この想いは秘密

 僕のおなかに手をつき腰を振る君。乱れる息。喘ぎ声。僕を見下ろす濡れた瞳。なんて綺麗なんだろう。もっと淫れて感じて。部屋に響く卑猥な水音と息づかい。

 ああ本当に、愛してるって言えたなら、どんなにいいだろう。君には彼がいる。僕と君は友達。こうなったきっかけは君の一言。

「ねえ、練習台になって」

 君は彼氏に処女と知られない為、僕にセックスの練習台になるよう、頼んで来た。

「ねっ、お願い」

 断れるはずがない。

「はあ、あっああ、んんっ」

 君の腰をつかみ下から突き上げると、君は躯を弓なりに反らす。

 ずっと君が好きだった。ずっとこうしたかった。ああ僕は幸せだよ。

「やあっ、ひゃうんっ、ああっ」

「くっ」

 更に激しく打ち付ければ、君と僕は同時に達した。




 疲れて眠る君にそっとキスをする。

「愛してる」

 いいよね。今だけは今だけは僕のもので。明日になれば君はまた彼のもの。


 だからいまこの時は、僕のものでいて。



 完

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