8月、ママが来た

 翌朝。

 今日もママに起こされて起きて、ママの朝ごはんを食べる。

 今日は洋食で、ほうれん草のキッシュにシーザーサラダ、オニオンスープとデザートにチョコチーズケーキ。

「やった、ママのチョコチーズケーキ!」

「夏希ママ、朝からありがとう」

「2人が喜んでくれてよかったわ~」

 そうして朝食を食べて、支度を始める。今日でママは家に帰るけど、私たちはいつも通り仕事があるので、お見送りは出来ない。

「ママ、合鍵は持ってるよね? また遊びに来てね!」

「夏希ママ、本当ありがとう! お昼の弁当、楽しみにしてる」

 湊はママに重箱弁当を作ってもらい、にこにこしていた。

「2人ともいってらっしゃい。気を付けてね~」

「ママも、気を付けて帰ってね」

「夏希ママ、またね」

 ママに見送られて仕事へと向かう。

 ママといると、学生時代に戻った気分になる。学生時代、なにもかもママがやってくれて、その頃は気付かなかったありがたさがいまになってわかる。今回もママが料理や洗濯、お風呂洗いに買い物としてくれて、のんびりと自分の時間を過ごすことが出来た。

 ママ、ありがとうね。

 ママに感謝して、今日からまたいつもの日常が始まる。

 今日の晩御飯は何にしようかな。

 そんないつもの晩御飯メニューに悩みながら、仕事へと向かう夏希だった。



 完


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