古城の襲撃からしばらく経って、6人はアジトで合流した。

煌閃は、ロビンが気になっていた。
いきなり双子、しかも、王族の血を引くと言われても信じられるわけがない。
「なぁ、その…俺たちって、本当に双子なのか？」
「うん…信じられないよね。」
「でも、顔似過ぎだよな…。初めて会った時びっくりした。」
「私は今まで、パパとママの子だと思って育ってきたから…」
ロビンは言葉を詰まらせた。
「あぁ！ごめん！！辛いこと思い出させちまったな！！」
「いいの！大丈夫！…不二子ちゃん達がいてくれるから…。」
「俺もそう。五ヱ門がいてくれたからここまで来れた。次元も強くていい奴だったしな！」
「そっか…。」は次元がまだ少し怖かった。不二子とよくケンカをしているし、口も悪い。
「私なんて何もできないよ。ご飯作るくらいしか…」
「ロビンのメシ、最高だぜ！！無限に食える！」
「ありがとう。」
「俺、あんなに美味いメシ、食ったことなかった。だから、すげー嬉しかった。みんなで食うのも楽しいしな！あ、今度パン取っといてくれよ。いつも取られちまって食えないんだよ…。」
「わかった！今度取っとく！」
二人は笑い合った。
「あ、そーいえばさ、この間、壊れたオーブン直してたよな！なんであんなことできるんだ？」
「街にあった時計屋さんのおじいさんに時計の直し方を習っていたの。色々触っているうちに色々直せるようになってた。」
「すげぇよなぁ…俺、不器用なんだもん…刀とか槍とかしか直せねぇ。」
「充分すごいよ。私は戦うのできないし…」
「煌閃は、それで戦えばいいんじゃないか？」
「え？」
「なんか作れよ。自分を守ってくれそうなすげーやつ。ほら！ルパンが腕時計とか靴とかからなんか出すじゃん！！ああいうの！」
「なんか…すごいやつ、か…。」
「ルパンに教えてもらえよ！お前ならできるって！」
これが、ロビンの転機だった。

今はロビンがたった一人の血の繋がった家族なのだ。友だちみたいな距離感だが。


煌閃はまた五ヱ門との修行を再開していた。
寺にいた時にやっていた、拳術、剣術、槍術など、様々な武術の稽古に明け暮れた。
どの武術も五ヱ門には遠く及ばない。でもいつか肩を並べるくらい、いや、勝てるくらい強くなりたい。

そんなある日。
「おい次元！腕立て勝負だ！」
「あァ⁈なんで俺なんだよ！五ヱ門とやれ！」
「今日は次元とやりてーんだよ！早く！」
煌閃は次元の手を引っ張り、外へ出ていく。
「あら、仲のいいこと♪せいぜい可愛がってあげなさい？女の子には女の子の仲の深め方があるのよ。ロビンショッピングに行きましょう！」
「うるせぇ不二子！…ああぁ…ったく！面倒くせぇな！！」
ガキが増えて面倒なことがもっと増えた。でも、なんだか悪くねぇ。
次元も少しずつ変わっていっていた。

次元はイラつきながらジャケットを脱ぎ、シャツの腕をまくった。
「いくぜ！よーい！」
「おい！五ヱ門もいるじゃねぇか！」上半身裸の五ヱ門が準備万端で開始の合図を待っていた。
「いいんだよ！よーい、ドン！」

様子を見ていたルパンの高笑いが聞こえた。