優しい旦那様

さんチャン、大丈夫?」

「うん、なんとか」

 私はお腹の痛みに耐えながら、はるかくんに答える。

「可哀想に。毎月ツラいネ」

 ソファーで遥くんに膝枕してもらった状態で、お腹をなでなでしてもらう。私は毎月くるアレがとても重いのだ。

「遥くん、ごめんね」

「謝らナイで。今日は家事は休んでゆっくりしてネ」

 遥くんが優しく微笑んでくれる。

「燦チャンがいつも痛そうだからネ、今度痛み止めの薬を開発しようと思っているんダ」

 遥くんは製薬会社の社長さんだ。色々な分野の薬を開発し、副作用の少ない薬として有名な企業に勤めている。

「燦チャンはイヴプロフェンは効かないんだよネ? だったら、ロキソニンかな?」

「うん、そう。でもなかなか効くの、遅くって……」

「ボクが作ったら、即効で治る薬を開発してアゲルからネ。待っててネ」

「ありがとう、遥くん」

 いつも私の事を気にかけてくれる、優しい遥くんに私は甘える。

「遥くん、大好き」

「ボクも大好きダヨ」

 身体を起こし遥くんにキスをねだると、優しくて甘いキスをしてくれた。

「今日はボクが御飯作るカラ、楽しみにしててネ♪」

「うん。遥くんの手料理好き」

「ボクも燦チャンの手料理スキダヨ♪」

 遥くんに頭をなでなでされる。

 遥くんと付き合うまで私は、男の人に甘えるという事を知らなかった。

 でも遥くんは、うんと私を甘やかしてくれるので、私も素直に甘えられる。

 私の淋しいという感情にすぐに気づいて、たっぷり愛してくれる。

「遥くんは私の自慢の旦那様だよ」

 そう言えば、おでこにちゅ、頬にちゅ、最後に唇にちゅとされた。

「ボクには燦チャンしかいないからネ。ずっとボクの傍で笑っていてネ♪」

 遥くんの胸に甘えながら「うん」と頷く私。

 遥くん、ずっとずっと愛してるからね。

 心の中で愛を囁いて、私はこの幸せなひとときを愛おしむのだった。






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