毒とハチミツ(裏)
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「おはよ」
イルミがリビングに訪れるとソファにはキルアが黙って座っていた。
イルミの方には目もくれずただその場に座っていた。
「よく眠れた?」
「……」
「ちゃんとベッドで寝なよ。セーラが心配するだろ」
「…うるせぇよ」
殺気立った眼差しでイルミを睨む。
それを嘲笑うかのように彼は話を続けた。
「キルも可愛いとこあるんだね。
あんなしおらしい声で泣くんだ」
「…っ」
「『やめてくれ』…なんて。
お前と同じことをしただけじゃないか」
「俺は!」
「辛いかい?」
ソファの手すりに軽く腰をかけ、キルアに問いかける。
その表情はまさに悪魔のようで。
身震いするほどだった。
「あわよくば俺からセーラを奪おうなんて思ってるんだろう。
ゾルディック家の決まりに背くようならホントは黙っちゃいないんだけど。
今回は特別に見逃してあげる。
だからお前はククルーマウンテン(本宅)に帰れ」
勝ち誇ったような言いぶりでイルミはその場を離れていく。
そしてまた戻っていくのだ。
彼女(セーラ)の眠る寝室へ。
キルアは何も言えないまま苛立ち紛れに壁を殴った。
「ん…」
「目が覚めた?おはよう」
私の体をを包み込むようにイルミがそこにいた。
今日は珍しい。
事後はいつもどこかへ行ってしまうから。
こうやって頭を撫でられて、布団をかけてくれる彼に
「やっぱり優しい所もあるんだよね」と、心の中で思った。
昨日は無理な体勢でシたから…腰が痛い。
イルミはどうもないのか。
「昨日のこと思い出した?」
「…っ!」
「気持ちよさそうだったね」
「そんなこと…っ!」
「嘘つき」
耳元にかかる息が背筋をゾワつかせた。
「もう一度シてもいいんだけど?」
「体がもちません」
「ははっ、悪かったね」
なんで今日はこんなに優しいんだろう。
少し気味が悪いくらい。
撫でられた髪からいい匂いがする。
昨日キルアが付けてくれたトリートメントの匂いだ。
最近キルアは欠かさず風呂上がりの私の髪に
トリートメントを丹念に塗り込んでくれる。
お人形さんに触れるように繊細に扱うものだから
まるで自分がお姫様にでもなったかのように
嬉しくて、でも少し照れくさくて。
その時間が私は好きだった。
「もうこんな時間!朝ご飯作らなきゃ!」
「慌ただしいね。俺はもう少し寝るよ」
リビングに出た私はある異変に気付く。
キルアの気配を感じない。
いつもなら朝一番にここで私を待ってる。
「セーラ、腹減った」なんてただを捏ねて。
念の為にキルアの部屋も見に行った。
やはり彼の姿はない。
「どうして…」
「あーあ。ホントに帰っちゃった」
私の後ろで壁にもたれながらイルミはあくびを漏らした。
そして少し不敵な笑みを浮かべて、こう言った。
「やっと俺だけのものになった」
舌なめずりをしながら。
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