君が傍に居るようで
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「キルアー」
私はキルアの部屋に訪れた。
けど彼は部屋に居なくて、乱れたベッドシーツと
脱ぎ散らかしたパジャマのあとから
キルアが急いで出かけたことを感ずかせた。
もー、今日は2人で出かけようって約束したのにっ。
ふと視線に入ったパジャマに釘付けになる。
「………」
思わずそれに手が伸びる。
キルアが愛用しているブルーのパジャマ。
袖の部分が少しほつれていて、着古した雰囲気が漂う。
周りを見回す。
まだ帰ってこないよね。
スンスンッ
私は彼のパジャマに鼻を近付けた。
「……キルアの匂い…」
顔を埋める度キルアの心地いい匂いが鼻を包んだ。
この匂いはいつも私を落ち着かせる。
まるでキルアがすぐ傍にいるような…。
「不法侵入」
「…っ!?」
体がビクッと跳ねた。
突然の背後からの声。
声の正体はもちろん私の愛しい愛しい彼のもの。
「なに人の服、嗅いでんの」
「…キルア」
私からそれをそっと取り上げて不敵に笑う。
「…変態」
「…っ///」
その笑みがとてもエッチで、ゾクゾクした。
「ごめんなさい…。つい…」
「俺がいない時いつもこんなことしてんの?」
「そんな…っ。今日たまたま…っ…デス…」
「ふーん」
ベッドに腰掛けた彼は私を見て、思いついたように手招きをした。
彼の手に引かれ、私もキルアの隣に座った。
「実は俺も、そうとこあるんだよね」
「えっ?」
「お前のさ、好きな匂いがあんの」
優しく押し倒された私の体は覆いかぶさる
彼によって動けなくされた。
そして静かに私の耳元にキルアの息がかかる。
「ひゃ…っ」
「相変わらず耳弱いよな、セーラは」
「いきなりだったから…っ」
「俺の好きな匂いは、まず…ここ」
そう言って耳元に顔をすり寄せた。
数回クンクンと匂いを嗅ぎ、
私の反応を楽しんでいるようだった。
そして徐々にキルアの顔は下に下りていく。
「首筋…胸元…あとは…」
「ん…っ」
「おっと…ここは、やめとく?」
「エッチ…っ」
下から得意げに見上げる彼の顔が恨めしい。
だって彼の吐息一つで、私の体温は
どんどん上がっていって、肌が汗ばむ。
「息上がってきた」
「キルアがこんなことするから…///」
「悪い悪い。つい虐めたくなっちゃって」
キルアは私を抱き締めて言うのだ。
「でもお前の匂いが好きなのは本当でさ。
こうやって匂いを感じると安らぐ
っていうか…心から安心するんだ」
「キルア…」
「セーラの傍にいるって実感出来る」
「私も…そう思うの」
「ははっ。案外俺たち似たもの同士だな」
「そうかもね」
抱き締める度、互いの匂いが二人を包み込み、
時が止まったように、私たちを癒してゆく。
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