古城の襲撃からしばらく経って、合流した6人はアジトにいた。

ロビンはルパン達と過ごすようになり、笑顔を見せることが多くなった。
特に不二子は、ロビンを妹のように可愛がり、メイクをしたり、服を買ったりして、常に一緒にいるようになった。
ロビンも不二子が好きになった。美しさ、強さ、女らしさ…全てにおいて憧れた。いつか自分もこうなりたい。そう思った。

「あの不二子がこうなるなんてなぁ…不気味でしょうがねぇぜ…。」次元が苦々しくぼやく。
「い〜じゃないの。ロビンも嬉しそうだし。」ルパンは嬉しそうだ。
「それは確かにいいんだが、なんか裏があるんじゃないか、って考えちまう。」
「ま、そんときはそん時ってことでよ！」
「それが俺は嫌なんだよ！！」
「そ〜いうなって、次元ちゃん♪あ、五ヱ門どうした？」
「煌閃と修行だと。」

煌閃とも話した。
双子だと言われた時の衝撃は大きかったが、今までどんな風に歩んできて、何を得てきたか、聞いているうちに親近感が湧いていた。

ロビンは、一味の食事を作るようにもなっていた。
もともと料理は好きだったし、料理をすると心が落ち着いた。
中でもパンは好評で、奪い合いになるほどだった。
みんなの役に立てることが嬉しかった。

実は、ロビンにはもう一つ得意なことがあった。

ロビンは机に向かい、夢中で何かを組み立てている。
「ロビン、何してるの？」不二子が後ろから覗き込む。
「できた！」
手には動き出した懐中時計があった。アジトに転がっていた壊れた懐中時計を直していたのだ。
「…！すごいじゃない！どこでそんなこと覚えたの⁈」
「私ね、街にあった時計屋さんによく行ってたの。そこのおじいさんが教えてくれた。」
そう、ロビンは手先がとても器用だったのだ。

それからというもの、道具の修理や銃の組み立て、武器のメンテナンスなど次々に覚えていった。
ルパンがメカやハッキングについて教えると、それもあっという間に覚えた。

「強い女っていうのは自分の身を守れる女。」
不二子に言われ、身を守る術も身につけはじめた。

両親の死、好きだった街が無くなったことの悲しみは癒えることはない。でも、いつまでも弱いままでいるわけにはいかない。
ルパン達といるということはそういうことだ。

「役に立ちたい。強くなりたい。」守ってもらうだけの少女が大きく変わろうとしていた。