交わらない想いは、いつか交差する

 翌日の土曜日。

 昨日のことが気になりすぎて、あまり寝付けなかった……。

 自宅のベッドで起き上がったまま、美咲は自分が昨日、蒼空にしたことを思い出していた。

 なんであんなこと……。

 また自分のした過ちに頭を悩ます。

 わたし、あんなひどいこと言ったのに。なんで、なんで広江は優しいんだろう……。

 言いたいことを全部、蒼空に当たり散らしたのに、彼は最後まで自分を気遣ってくれていた。

「真菜は、本当に待ってる……?」

『絶対、やり直せるからっ!』

「……」

 出来ることなら、自分だってやり直したい……。

 美咲は昨日、ベッドの中で悩み続けた選択肢のひとつを選び取った。

 プルルルルル……っ。

 スマホの連絡先にタッチし、電話を掛ける。

「はい、真菜です」

 久しぶりに聞く友の声に、心臓がばくばくと音を立てた。

 逃げたい、苦しい、思い出したくないッ……でも!

「ひ、久しぶりっ……ご、ごめん。元気?」

 美咲は緊張で不安に駆られながら、彼女に話し掛けた。

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