独り占め
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「俺の勝ちー!」
キルアの無邪気な声が部屋に響く。
コントローラーを人差し指の上で器用にバランスを
とりながら、得意げに私に言うのだ。
「10連勝。ったく。張り合いねーなー。
お前ゴンより弱いんじゃねーの?」
「うるさいなー。ゲームとかあんまりしたことないし、
キルア裏技使い過ぎだよ」
「ばーか。格ゲーは技を駆使してなんぼなの。
これでセーラに貸し10なー!」
「もー」
長時間、液晶画面を見続けて目が疲れた。
私はたまらず床に寝そべる。
「休憩~」
「なに?もうリタイヤか?」
「肩凝った。勝てない。つまんないー!」
「あそ。じゃあ他のゲームしょーっと」
キルアは上機嫌で他のゲームをやり始めた。
「キルアー。出かけようよー。買い物したい」
「えー?やだ。外寒いし」
「欲しい服があるの。キルアも一緒に見てよ」
「あー。これ終わってからね」
「(ゲーム始めたらしばらく動かないくせに)」
私に見向きもせず、ゲーム画面に夢中な彼。
その背中をただ無言で見つめる私。
せっかく二人ともオフの日なのに…。
酷いよ、キルア。
痛いほど視線を感じる。
セーラの突き刺すような眼差し。
背中が焦げそうだ。
分かってるよ。
でも、まだ、ここに居たいんだ。
「セーラー」
「重い。どいて」
ゲームを中断して、ふて寝してるセーラの上に覆いかぶさる。
彼女はずっと顔を背けていた。
「久々の休みだろ。会うの1週間ぶりだっけ」
「…1週間と2日」
「そ、だっけ。…えーっと…だから…さ…。
…セーラを独り占めしたくて」
「?」
「外で他の奴に見られたり、話しかけられたり、
そんなの見たくねーし…」
「キルア…」
「…今日は1日中、俺だけを見てて」
そう言ってキルアは私を抱き締めた。
耳が少し赤くなってる。
恥ずかしいのかな。
時折顔を出す彼の独占欲。
それが私には嬉しくて、抗えない。
「このままラブラブしちゃう?」
「…っ!まだ昼だよ!」
「昼とか夜とか関係ねーの。今抱きたい」
「んー///」
私の髪を優しく解いて、意地悪な眼差しで。
「返事は?」
なんて言って、首元にキスを落とす。
もう、強引なんだから。
「いいよ。私を独り占めして…」
軽々と抱き上げられた私の体が柔らかいベッドに落とされた。
その後は……ね?
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