幼女お買い物します!
お嬢ちゃんお名前は?
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「ユーリさん、これは冷蔵庫に入れておきますか?」
たしぎちゃんは紙袋を持って私に問いかける。
「このあと本部に戻るんですよね?
それなら持っていきます!」
時刻は既によると言ってもいい時間。
まだみんな本部にいるだろうか。
「にしてもすごい量買ったな。」
とりあえず報告に、とセンゴクさんの執務室へと向かう。
私が持つには少し大きい紙袋をみて、スモーカーさんが改めてそれについて問いかける。
「クザンさんのお金なので、悩んだんですけど……あれ以上買うものもなかったので。」
「クザンさんから財布を空っぽにしてこい、とのお達しでしたしね。」
たしぎちゃんが最初よりは少し薄くなった黒革の長財布を取り出す。
「でも半分も使えませんでしたね……さすが大将と言うべきか。」
「いくら持たせたんだアイツ……」
そんな話をしてる間に執務室の前にたどり着く。
私を抱き上げたまま、スモーカーさんはドン、ドン、と戸を2回叩いた。
「入れ。」
「失礼します。」
「失礼しますっ!」
スモーカーさんとたしぎちゃんの入室の声につられて、私もつい言葉がこぼれる。
「失礼します!」
「ガッハッハッ!ユーリはただいまの方があってるな!」
「ただいま戻りました??」
「さらに畏まっちまったじゃないかい。」
よく分からず帰ってきたことを伝えれば、おつるさんがまたピシャリとガープさんに言葉を投げる。
「買い物は済んだのか?」
「はい、たしぎさんとスモーカーさんに手伝っていただき、無事に終えました。」
「ユーリ、礼儀正しいのはいいことだよ。でもね、その年齢の子供は時と場所を考えて人の呼び方は変えないし、そんな固い敬語使わないんだよ。」
「おつるちゃんの言う通りじゃわい!そんなんだとすぐ年齢詐称がバレるぞ、ガハハハ!!」
年齢詐称というか……不可抗力というか……
少し乾いた笑いをこぼしていると、後ろからノック。
「失礼しまぁ〜す。おっ、帰ってたか。」
「クザンさん!」
返事も聞かずに入ってきたのはクザンさんで、その姿を見てよほど嬉しそうな声が出てしまってたのかクザンさんがちょっと照れたように笑ってくれた気がした。
「おかえり、ユーリちゃん。」
優しくて低い声が鼓膜を揺らす。
「ただいま、クザンさん。」
それがどうしても嬉しくって、反射的に返してしまう。
それを聞いて、私を抱っこしてるスモーカーさんが少し笑った気がした。
「てか、随分とまぁスモーカーと仲良くなっちゃって。
スモーカーもいつまでユーリちゃん抱っこしてるの、こっち寄越しなさいよ。」
しかしクザンさんが上機嫌だったのはほんの一瞬で、すぐ拗ねたようにスモーカーさんに絡み出す。
「へいへい。」
「わっ、」
スモーカーさんは至極面倒くさそうに、私を紙袋ごとクザンさんに押し付ける。
突然のクザンさんとの急接近イベントに、一気に顔が赤くなった。
あ、香水の匂い。
「おっと……、ちょっとスモーカー、女の子をそんな雑に扱わない!」
「そうですよスモーカーさん!買い物の時は抱き上げるたんびに屈んで両手広げて待ってたのに!」
たしぎちゃん、それは言ったらダメよ。
たぶんここでは。
「え、何それ。こいつそんなに優しかったの?」
「それはもう!」
「たしぎ、黙れ。」
もう一周まわって諦めたらしいスモーカーさんが、私を見て指を指す。
「お前はそれいいのか。配るために買ったんだろ?」
クザンさんの腕の中で紙袋をガサガサと漁る。
「これ、皆さんにお土産です!クザンさんのお金ですけど……」
「あららら、そんなの迄買ってきちまって、自分の買い物ちゃんとしてきたんでしょーね??」
クザンさんにうりつりとほっぺたをつつかれる。
「買い物はちゃんと済んでますよ、さすがにお財布はからに出来ませんでしたが……」
たしぎちゃんから自分の長財布を受け取り、片手で器用に中身を確認する。
そして、ちょっと眉間にシワがよったクザンさんと目がバッチリとあった。