そのあとのはなし
夢小説設定
城は跡形もなく崩れ、土煙が上がっていた。
脱出した6人はその残骸を見つめていた。
次元が煙草に火をつける。ルパンも煙草を差し出し、火をつけさせた。
「ぜーんぶ無くなっちまったな。」煌閃がぼんやりと言う。
「すべては無常。変わらぬものなどない。」五ヱ門が残骸を見据えて言った。
「ねぇ煌閃、あなたこれからどうするの?」
ロビンが煌閃に聞く。
「決まってるだろ!俺は五ヱ門と行く。お前はどうするんだ?」
「…。」ロビンは不二子を見つめている。
「どうするっていうか、どうしたいんだ?」
ロビンが不二子と行きたいということは煌閃にも分かっていた。
「あ〜あ…また1人とんでもねぇ女が誕生しちまうぜ。」次元が2本目の煙草を吸いながらぼやく。
「なぁ次元、あのさ、その…」
「なんだ。はっきり言え。」
「一緒にいてくれてありがとな!」
「一緒に?…ダーッ!ハッハッハッ!!!」次元が豪快に笑う。
「なんで笑うんだよ!人が礼を言ってんのに!」
「一緒にいて、って野郎に言われても嬉しくねぇよ!」
「お主はいつもルパンと一緒ではないか。嬉しくないのか?」
「…なっ…う、うるせぇ!」頭の後ろで手を組み、次元はまた煙草を吸い始めた。
「煌閃、よく頑張ったな。」
「五ヱ門もありがとうな。」
「当然だ。ご住職との約束もある。」
「これからも一緒に修行してくれるんだよな?」
「無論!なんならこれから日本に発とうと思っていたところだ。」
「日本!行きたい!」
ロビンを横目で見ると、不二子と抱き合っている。こちらも共に歩むことになったようだ。
「五ヱ門!次元!お前らはどうなんだ?!」ルパンがいきなり話を振る。
自分を連れて行くかどうかという話らしい。
煌閃は2人に笑いかけた。五ヱ門と次元が煌閃の頭に手をポンと置き、ニヤリと返した。
「なんだよ…お前らぁ!!」
ルパンの叫びをかき消すように、パトカーのサイレンが響く。
見れば、パトカーから大柄な男が身を乗り出し叫んでいる。
「なんだ?…あのゴリラみたいなおっさん。」
「銭形って言う警部でな…あれ?お前会ったこと…。」
「ない。」
「とりあえず、とっつぁんに会ったら逃げる!!地の果てまで追っかけてくるからな!」ルパンに続いて、5人はまた逃げ出した。
---
ドォン!
大きな音を立てて銀行の壁が崩れ落ちる。
「ずらかるぜ!」ルパンと次元がフィアットに乗り込み逃走する。その後を警察が追う。
突然、追手の前に二つの影が立ち塞がった。
一人は侍、一人は僧。
侍の声と共に車は縦に、横に真っ二つにされる。
一方、僧は錫杖でガラスを割り、蹴りで車を止めるなど、力技で車を破壊していった。
「ありがとよぉ。二人とも〜。タイミングばっちし。おかげで金はごっそりいただけたぜ!」追手の全滅を見計らってルパンが戻ってきた。
「相変わらず容赦ねぇなあ…。」バラバラになった車、ボコボコに破壊された車を見て次元がこぼす。
「俺も五ヱ門みたいに車や弾丸切れるようになりてぇ…」
「銀行の壁殴り壊す奴が何言ってんだ。」
「仕事したら腹減った!ルパン、次元、五ヱ門!飲もうぜ!」
「あんまり飲み過ぎんなよ?お前を運ぶの大変なんだから。」
久しぶりの大仕事を成功させ、4人はフィアットで走り出す。
6年の時が経っていた。
煌閃は18歳になっていた。体は見上げるほどになり、筋肉隆々として逞しく成長した。
あらゆる武術に精通した僧として五ヱ門とも渡り合えるようになっていた。
今は五ヱ門と共に修行の旅をしている。
「なぁ…この車、狭いんだけど…」
「文句言うな!お前がデカくなりすぎなんだよ!」
「五ヱ門、場所変わってくれ!」
ドスン!
