毒とハチミツ(裏)
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「ただいま」
そう中へ呼びかけると廊下の奥から聞き慣れた足音が聞こえてくる。
我が妻のお出迎えだ。
「おかえりなさい」
「こんな真夜中まで待っていてくれたのかい?」
「ええ。そろそろ帰るって予感がしたから。
仕事はどうだった?」
「簡単過ぎて拍子抜けだった。
移動時間の方が長くて疲れたよ」
「お疲れ様」
そう言ってにこりと微笑みかける彼女の笑みに違和感を感じた。
「……何か変わったことはなかった?」
「……特に、何も。いつも通りだった」
「ふぅん…」
咄嗟にセーラが首筋を隠したように見えた。
はぁ…相変わらず分かりやすいなぁ…。
「キルは?もう寝た?」
「ええ。リビングでゲームしながら寝ちゃったのよ?」
彼女の言う通りリビングに向かうとソファに寝そべるキルがいた。
俺が不在の間に、2人に、何かあったようだね。
分かっちゃうんだよね、俺には。
「シャワー浴びてくるよ」
「分かった。服の用意しておきますね」
シャワーを浴びながら思い返していた。
キルの寝顔を見て優しく微笑む彼女の顔を。
面白くない、なんて思って。
キルに彼女を独占されたようで、
少し腹立たしかった。
「はい。これ飲んで」
「ありがとう」
寝室で休んでいるとセーラがやって来た。
差し出された水をぐっと流し込むとなぜだかため息が漏れた。
「どうしたの?疲れてる?」
「…どうだろうね」
俺の気も知らないで、君は、酷いよね。
なんていうのかな。
なんだか、やけにイライラして。
「お前を壊したい」
「えっ…」
俺は残ったグラスの水を、
彼女の頭上でひっくり返した。
「きゃ…っ」
セーラの可愛い声と共に水が髪を、頬を、
首筋を伝って、床に落ちた。
「なにするの…っ!?イルミ!!」
「面白くないんだよね。なに?その顔」
キルに微笑みかけるその優しい顔。
心なしか俺に脅えるその表情。
キルに負ける日なんてないと思ってた。
キルに嫉妬する日も、来ないと思ってたよ。
なのに……ははっ…。
笑っちゃうよ。
俺は寝室のドアへ彼女の体を追い込む。
「どうしたの…イルミ……っ?」
「癒してよ。俺を」
そう言って俺は潤った髪に口付けを落とした。
