常世の国の彼女

 次の朝、一枚の手紙を残して舞夏は姿を消した。

『陽翔へ。病院へ戻ります。陽翔は病院側に何も話さなくていいからね。そしたら病院側は、いままで居なくなっていたのは、連れ去られたのではなく、あたしの精神が重症化したと思うから。そしてもう2度とあたしに会いに来ないで。陽翔がシェムハザの事を話した時、あたしの目には彼が見えたの。悲しそうな彼が。それを見たらだめだった。自分勝手に陽翔を振り回してごめんね。ばいばい。舞夏』

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