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白い息がふわっと顔の前に広がる。
俺とセーラは寒空の中、出かけていた。
「んーっ、寒っ~!」
そう言ってセーラの手が俺のコートの
ポケットに忍び込んでくるもんだから、
愛しくて温かく迎え入れてやる。
「痛っ」
「どうした?」
「あー、最悪~」
セーラの唇を見ると、乾燥でやられたのか、
口の端が切れていた。
「ケアしてないからだろー」
「だって、リップクリーム苦手なんだもん。
なんかあのねっとりする感じが抵抗あって」
セーラは唇をさすり、痛みをこらえている。
「俺はちゃんと塗ってるぜ。
冬は保湿が絶対だよ」
「キルアは私より美意識高そうだよね」
口をとんがらせて、彼女は足早に俺を追い抜かしていく。
「ほら」
ぐいっ
「んんっ」
俺は不意打ちでセーラの腕をこちらに引き寄せ、
あいつの唇に自分のそれを重ねた。
塗り込むように何度も交差させて、あいつの唇に丹念に吸い付く。
セーラはまだキスに慣れていないのか、
上手く息が出来なくて、涙目になりながら、
俺に必死で応える。
「はぁっ」
白い息が吐かれてそこから現れたあいつの顔が可愛すぎて、
もう一度キスをしてやる。
「ほら、塗れた」
こんな美味しい唇なら
何度でも塗ってやろう。
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