1月、七福神巡り

 御朱印を頂き、お寺を後にする。7つ全て周り終えたので、後は家に帰るだけだ。

「うん、やっぱりいい」

 帰りの電車が駅に来るのを待つ間、御朱印帳を幸せそうに見ている湊に、

「本当だね。私も七福神以外の御朱印、もらっておけばよかったかな?」

 そう言って私も一緒に見せてもらう。

「なんかこーゆーのを、わびさびっていうんだろうね」

「そうかもね」

 相づちを打ちつつ、湊は少しアホの子っぽいよな……と、夏希は心で独りごちた。


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 家に着いてから手を洗い、荷物を一通り片付けてから、2人で今日の晩御飯を作る。

「んじゃ、湊はジャガイモと人参、玉ねぎの皮むき頼むよ」

「んー、わかった」

 2人とも長旅で疲れていたが、まあカレーなんてすぐに作れるし、自炊を出来るだけしないと。

 夏希は炊飯器を早炊きにしながら考えていた。


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 ほかほかに炊けた真っ白ご飯に、野菜とお肉たっぷりのカレーを盛り付けて、最後に福神漬けを乗せる。

「あ~、お腹空いて食べると格別だわ」

 私が味わって食べていると、

「なんか幾らでも食べられそうだよね」

 と、お代わりをよそいに湊は、キッチンに向かう。

「食べるの早いって。ちゃんと噛んで食べてる?」

 なんかお母さんみたいな事を言っちゃったなって思いながら、もう4杯目の湊に尋ねる。

「うーん、10秒くらい?」

 答えつつ、彼はモリモリ食べて胃を満たしていく。

 湊は所謂痩せの大食いで、食べたカロリーは一体どこに吸収されているのやら。

「見ていて気持ちいい、食べっぷりだね」

「そう?」

 うーん、お腹いっぱい。と言って、湊は先にご馳走様を済ます。ちらりと皿を見れば、綺麗にカレーはなくなっていた。ご飯を残さず食べてくれる男子はいいわ。

 食後は別々に好きな事をして過ごす。

 この距離感は、いままで付き合った男性にはなかったものだ。

 もしかして私はずっと無理をして、相手に合わせてきたのかもしれない。

 そんな事を考えながら、スマホで猫動画を見て癒される夏希だった。




 完


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