call me
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
prrrr...
一人っきりの部屋に響き渡るコール音。
こんな時間にかけてくるやつなんて一人しかいない。
「…もしもし?」
「キルア!」
俺の名前を愛しそうに呼ぶ
その声の主は俺の可愛い可愛い姫。
「セーラ。起きてたの?」
「うん。なかなか眠れなくて。
キルアの声聞きたくなった」
「いいよ。話そ」
心の中で「甘えん坊が」と思いながら
顔がニヤついてしまう。
俺はベットに勢いよくダイブし、
枕を抱き締めた。
セーラにはもう半年以上会えていない。
俺は今ゴンと旅をしていて、危険を伴う旅になると思い、
セーラはミトさんのいるくじら島に残してきた。
時々無性にあいつを抱き締めたくなる。
でもその願いはまだしばらく叶えられそうにない。
「電話するの。久しぶりだな」
「ホントだね。旅はどう?順調?」
「おう。今んとこな。
そっちはどうなの?」
「みんなで仲良くしてるよ。
ミトさんには時々怒られるけどww」
「しゃーねーよ。あのミトさんだからな」
何気ない会話に心癒される。
一緒にいた頃はこんなこと当たり前だったのに
今じゃたまにしか出来ないこの電話が俺の心の支えだ。
「いつ戻ってこれるの?」
「まだ分かんねー。今の一件が落ち着いたらかな」
「そっか…」
そんなしょげた声出すなよ。
嬉しいけどさ。
「会いたい?」
「そりゃ…!…会いたいよ」
「ごめんな。寂しい思いさせて」
「ううん。キルア達が元気でいてくれればそれで…」
「嘘つき」
「な、なによ」
「お前の嘘はすぐ分かんだよ。
本音、言ってみ?」
「……今すぐ会いたい。キルアに抱き締めてほしい」
「他は?」
「手繋ぎたいし、頭も撫でてほしい」
「キスは?」
「いっぱいしたい…!」
可愛いやつ。
俺もだよ。
「キスしよっか」
「えっ…どうやって?」
「目、閉じて」
「うんっ」
音が静まって、セーラが俺の言う通り
目をつぶっていることが伝わってきた。
俺も目を閉じて、想像する。
俺の目の前にあいつがいて、
俺は肩に手を置いて、そっと顔を近付ける。
ああ、すげーセーラに会いたい…
チュッ…
小さく唇を鳴らす。
その音に受話器の向こう側から愛らしい反応が返ってくる。
きっと恥ずかしくなったんだろう。
「…どう?」
「どうって…」
「恥ずかしい?」
「恥ずかしいけど…嬉しい…」
素直で可愛い俺の姫はこれからも
変わらずこのままでほしい。
早くこれを実現できる日が来ればいい。
早くこの手で触れたい。
「今夜はいい夢見れそう。ありがとう、キルア」
「いいよ。また話したい時はかけてきな」
「私だけじゃなくてさ」
「ん?」
「キルアも、かけてきてね」
「…っ。ああ///」
なんでこいつはいつも俺のツボ
ばかり突いてくるんだろう。
胸が締め付けられる。
「セーラ好き」
「えっ…今なんて?」
「おやすみ」
「ちょ…っ、キルア!?」
追求される前に切ってやった。
滅多に言わないセリフが思わず漏れた。
この言葉をしばらく言うつもりはない。
次に口にするのはお前と再会できた時だ。
1/1ページ