幸せの味
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すっげーモヤモヤする。
あの会長のじぃさんとのゲームに太刀打ち
出来なかったこともあるよ。
それとあともう一つ。
「キルア!」
ホラ、来た。
悩みの種。
駆け寄ってきたセーラは俺の全身を眺めた。
「なんで上半身裸?」
「ちょっとゲームしてて、汗かいた。
シャワー浴びようと思って」
「ゴンは?一緒じゃないの?」
はい、来ました。
また「ゴン」だよ。
セーラとは一次試験から知り合って、
ゴンと意気投合したらしく、終始
「ゴンゴン」言っている。
面白くねーんだよな。
なんでこっちは見てくれない?
「ゴンならあっちの部屋にいるよ」
「ありがと。じゃあね」
眼中になしかよ。
腹立つ。
俺はセーラの腕を掴んだ。
「なによ」
「こっち」
「え…っ!ちょっと…!」
そう言って、セーラをシャワールームに連れ込む。
あいつは予想だにしない展開に動揺していた。
「どういうつもり!?私行くよ…っ」
「行かせない」
俺はシャワーの蛇口を捻った。
頭上から湯が降ってきて、二人の体を濡らしていく。
「きゃ…!なんてことすんの!」
「なんでゴンばっかなの?」
俺は壁にセーラを追い込む。
俺の髪から滴る雫が、あいつの胸元に落ちた。
「なんで俺のことは見てくれないの?」
「…っ!」
顔を至近距離まで持っていくと、あいつは耳まで真っ赤にして、ジッと俺を見た。
「俺のこと好きになってよ。嫉妬で狂いそう」
「キル…アっ」
彼女の首筋に唇を落とす。
その次は胸元。
湯で透けたお互いの服が擦れ合って、
なんとも言えない気分になっていく。
「好き」
耳元でそう囁いて、セーラにキスをした。
最初は逃げていた舌が次第にもつれ合って、
ねっとりと重なり合う。
あいつは意外にも嫌がることなく俺を受け入れた。
「俺のこと…そんなに興味ない?」
「ちょっと…待って…」
「?」
「私も…ずっと…キルアが好きだったよ」
「えっ」
俺の肩を掴み、息を整えるようにして俺を見上げた。
「ゴンにずっと相談に乗ってもらってたの。
キルアに早く気持ちを伝えたかったから…
でもなかなか素直になれなくて…」
「…マジかよ」
「まさかこんなことになるとは…
思いもしなかったけど…」
のぼせたのかセーラは床に座り込み、
俺の足元でぐったりしていた。
「ごめんな。強引なことして」
「動けない…」
「責任取るよ」
「キス…して…」
「いいよ?」
初めて彼女から求められた口付けは
甘くて、熱くて、幸せの味だった。
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