交わらない想いは、いつか交差する

「真菜……」

「あたしもごめんねっ! ずっと伝えたかったの……」

「違う、真菜は悪くないっ……真菜は、緑子とわたしのことを、ちゃんと考えてくれてた……っ」

 電話越し、お互いに謝り合って自分の気持ちを伝える。もう最後には、笑い合って、いままでの壁が嘘のように溶けていった。

 ううん、壁なんて元からなかったのかも……。

 美咲は、自分の方が勝手に壁を作っていただけで、真菜はずっと両手を広げて待っていてくれていたのかもしれない……。

 そう考えを改めた。

 本当に広江の言う通りになった……。

 その途端、ずきりと心が重くなる。

「真菜、あの……」

「ふふ、どうしたの?」

 笑って聞き返してくれた真菜に、迷いはあったけど、美咲は蒼空とのことを伝えた。


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