幼女拾われました
お嬢ちゃんお名前は?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
熱が逃げ場を失って、うち側からじくじくと私を溶かしていきそうな熱さ。
死に近づいているような、背中を這う寒さ。
うっすらと浮上する意識は、
ただ苦しさを与えるだけだった。
「えっ、あー……そう。」
どこか聞き覚えのある声が近くで聞こえて、反射的にそちらを見ようと頭を動かした。
「おっ、起きたのか。
まだ苦しそうだな。」
ぼやける視界に、男の人。
お医者さん??
「すぐ助けてやりてぇんだが、お嬢ちゃんの体質はちょっと特別みたいでな、
薬も点滴もなんも受け付けてくれねぇみたいなのよ。」
私は知ってる、この声を。
大好きな低い声。
どこで聞いた??誰の声??
「だから……これで我慢してな。」
申し訳なさそうな声を聞いて、涙があふれる。
その涙を拭うように誰かに頬を撫でられて、次に感じるのは熱を奪い去っていく冷気。
「ほら、口開けな。」
優しい声色に誘われるように口を開けば、氷の塊?が入ってくる。
「フッ……フッ……」
「なーんか、あれだな……あー……まぁいいっか、今俺しかいないし。」
氷から溶けだした水を、こくりこくりと飲み込んでいく。
「いい子だ。」
そんな言葉が聞こえて、睡魔がやってくる。
下に下に引っ張られるような急激な睡魔が怖くて、涙がまた溢れた。
「大丈夫、俺がいるよ。」
そこでプツンと意識はとだえた。