ごめんな
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セーラ。
お前はいつもあいつばかり見てる。
こんなに傍に俺がいるのに。
想っているのに。
俺の心なんか考えもしないで。
嬉しそうに他の男の話をする。
なんてサディストなんだろう。
「そしたらね、クラピカがねー!
…ちょっとー。キルア聞いてる?」
「…あ。うん。聞いてる」
本当は聞きたくもないクラピカの話を俺は
笑顔で聞き入れる、ふりをした。
早く終わればいい、なんて。思った。
「っ?なに、じっと見て。私の顔になにかついてる?」
「なんでもないよ」
見る度に思う。
あいつに恋し始めてから本当に綺麗になったよな。
悔しい。
本当は、振り向いてほしい。
俺だけを、見てほしい。
「キルア大丈夫?今日元気ない」
「ああ…そうなんだ。実は調子あんま良くない」
「えっ!?それならそうと早く言ってくれればいいのに!
ほら!すぐ休んで!」
「セーラのせいだ」
「え?」
俺の言葉に、彼女の瞳が反応した。
「セーラのせいで…俺、おかしくなりそう」
「…どういうことっ?私なにか悪いことした…かな…?」
「いや…やっぱり、なんでもないよ」
少し泣きそうな彼女の声に毛布をかける。
失いたくない。
そしてセーラの心を壊したくないから。
たとえ自分がボロボロになっても。
彼女の泣き顔を、傷付いた姿を、見たくはない。
「ごめんな…っ」
「なんでキルアが泣くのよ…っ」
「ホント…ごめんっ」
ごめんな。
お前のこと、好きになって、
本当にごめん。
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