怪物ハンターは気がつけば恋愛していました。
怪物ハンター。
それは危険が伴う怪物退治屋で、町で暴れ人に危害を及ぼす怪物や、ダンジョンでお宝を守る怪物を倒してお金を稼ぐ職業である。
私ことミタリ・レンは駆け出しの怪物ハンターで、今日も今日とて日銭を稼ぐ為に、ハンター業に精を出していた。
まだまだ力不足なハンターな為、グループを作って5、6人で怪物に挑む事もあるのだが……。
「なんでまたいるのよ、あなたSランクハンターでしょう?」
「お前はほっとくと死にそうだからな」
怪物ハンターにはその強さに応じてランク付けされているのだが、私は最低ランクのEで、今目の前にいるこの男、ミライ・セイは最高ランクSのくせに毎回私のグループに入り、討伐を手助けしてくるのだ。
「なによその死にそうだからって。私はハンターになった時から死は覚悟してるわ」
「フン……それが困るんだ」
私が死んで彼に何が困るというのだろう。
「とにかく無事にお前が討伐出来るよう手を貸してやるんだ。光栄に思え」
「はあ~……はいはい、ありがとうございますー」
まあこの男が力を貸してくれるなら、自分のランクより上のクエストもこなせるので有難いからいいけど。その分、報酬額も高いから。
で、まあこんな感じでSランクハンターのミライ・セイに助けられながらハンター業をしていたんだけど……。
「なんで私いま、ベッドの中にいるんだろうか……」
「なんだ、まだ足りないのか?」
「あ、ちょ、ちょっとっ」
ミライ・セイと何故、男女の関係になってしまっているんだ?
私は記憶を掘り起こす。確か最初は雪山で遭難して山小屋で身体を温め合う為に、お互い裸になってベッドで成り行きでそのまま……だったけど、それからいつの間にかこの男と肌を重ね合うようになっていたんだっけ。
いや、私は1度きりのつもりだったんだけど、怪物退治の途中の村で泊まる時とかミライ・セイがその毎回一緒の部屋を取るし、なんかベッドに入るとそのまま流れでするようになってて……。
「なに、考え事をしてる?」
「あ、あんっ」
まだ繋がったままの身体を揺すられて、甘い声が出てしまった。
「お前との子が欲しい。今夜にでも種付けするか……」
「ちょ、ちょっと! なに勝手に話を進めてるの! 私はあなたとの子を作るつもりなんて」
「俺が嫌いか?」
「いや、嫌いとかそういう問題じゃなくて。私たちの関係はそういうんじゃないでしょ?」
ミライ・セイは首を傾げて宣った。
「俺たちは好き同士だろう? なら、子供を作るのは当たり前だろう?」
「好きって……」
「俺はお前がずっと好きだ。お前がこの業界に足を踏み入れた時から、危なっかしい奴と思い見ていたらいつの間にか目が離せなくなっていた」
「え、え、そんな前から!?」
まだ熱が残る私の身体を撫でて、やがてお腹を撫でる。
「という訳だ、何も問題あるまい。今日から子作りをしよう」
「勝手に決めないでよ、あ、ダメっ」
そうして私はミライ・セイとの子供を妊娠して、怪物ハンター業を休業する事になった。
「討伐に行けないじゃない、どうしてくれるのよ」
「俺が稼いでくるからいいだろう? じゃあ討伐に行って来るからお腹の子といい子にして待ってろよ」
私にキスをしてミライ・セイは部屋を出て行った。
まあ、あのままハンター業を続けていても大して稼げなかったし、よかったのかもしれないけど、なんだか流されてばかりだなぁと思わなくもない。
「でもまさかミライ・セイがそんな前から私を好きだったなんて……」
一緒に討伐する時は鋭い眼光で私を睨んできていたし、口を開けば憎まれ口ばかりだったんだけどなぁ。
それが身体の関係を持つようになってから、やたらとボディータッチしてきたりなんか色々と甘くなってきて昨日なんかもその……色々とされて寝かせてくれなかったし。
「まあ、これもひとつの幸せよね?」
私は自分のお腹の子に話しかけて撫でてから、買い物カゴを持って市場に行くのだった。ミライ・セイとの生活も悪く無いかも知れない。
