幼女お買い物します!
お嬢ちゃんお名前は?
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「とりあえず服を買いに行きましょうか。
日用品は重くなっちゃいそうですし!」
たしぎちゃんの提案に首を縦に振った。
「……おい。」
突然スモーカーさんが目の前にしゃがんで両手をこちらに開いた。
ん。と短くぶっきらぼうに放たれた言葉に、ようやく意味を理解して私は真っ赤になる。
「いやっ、あのっ、歩けます!」
「バカかお前。そのタッパで歩いたところで今日中に買い物終わんねーだろうが。」
さっきお店で時刻を見たとき、すでに14時を回っていたことを思い出す。
「たしかにそうですね。今日中に生活できるように買い物してこいとのお達しですし……
それに、ユーリさんの体じゃ体力の消耗も激しいでしょうから。」
たしぎちゃんも困ったように眉を下げた。
あー、困らせちゃってるなぁ……。
「やっぱり男性に抱っこされるのは気が引けますかね?それなら私が……」
「お前は転ぶからダメだ。」
原作を知ってる私は、まぁそうだよな。苦笑いする。
「ユーリ、こい。」
無理やり担がないのは、多分スモーカーさんが私の年齢を配慮した上での優しさなんだろうな。
おずおずと腕の中に収まれば、浮遊感。
「よし、行くか。」
「はい!」
「ご迷惑おかけします……」
小さく呟いた謝罪というか感謝というか、その言葉はスモーカーさんが気にするなどでも言うように背中をあやす様にトントンされ返された。
ほんっっっとこの人のそう言う優しいところが好きだ。
全ての買い物を終える頃には、向こうの方に夜の暗さが見えるほどの時間だった。
「一旦荷物を置きに行きましょうか。」
そんなたしぎちゃんの一言で、本部に戻ると思い込んでいた私は、目の前の大きな家に心底ビビってる。
「……ここはどこですか。」
「クザンの家だが……、待て、お前まさかなんにも聞いてないのか??」
スモーカーさんの発言に、私はサッと青ざめる。
「……聞いてないです。」
消え入りそうな私の声に、スモーカーさんが深くため息をついて天を仰いだ。
「中身25の女だぞ……あの馬鹿。」
全くもってその通りである。
まぁ見た目がこのとおり子供になってしまった時点で、スモーカーさんのように私のことを中身は大人である、と認識できる方が稀と思っておいた方がいいか……。
「スモーカーさーん!ユーリさーん!ドア開きましたよー!」
たしぎちゃんはドアの近くでブンブンと大きく手を振った。
「今行く。」
迷惑をかけてばかりだ。
本当に。
トリップしてきたなら、もっと夢小説みたいに強い能力や、なにか役立てるものがあってもいいのに。
私が得たのはこの小さな体と、殺気や身の危険に対しての異常なまでの過敏さだけ。
「……私も、強かったらなぁ。」
「……強かったら、最初に殺されてるだろ。」
こぼれ落ちてしまった言葉に、ぶっきらぼうな返事。
それもそうだ。