常世の国の彼女
その部屋は全てが真っ暗なのに、不思議と部屋の形状がわかる。
部屋の輪郭線のみが白く浮かび上がり、いま僕がいる正方形の何もない空間を知覚することが出来た。
その闇一色の部屋にたったひとつ扉がある。現在、僕の目の前に静かに佇み存在していた。
この先に彼女がいる。
『もうあたしのこと、いらないの?』
『裏切り者! 裏切り者! 裏切り者!!』
『あたしを見捨てないで……お願いだから……』
『あたしを好きじゃない貴方なんて、信じない……』
彼女の一言一言が頭の中に甦り、吐き気がする……。
ああ……またこの世界に来てしまった……。
だけど僕は彼女とちゃんと向き合わなければならない……その為に来たのだから……。
意を決して、その重たい扉をゆっくりと開いた。
部屋の輪郭線のみが白く浮かび上がり、いま僕がいる正方形の何もない空間を知覚することが出来た。
その闇一色の部屋にたったひとつ扉がある。現在、僕の目の前に静かに佇み存在していた。
この先に彼女がいる。
『もうあたしのこと、いらないの?』
『裏切り者! 裏切り者! 裏切り者!!』
『あたしを見捨てないで……お願いだから……』
『あたしを好きじゃない貴方なんて、信じない……』
彼女の一言一言が頭の中に甦り、吐き気がする……。
ああ……またこの世界に来てしまった……。
だけど僕は彼女とちゃんと向き合わなければならない……その為に来たのだから……。
意を決して、その重たい扉をゆっくりと開いた。