背伸び
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悔しいんだ。
あんたと釣り合いたいのに、
心ばっかり逸るだけで、
体は全く成長しない。
どれだけ大人ぶっても俺はまだ12歳。
セーラから見れば、まだまだガキだと思う。
「なにすねてんの?」
「すねてねーし」
「すねてるでしょ。クラピカと2人きりでいたから?」
「違…っ、自惚れんなよ!!」
違わない。
セーラの言う通り、俺の勝手なヤキモチ。
セーラは誰にでも優しくするから、
いつもそれが気になるし、相手が恨めしくなる。
「はぁ…相変わらず考えがお子ちゃまだねぇ」
「お子ちゃま言うな!」
「だって誰が見てもキルアのわがままだし」
「……」
はいはい。
心も全く進歩なし。
俺が悪ーござんした。
「なぁ…キスしたい」
「はぁ?ここで?」
「いいだろ。唇出せ」
「ガキ」
俺は強引にセーラの両腕を掴む。
そしてそっと唇を近付ける。
「く…っ」
届かねぇ…っ。
彼女の身長は167cm。
モデル並みの背丈で、俺より10cm近く高い。
案の定唇が届かず、必死で背伸びをする。
「あのさぁ…っ、ちょっとは…しゃがんでくんない…っ!?💢」
「……ww」
足がプルプルしている俺を見て、肩を震わせ笑うセーラ。
ムカつく…。
「俺だって成長期なんだからな!!
あと数年すればセーラの背なんか軽々越えてやる!!」
「はいはい。頑張ってね」
「毎日牛乳飲むし!」
「はいはい」
「…マジなんだけど」
そんな言葉を他所にセーラは俺の頭をいい子いい子する。
ほら、見ろ。
またガキ扱いだ。
「…今は無理して背伸びばっかしてる俺だけど……」
「うん」
「きっとセーラに見合う男になるから…さ」
「ん?」
「…ずっと、俺だけ見てろよ」
「ふふっ♪」
セーラは嬉しそうに笑みを浮かべ、
そっと屈み、目線を合わせてくれた。
目の前に降りてきた彼女の綺麗な唇の形に
ドキドキしながら口付けをする。
セーラのいい匂いと温もりが
いつも俺の心臓を騒がせるんだ。
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