完
それは危険が伴う怪物退治屋で、町で暴れ人に危害を及ぼす怪物や、ダンジョンでお宝を守る怪物を倒してお金を稼ぐ職業である。
私ことミタリ・レンは駆け出しの怪物ハンターで、今日も今日とて日銭を稼ぐ為に、ハンター業に精を出していた。
まだまだ力不足なハンターな為、グループを作って5、6人で怪物に挑む事もあるのだが……。
「なんでまたいるのよ、あなたSランクハンターでしょう?」
「お前はほっとくと死にそうだからな」
怪物ハンターにはその強さに応じてランク付けされているのだが、私は最低ランクのEで、今目の前にいるこの男、ミライ・セイは最高ランクSのくせに毎回私のグループに入り、討伐を手助けしてくるのだ。
「なによその死にそうだからって。私はハンターになった時から死は覚悟してるわ」
「フン……それが困るんだ」
私が死んで彼に何が困るというのだろう。
「とにかく無事にお前が討伐出来るよう手を貸してやるんだ。光栄に思え」
「はあ~……はいはい、ありがとうございますー」
まあこの男が力を貸してくれるなら、自分のランクより上のクエストもこなせるので有難いからいいけど。その分、報酬額も高いから。
で、まあこんな感じでSランクハンターのミライ・セイに助けられながらハンター業をしていたんだけど……。
「なんで私いま、ベッドの中にいるんだろうか……」
「なんだ、まだ足りないのか?」
「あ、ちょ、ちょっとっ」
ミライ・セイと何故、男女の関係になってしまっているんだ?
私は記憶を掘り起こす。確か最初は雪山で遭難して山小屋で身体を温め合う為に、お互い裸になってベッドで成り行きでそのまま……だったけど、それからいつの間にかこの男と肌を重ね合うようになっていたんだっけ。
いや、私は1度きりのつもりだったんだけど、怪物退治の途中の村で泊まる時とかミライ・セイがその毎回一緒の部屋を取るし、なんかベッドに入るとそのまま流れでするようになってて……。
「なに、考え事をしてる?」
「あ、あんっ」
まだ繋がったままの身体を揺すられて、甘い声が出てしまった。
「お前との子が欲しい。今夜にでも種付けするか……」
「ちょ、ちょっと! なに勝手に話を進めてるの! 私はあなたとの子を作るつもりなんて」
「俺が嫌いか?」
「いや、嫌いとかそういう問題じゃなくて。私たちの関係はそういうんじゃないでしょ?」
ミライ・セイは首を傾げて宣った。
「俺たちは好き同士だろう? なら、子供を作るのは当たり前だろう?」
「好きって……」
「俺はお前がずっと好きだ。お前がこの業界に足を踏み入れた時から、危なっかしい奴と思い見ていたらいつの間にか目が離せなくなっていた」
「え、え、そんな前から!?」
まだ熱が残る私の身体を撫でて、やがてお腹を撫でる。
「という訳だ、何も問題あるまい。今日から子作りをしよう」
「勝手に決めないでよ、あ、ダメっ」
そうして私はミライ・セイとの子供を妊娠して、怪物ハンター業を休業する事になった。
「討伐に行けないじゃない、どうしてくれるのよ」
「俺が稼いでくるからいいだろう? じゃあ討伐に行って来るからお腹の子といい子にして待ってろよ」
私にキスをしてミライ・セイは部屋を出て行った。
まあ、あのままハンター業を続けていても大して稼げなかったし、よかったのかもしれないけど、なんだか流されてばかりだなぁと思わなくもない。
「でもまさかミライ・セイがそんな前から私を好きだったなんて……」
一緒に討伐する時は鋭い眼光で私を睨んできていたし、口を開けば憎まれ口ばかりだったんだけどなぁ。
それが身体の関係を持つようになってから、やたらとボディータッチしてきたりなんか色々と甘くなってきて昨日なんかもその……色々とされて寝かせてくれなかったし。
「まあ、これもひとつの幸せよね?」
私は自分のお腹の子に話しかけて撫でてから、買い物カゴを持って市場に行くのだった。ミライ・セイとの生活も悪く無いかも知れない。
完