九堂家のある1日

「太陽、ボクのコト、スキ?」

「うん、はるかくん、大好きっ!」

「なら、太陽が大きくなったら、ボクのお嫁サンになってヨ」

「それはダメ~。太陽、大きくなったらパパとけっこんするんだもん」

「エエ~ザンネン。」

 現在、太陽は遥くんの膝の上に抱っこされて、彼と楽しそうにお喋りしている。遥くんは休みがある度によく、我が家に遊びに来て子供たちと遊んでくれるので、光と太陽は遥くんに懐いているのだ。

「じゃあサ、ボクは太陽の愛人でイイヨ」

「あいじんってなあに?」

「愛人はネ、1番愛する人のコトダヨ?」

「ちょ、ちょっ、遥くん! 違うでしょ! というより、太陽に変なこと教えないでっ」

 私が慌てて止めると太陽がすぐに、

「なら太陽の1番はパパだから、パパをあいじんにするー!」

 なんて言う始末。

「太陽、そんなこと言っちゃダメ」

「え~なんで~?」

「なんでもだよ。パパ愛人になったら、悲しんじゃうからね」

「そうなの? じゃあやめる」

 ホッとしながらも、遥くんにめっと怒る。

「太陽に変なこと吹きこんだり教えたりしないでね、遥くん」

「ゴメンゴメン。カワイイからネ、ついネ」

 遥くんにぎゅううと抱き締められて、太陽が嬉しそうに「はるかくん、くるしいよ~」と、キャッキャしている。

「お昼食べてくでしょ? オムライスだけどいい?」

「わあーオムライスー!!」

「ヤッター、燦チャンのオムライスー♪」

 2人して喜んでくれるので、私は張り切って作る。ちなみに息子の光はまだ、小学校から帰って来ておらず、3人で過ごしていた。

「はるかくん、ママのオムライスはおいしいんだよー」

「イイナァー。ボクも毎日、燦チャンのご飯食べたいナァ」

 そう言って遥くんは、しょぼんとした顔をする。

「よしよし。はるかくん、毎日あたしんちに、あそびにきていいよ!」

「ホントー? それは嬉しいナァ」

「もう、遥くん。仕事があるでしょー?」

 私がオムライスをキッチンで作りながら、2人の会話に笑う。先にチキンライスは作って置いたので、温め直して卵で包むだけなので、あっという間に出来た。

「はいはい、2人共、席に着いてー」

「はーい」

「ハーイ」

 仲良く3人でいただきますをする。

「ウン、燦チャンのオムライス、おいしいー♪」

「でしょー? ママのりょうりは、ぜんぶおいしいんだよー」

「ふふ、ありがとう太陽」

 太陽の頭を撫でると、太陽が嬉しそうに笑う。

「イイナァ。燦チャン、ボクも頭撫でてヨー」

 それを見ていた遥くんが淋しそうに言うので、私は笑いながら席を立ち、彼の傍に近寄り、ふわふわの白い頭を撫でてあげた。

「燦チャン、愛してる」

「ちょ、遥くんっ!」

 私を抱き寄せて頭をすりすりしてくるので、撫でていた彼の頭をベシベシ叩いた。

「イテっ、イテテ、燦チャン痛いヨっ」

「悪い子にはお仕置きです!」

「抱きついただけデショ? それぐらい許してヨー」

「あはは、はるかくんママにおこられてるー」

 こうして楽しくお昼ご飯を3人で食べた。

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