馬鹿な弟が毎日くだらないメールを送ってくるので困ってます。

「待っていたぞ、我が心の友よ!」

 出迎えてくれた桃山がスマホをいじり、すぐにオレの元にメールがきた。




魔王は地獄耳
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桃山
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 いいか、川島よ。魔王の話は、メールを介してやるのだ。奴の聴覚は、常人の域を超えている……気を付けろ!!




 顔を上げて桃山を見れば、オレに力強く頷いた。すぐさま、蝶のような華麗な指裁きで、メールを送り返す。




愚か者めっ!
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川島
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 あのような、大人の魅力溢れる高貴な方を姉君に持ち、なんの不満があるというのだ。桃山よ、姉弟という星の下に生まれた事、感謝するべきであるぞ。



 オレの送ったメールを見た桃山の顔は、同意を得られなかった事による悲しみに満ちていた。



 完

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