交わらない想いは、いつか交差する

「うん、それは駄目だね。美咲ちゃんが悪い」

「うっ……」

 ストレートな真菜の言葉に、美咲は落ち込む。

「広江くんはあたしたちの仲を、取り持ってくれたんだよ。あたしの話を聞いて、美咲ちゃんに働きかけてくれた」

 それをお節介だなんて、言っちゃ駄目っ!

 そう、真菜に留めを刺された。

「だ、だよね。うぅ……どうしよう」

「謝ったらいいじゃない、いまあたしにしたみたいに」

 悩む彼女にあっさりと、答えを導き出す真菜。

「そんなの無理……」

「ふーん、また諦めるんだ?」

「そ、そうじゃない、けど……」

「それにさっきの話だと、ぺたりんのハンカチもらったんでしょ?」

 体育館の裏で泣いていた時に、蒼空が差し出してくれたハンカチ。

 彼が受け取らないまま真菜が来て、ハンカチは美咲が持っていた。

「今度、返す……よ、たぶん」

「多分じゃ駄目っ! それにそのハンカチは広江くんがくれたんでしょ? お礼に何かあげたらいいじゃない」

「お、お礼って……」

 口籠もる美咲に真菜は聞く。

「今日、美咲ちゃんって暇? 久しぶりにあたしと出掛けない?」

 広江くんにあげるお礼、一緒に選ぼう! そう真菜は提案してくれた。 



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