愛し愛され愛しき日々よ

 自分の昔の事から遥くんと過ごす今までの事を考え終わり、燦の頭は現在の状況を思い出す。カタカタと、パソコンをしている遥くんの膝に跨がって、抱きついてることを。

「遥くん……大好き」

 ポツリと呟いた私に遥くんはパソコンを打つ手を止めて、クスっと耳元で笑う。

「ボクも愛してるヨ」

 そう甘く囁いた。その言葉に胸がドキンと鳴った。

 私はこれまで遥くんに、いっぱい優しくされて愛してもらい幸せだけど……彼はどうなんだろう。

 私は彼の支えになってるかな……

 そんな考えに陥り、

 ああ、一人でうだうだと悩むのは、私の悪い癖だ。もう遥くん自身に聞いた方がいい。

 そう思い、口に出してみた。

「私、遥くんの支えになってる?」

 そう不安げに尋ねる私に遥くんは「モチロン♪」と即答した。そして遥くんは、私の顔を優しく見つめて言う。

「よく思うんだケド、ボクはね燦がいなかったらきっと、人の道を踏み外してたヨ。燦と出逢うまでボクは、実験にしか興味なかったからネ」

 そう言って彼は続ける。

「燦という守るモノが出来て、今のボクはいるんダヨ。燦がいなかったらボクは……」

 遠い眼差しになる彼の続きの言葉を待ったけど、次の言葉は形にならず、彼はまたいつものニコニコ顔になって、

「ダカラ燦チャンは、ボクに必要な人なんダヨ」

 そう締めくくった。

「遥くん……」

 彼の言葉に瞳がうるうるっとして、私の不安はかき消されていった。

「というワケだから、燦チャンにはお疲れなボクを癒してもらおうカナ♪」

「え、えぇっ……!」

 驚く私をしっかりと抱いて遥くんは、椅子から立ち上がり寝室へと向かった。

「で、でも昨日あんなに……!」

 慌てる私に遥くんは、

「ボクにとって1番のご褒美は、燦チャンと愛し合うコトなんだけどナァ~」

 綺麗な瞳を笑ませる。

 そう言われてしまえば、拒否は出来ず

「うぅ……それが遥くんの癒しなら頑張ります……」

 ニコニコ笑う遥くんに、こう答えたのだった。

 正直、昨日の夜もたっぷり愛されたので身体が疲れていたけど、愛する彼が望むなら……。

 私は彼の首に腕を回した。

 そうして遥くんを見上げたら、

「ダイジョウブ、優しくシてアゲルからネ♪」

 と言ってくれた。





 不安になってばかりじゃいけない。
 私を愛して癒やしてくれる彼のために、しっかり頑張らなくちゃ。


 ベッドの中、遥くんの情熱的な愛に、私はその身体に縋りつく事で応えた。





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