5月のホームパーティー

「うん、今日もいい天気!」

 燦はうーんと伸びをして、テラスから入る太陽の陽射しに目を細めた。

「さあ、今日のホームパーティーの準備をしなくちゃ」

 キッチンへと向かい、ホームパーティーで出す料理の準備へと取り掛かかる。

 ホームパーティーの話が出たのは4月で、いまから1ヶ月前のこと。

 燦の夫である彼方遥が務める「アスミライ」の製薬会社の新入社員が入って来て、歓迎会をやろうという話になったらしい。

「それでネ、燦チャン。もしキミがイヤじゃなかったら、ホームパーティーとかしてみたいんだケド……どうカナ?」

 そう尋ねてきた遥に燦は、

「楽しそう!もちろんやろうよ!」

 とOKを出した。

 そして今日はその当日。

「やっぱり豪華にしたいよね」

 なにせ遥の大切な社員さんたちの、歓迎パーティーなのだ。

 やるなら盛大に祝いたい。

 燦は料理が得意でよかったと内心ホッとしつつ、気軽に摘まめるクリームチーズのカナッペやサラダから、ガッツリと食べられるアンチョビパスタやローストビーフ、デザートにはリンゴのタルトにイチゴのババロアなどフルコースで作った。

 立食スタイルでわいわいと食べられる感じにしてみた燦。

「うん、これなら色々と楽しめるよね」

 燦は自分の手料理にうんうんと頷きお皿に盛り付けていると、そろそろ遥たちが家に来る時間になっていた。

「そろそろ連絡来るかな」

 と燦が思っていたら、スマホに遥からの連絡があり、

『燦チャン、そろそろみんな連れて行くつもりなんだケド、イイカナ?』

 ときており、

『うん、大丈夫。いつでもいいよ』

 と返しておく。

 ちょっと緊張するけど、精一杯おもてなししなくちゃね!遥くんの大事な社員さんたちだもん。

 燦は遥たちの到着を心待ちにしていた。

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