live together
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俺は時間を持て余すようにデパートを歩いていた。
なにか目的がある訳でもない。
セーラと待ち合わせの時間までの暇つぶし。
ジュエリーショップの前で足が止まる。
そういえばこの前セーラがここで
アクセ見てたっけ。
ショーケースの中にはキラキラした
リングやブレスが並んでいる。
「(あ、これあいつが好きそう)」
ラインが細くて女性らしいフォルムのそのネックレスは
セーラの華奢な胸元にはよく似合いそうなデザインだ。
「(なんでこんな壊れそうなのが好きかねー)」
「プレゼントですか?」
顔を上げると店員がにこりと
こちらに近付いてきた。
「そちらのブランドは当店でもとても人気なんですよ」
「そうっスか」
ふと顔を上げると、その先のものが目に入る。
引き込まれていくような感覚があった。
「彼女さんにですか?」
「えっ、なんで分かるの?」
「お客様の表情が本当に優しくて、
愛しそうな顔をされていたものですから」
「ふふ」っと微笑む店員につい照れてしまう。
「彼女さんのこと大切にされてるんですね」
「…俺には勿体ないくらい眩しくて
素直で…俺を大事に想ってくれるやつです」
「でしたらお客様の先ほどご覧になれてた
物が
ピッタリかと思いますよ」
「……」
「ただいまー」
セーラが「疲れたー」と部屋に入ってきた。
「おかえり。遅かったね」
「今日は待ち合わせに間に合わなくてごめんね!!
仕事が長引いちゃって…」
「別にいいよ。俺も暇潰せたし」
俺はセーラの後ろに座り込み、あいつを
ぎゅっと抱き締めた。
「どうしたの?なんかあった?」
「別に?」
「怒ってるよね?」
「まぁ、怒ってるっていうか…」
「…っ」
「これを早く渡したくてうずうずしてた」
「これ…」
後ろからセーラの首にシルバーの
ネックレスをかけてやった。
「かわいー!!もしかしてプレゼント!?」
「ああ。前から欲しがってたからさ」
「嬉しー♡ありがとキルアー!」
ぎゅーっと抱きついてくるセーラの頭を撫でてやる。
お礼を言うのはこっちの方だ。
「でも変わったデザインだね。羽の形かな?」
「そう。これと繋がるのさ」
セーラは俺の胸元を見てにっこり笑う。
「繋げるとハートになるんだね」
「女にプレゼントなんか渡したことねーし、
ペアとかも初めてなんだからな。
有難く思えよなー」
素直になれず、思わず顔が赤らむ。
「嬉しいっ」
あいつの腕が俺の頭を包み、温かい体温と
匂いが俺を安心させてくれる。
ハートは心臓や心を意味する。
一つの心臓を分かち合う、運命を共にする、
共に生きる。
「セーラ、ずっと一緒にいろよ」
「うん。約束ねっ」
傍にいてくれてありがとう。
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