「今日はなんだ大将」
『今日はねー。レアチーズケーキよ』
五虎退「れあちーずけーき??」
『さあどうぞ』
五虎退が薬研と同じく離で寝起きするようになって2日
五虎退「おいしいです……っ」
『それはよかった』
ケルベロス「おかわり!!」
『食べ過ぎはだめだからねケロちゃん』
薬研「おかわり」
そんな穏やかな昼下がりに
新たな訪問者がやってきたのだ
ざり……
砂利を踏む足音に薬研と五虎退が本体である刀を構えたが刹羅がそれを制する
薬研「大将……」
『大丈夫。敵意は感じないわ』
五虎退「だ、誰でしょうか…?」
薬研と五虎退がいつでも対応できるように刹羅の両側を固める
そして、刹羅が縁側の襖を開く
薬研「加州…?」
そこにたっていたのは
一人の打刀の刀剣だった
。