異世界トリップ葵編
「おはよう、燦」
いつもは僕より早く起きる燦が起きてこなくて、僕は彼女を起こしに行った。
「んー、遥くん……昨日は激しくて疲れたから、もうちょっとだけ寝かせて」
「!?」
これが燦の朝の第一声だった。
「何を言ってるの、燦。君、寝ぼけているにしても、ひどい冗談だよ」
あの男と激しくして疲れたから寝かせて? は? 君、浮気したのかい?
僕は今日は会社を休むことにして、すぐにスマホで連絡を済ませた。
「燦、起きなよ」
僕が燦に深いキスをする。
「んん、ちゅ、んちゅ、はあ、んっ」
だんだんと覚醒してきたらしい燦が、その瞳を開けた時、僕は彼女に胸を叩かれた。
「あ、あ、葵くん!? な、なにするのっ!」
「それはこっちのセリフ。燦、なに君? 本当にあの綿アメ頭と浮気してるの?」
「浮気? 何を言ってるの、葵くん。私は遥くんと結婚して遥くんの妻なんだよ? 葵くんとしたらそれこそ浮気になっちゃうよ」
燦の言葉に僕は理解が追いつかなかった。
浮気? 燦と僕が? それよりあの男と結婚してる? なにそれ? 君大丈夫?
「燦、君は僕の妻でしょ? なに、昨日どこかで頭を打ったのかい? 大丈夫? 今日病院に行こうか?」
「葵くんこそ、どうしちゃったの? 私、怖いよ」
それもこっちのセリフ。燦、どうしちゃったんだい?
僕と燦の声に、光と太陽が寝室のドアを開ける。
「パパ、ママ。どうしたの、ケンカ?」
「ケンカだめっ! なかよし、しなきゃだめっ!」
2人とも心配そうにしていたから、僕は「大丈夫だよ」と宥めていると、燦がびっくりした顔で話し出した。
「もしかして、葵くんの子供? え、薫さんとの子供じゃ、早いよね?……隠し子いたの?」
「何を言ってるの、本当に。君と僕の子供じゃないか……」
「ママー」
「ママ、どうしちゃったの?」
2人が燦を心配して傍に寄る。燦は固まったまま、理解が出来ないといった顔をしている。
「この世界は、私の知ってる世界じゃないの……?」
彼女の言葉に僕も固まってしまった……。
────
────────
とりあえず心配する子供たちを幼稚園と学校に見送ってから、燦と改めて話をした。
「私は葵くんと別れて、遥くんと結婚して彼の妻になっているの。子供が2人もいるなんて……」
燦と僕はやっとこの状況に理解が追いついてきた。
つまり、僕の妻の燦と、違う世界の綿アメ頭の妻の燦が入れ替わっているらしい。
「名前、なんていうの?」
「男の子の方が光で、女の子の方が太陽。7歳と4歳だよ」
「可愛かったね……」
「僕と燦の子供だからね」
燦がふふっと笑う。同じ声と顔、でも僕以外の男のものの君。ひどく違和感があって、苛立たしさが募る。
「それで? 僕と君はなんで別れたの?」
僕が聞けば気まずそうに、彼女は話す。
「私がいけないの。葵くんが忙しいってわかってたはずなのに、すれ違い生活やなかなか言葉にしてくれない不安から、別れたの」
燦は悲しげに話して俯く。
「……そう、なんだ」
確かに、前まで僕は忙しさにかまけて、燦との時間を作らなかった。会話も夫婦生活もちゃんとしてなくて、ご飯も食べなかった時期がある。もし、もしもあのままいっていたら、僕と燦は別れてしまっていたのだろうか……。
「とりあえず、戻れるまでちゃんとこっちで主婦業をがんばるね。葵くんは今日、休んだんだよね? 子供たちは何時に帰るの?」
燦に普段のこちらでの生活を話して、主婦をやってもらうことにした。
いつもは僕より早く起きる燦が起きてこなくて、僕は彼女を起こしに行った。
「んー、遥くん……昨日は激しくて疲れたから、もうちょっとだけ寝かせて」
「!?」
これが燦の朝の第一声だった。
「何を言ってるの、燦。君、寝ぼけているにしても、ひどい冗談だよ」
あの男と激しくして疲れたから寝かせて? は? 君、浮気したのかい?
僕は今日は会社を休むことにして、すぐにスマホで連絡を済ませた。
「燦、起きなよ」
僕が燦に深いキスをする。
「んん、ちゅ、んちゅ、はあ、んっ」
だんだんと覚醒してきたらしい燦が、その瞳を開けた時、僕は彼女に胸を叩かれた。
「あ、あ、葵くん!? な、なにするのっ!」
「それはこっちのセリフ。燦、なに君? 本当にあの綿アメ頭と浮気してるの?」
「浮気? 何を言ってるの、葵くん。私は遥くんと結婚して遥くんの妻なんだよ? 葵くんとしたらそれこそ浮気になっちゃうよ」
燦の言葉に僕は理解が追いつかなかった。
浮気? 燦と僕が? それよりあの男と結婚してる? なにそれ? 君大丈夫?
「燦、君は僕の妻でしょ? なに、昨日どこかで頭を打ったのかい? 大丈夫? 今日病院に行こうか?」
「葵くんこそ、どうしちゃったの? 私、怖いよ」
それもこっちのセリフ。燦、どうしちゃったんだい?
僕と燦の声に、光と太陽が寝室のドアを開ける。
「パパ、ママ。どうしたの、ケンカ?」
「ケンカだめっ! なかよし、しなきゃだめっ!」
2人とも心配そうにしていたから、僕は「大丈夫だよ」と宥めていると、燦がびっくりした顔で話し出した。
「もしかして、葵くんの子供? え、薫さんとの子供じゃ、早いよね?……隠し子いたの?」
「何を言ってるの、本当に。君と僕の子供じゃないか……」
「ママー」
「ママ、どうしちゃったの?」
2人が燦を心配して傍に寄る。燦は固まったまま、理解が出来ないといった顔をしている。
「この世界は、私の知ってる世界じゃないの……?」
彼女の言葉に僕も固まってしまった……。
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とりあえず心配する子供たちを幼稚園と学校に見送ってから、燦と改めて話をした。
「私は葵くんと別れて、遥くんと結婚して彼の妻になっているの。子供が2人もいるなんて……」
燦と僕はやっとこの状況に理解が追いついてきた。
つまり、僕の妻の燦と、違う世界の綿アメ頭の妻の燦が入れ替わっているらしい。
「名前、なんていうの?」
「男の子の方が光で、女の子の方が太陽。7歳と4歳だよ」
「可愛かったね……」
「僕と燦の子供だからね」
燦がふふっと笑う。同じ声と顔、でも僕以外の男のものの君。ひどく違和感があって、苛立たしさが募る。
「それで? 僕と君はなんで別れたの?」
僕が聞けば気まずそうに、彼女は話す。
「私がいけないの。葵くんが忙しいってわかってたはずなのに、すれ違い生活やなかなか言葉にしてくれない不安から、別れたの」
燦は悲しげに話して俯く。
「……そう、なんだ」
確かに、前まで僕は忙しさにかまけて、燦との時間を作らなかった。会話も夫婦生活もちゃんとしてなくて、ご飯も食べなかった時期がある。もし、もしもあのままいっていたら、僕と燦は別れてしまっていたのだろうか……。
「とりあえず、戻れるまでちゃんとこっちで主婦業をがんばるね。葵くんは今日、休んだんだよね? 子供たちは何時に帰るの?」
燦に普段のこちらでの生活を話して、主婦をやってもらうことにした。