煌閃がフィアットの上に座る。
風が気持ちいい。4人はどこまでもどこまでも風に吹かれていった。
完
脱出した6人はその残骸を見つめていた。
次元が煙草に火をつける。ルパンも煙草を差し出し、火をつけさせた。
「ぜーんぶ無くなっちまったな。」煌閃がぼんやりと言う。
「すべては無常。変わらぬものなどない。」五ヱ門が残骸を見据えて言った。
「ねぇ煌閃、あなたこれからどうするの?」
ロビンが煌閃に聞く。
「決まってるだろ!俺は五ヱ門と行く。お前はどうするんだ?」
「…。」ロビンは不二子を見つめている。
「どうするっていうか、どうしたいんだ?」
ロビンが不二子と行きたいということは煌閃にも分かっていた。
「あ〜あ…また1人とんでもねぇ女が誕生しちまうぜ。」次元が2本目の煙草を吸いながらぼやく。
「なぁ次元、あのさ、その…」
「なんだ。はっきり言え。」
「一緒にいてくれてありがとな!」
「一緒に?…ダーッ!ハッハッハッ!!!」次元が豪快に笑う。
「なんで笑うんだよ!人が礼を言ってんのに!」
「一緒にいて、って野郎に言われても嬉しくねぇよ!」
「お主はいつもルパンと一緒ではないか。嬉しくないのか?」
「…なっ…う、うるせぇ!」頭の後ろで手を組み、次元はまた煙草を吸い始めた。
「煌閃、よく頑張ったな。」
「五ヱ門もありがとうな。」
「当然だ。ご住職との約束もある。」
「これからも一緒に修行してくれるんだよな?」
「無論!なんならこれから日本に発とうと思っていたところだ。」
「日本!行きたい!」
ロビンを横目で見ると、不二子と抱き合っている。こちらも共に歩むことになったようだ。
「五ヱ門!次元!お前らはどうなんだ?!」ルパンがいきなり話を振る。
自分を連れて行くかどうかという話らしい。
煌閃は2人に笑いかけた。五ヱ門と次元が煌閃の頭に手をポンと置き、ニヤリと返した。
「なんだよ…お前らぁ!!」
ルパンの叫びをかき消すように、パトカーのサイレンが響く。
見れば、パトカーから大柄な男が身を乗り出し叫んでいる。
「なんだ?…あのゴリラみたいなおっさん。」
「銭形って言う警部でな…あれ?お前会ったこと…。」
「ない。」
「とりあえず、とっつぁんに会ったら逃げる!!地の果てまで追っかけてくるからな!」ルパンに続いて、5人はまた逃げ出した。
---
ドォン!
大きな音を立てて銀行の壁が崩れ落ちる。
「ずらかるぜ!」ルパンと次元がフィアットに乗り込み逃走する。その後を警察が追う。
突然、追手の前に二つの影が立ち塞がった。
一人は侍、一人は僧。
侍の声と共に車は縦に、横に真っ二つにされる。
一方、僧は錫杖でガラスを割り、蹴りで車を止めるなど、力技で車を破壊していった。
「ありがとよぉ。二人とも〜。タイミングばっちし。おかげで金はごっそりいただけたぜ!」追手の全滅を見計らってルパンが戻ってきた。
「相変わらず容赦ねぇなあ…。」バラバラになった車、ボコボコに破壊された車を見て次元がこぼす。
「俺も五ヱ門みたいに車や弾丸切れるようになりてぇ…」
「銀行の壁殴り壊す奴が何言ってんだ。」
「仕事したら腹減った!ルパン、次元、五ヱ門!飲もうぜ!」
「あんまり飲み過ぎんなよ?お前を運ぶの大変なんだから。」
久しぶりの大仕事を成功させ、4人はフィアットで走り出す。
6年の時が経っていた。
煌閃は18歳になっていた。体は見上げるほどになり、筋肉隆々として逞しく成長した。
あらゆる武術に精通した僧として五ヱ門とも渡り合えるようになっていた。
今は五ヱ門と共に修行の旅をしている。
「なぁ…この車、狭いんだけど…」
「文句言うな!お前がデカくなりすぎなんだよ!」
「五ヱ門、場所変わってくれ!」
ドスン!
煌閃がフィアットの上に座る。
風が気持ちいい。4人はどこまでもどこまでも風に吹かれていった。
完
1/1ページ