first kiss
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あいつはまるっきしの恋愛初心者。
俺が人生で初めての彼氏、だそうだ。
なにもかもが初めてで、アクションを起こす
こちらまでどこか緊張してしまう。
今もこうやってあいつの肩を抱いたけど、
手の行き場やかける言葉、この後の流れまでどうすればいいか迷う。
チラッとセーラの顔を覗き込むと顔を赤らめて目が泳いでいた。
そんなに硬直しなくてもいいのに。
「緊張、してんの?」
「えぇ!?……う、うん」
「大丈夫。嫌な事しないから。安心して」
「うん」
「緊張してる?」なんて聞いた俺の方がドキドキしてんのかも。
こうして身を寄せ合ってテレビを観る。
けどドラマの内容なんかひとつも入ってこないし、
時折動くセーラの体にピクっと反応してしまう。
「…あ」
あいつの声で再びテレビの方に目線が戻る。
思わず体が固まる。
そして激しく後悔した。
何故なら熱いキスシーンの真っ最中だったから。
なんで恋愛モノなんて選んだんだろう。
こんなの気まずくなるだけ…。
けど、俺の傍らにはそのシーンに見惚れたように
トロンとした視線をした彼女がいた。
なんだよ…。
すっげーかわいいじゃん…///
「なに?ああいうことしたいの?」
「えっ?なに?」
ドラマに夢中で俺の言葉を聞いていなかったのか、
とっさにこちらに振り向いた。
「あっ…」
近い。
もう少しで唇が触れる距離。
「ご、ごめん…っ」
「なんで?いいじゃん。こっち向いて」
顎を掴んで無理矢理こちらを向かせる。
状況を察した彼女の顔はさっきより赤くて、
耳まで色を変えている。
「俺たちもしよっか」
「なにを!?」
「え?キス」
セーラの前に顔を近付ける。
離れようとするあいつの肩を抱き寄せ、
これ以上離れられないようにホールド。
瞳を独占する。
「嫌ならしない」
「…い、嫌じゃないっ」
ふーん。
何その言い方。
燃えるじゃん。
さらに距離を詰める。
唇があと数センチのところ。
互いの息遣いが分かって、少しドキッとした。
「……目…瞑んねーの…っ?///」
「あ…っ」
今気付いたのかよ、とツッコミながら、
慌てて目を閉じる彼女を愛おしく思って。
OKのサインと受け取った俺はそっと、
セーラの唇に唇を重ねた。
「(やばい…。柔らかくて…気持ちいい…)」
彼女との初めてのキス。
髪先から香る彼女の甘い香りが鼻をくすぐる。
軽くキスをして離したそれがまだ物欲しそうにしていたから再度触れた。
今度はさっきより少し強く。
「キル…ん…っっ」
息をするのも忘れ、何度も何度も重ね合った。
漏れる吐息を取り込む。そして至福を味わう。
好きだな、と再実感。
「舌…出して」
「舌…っ!?無理…ふぁ…っ」
言葉を遮って歯列を割って俺は中へ。
独占欲が疼いて、止められない。
抱き締めて、愛を囁いて、
涙を拭って、指を絡めて、
そしてお前をまた、俺のものにしていく。
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