TABOO(裏)
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「兄様…」
「このことは二人だけの、秘密だよ」
TABOO 禁忌Ⅲ
【隠れていた想い】
私と兄様が口付けを交わした夜から数日が経っても、
私の唇から熱が冷めることはなかった。
兄様の優しい眼差し、そして涙は紛れもない本物だった。
でも「愛しい」という言葉の意味は
妹としてなのか、またそれ以上のものなのかは
明かされないまま、熱に脅かされる日々は続いた。
あれから兄様は以前と変わりなく過ごしていたし、
私も妹として、兄様に接した。
あの夜が来るまでは。
その日は満月がとても綺麗な夜だった。
私の部屋にイルミ兄様が訪れた。
「入っていいかい?」
「うん」
ノックをしてから部屋に入ってくる兄様。
スっと整った顔立ち、綺麗な黒髪。
大きく澄んだその瞳に、私はつい見とれてしまう。
こんな美しい兄様と私が、キスをしたなんて。
「今日、母さんと出かけてたけど何かあったの?」
「うっうん…。隣国の暗殺一族の人たちと食事した…」
「……男は、いたのか?」
「うん」
「(きっとこれは両家の暗黙の顔合わせ。
かの有名なゾルディック家の血を引く娘だ。
それにこんなに美しいセーラを男は放っておくまい)
そいつに何もされていないな?」
「話しただけだよ」
「そうか…」
兄様は安堵の溜息をつき、ベッドに座った。
「兄様、どうしたの?」
「お前が気にかかってね。
無事ならそれでいい」
「……」
兄様が私を案じてくれている。
嬉しい。
兄様の綺麗な横顔に惚れ惚れする。
その視線に気付き、微笑みかけてくれた。
「なんだ。俺の顔に何か付いてるか」
「ううん。見てただけ」
「クスッ。セーラ、こっちにおいで」
兄様は私を強く抱き締めてくれた。
あの日と同じ、温かい抱擁だ。
「兄様…」
「なんだ?」
「私がもしこの家からいなくなっても、
兄様は私を忘れずにいてくれる?」
「忘れるもんか…」
互いの視線が重なる。
真っ直ぐ見つめ合って。
「俺の可愛い妹だ」
そして口付けを交わす。
愛しい愛しいお兄様。
胸がきゅっと痛くなる。
この想いは兄への愛しさじゃない。
列記とした愛情。
イルミ=ゾルディックを
一人の異性として、愛しているんだ。
離れたくない。
大好きな私の想い人。
「セーラ」
「なに?」
「お前は禁忌を犯す勇気はあるか?」
禁忌
道徳的に禁じられたこと。
してはいけないこと。
「あるよ。兄様…好き…」
そんなの怖いもんか。
「俺もだよ」
唇は深く強く擦れ合って、
愛しさと幸福を分かち合う。
兄様とこのままずっと、こうしていたいのに。
「…お前を他の男に奪われてたまるか」
兄様の囁くような小さな声が、
私の耳にいつまでも残った。
