犯罪都市グレグル
ボディーガードのミメイは、裏社会の大物
占い師、マザーを前に片膝をついた。
「今回、ボディーガードをさせて頂きます
ミメイと申します」
マザーの占いの館にて頭を下げるミメイに、マザーはうふふふっと笑いながら話しかける。
「そんなに仰々しくせずともよい。頭をお上げ」
声に従い、ミメイが頭を上げマザーを伺う。
マザーは隻眼の占い師で、頭にターバンを巻きドレスを身に纏う。
「そちは業界でもなかなかのボディーガードらしいが、本当かの?」
「ええ。自分で言うのもなんですが、それなりの上位ではあると思います」
「ふむ、ならば試させてもらおう」
マザーが言葉を発するや否や、カーテンの影から数人の刺客が現れた。
ミメイにそれぞれ持った針を飛ばし、襲って来る。
ミメイは上手く針をかわしながら、次々と
刺客をナイフで倒す。
「ほう、やるのう」
マザー自身もミメイに向かい針を投げてくるので、たまったものではない。
全員を倒すと、やっとマザーも針を投げるのを止めた。
「うむ、合格じゃ」
「ありがとうございます」
ミメイは背高帽子を取って、深々とお辞儀をした。
「しかし惜しいのう。そちのような部下が、欲しいものなんじゃがのう」
マザーは自らが持つ針を手で弄びながら、落胆した様子をみせる。
マザーの持つ針を刺された者は、彼女の操り人形となってしまうのだ。
刺客たちも、マザーに針を刺された操り人形だろう、皆一様に虚ろな瞳をしていた。
「まあ、これからボディーガードをしてもらうわけであるからのう。チャンスはまだまだある」
「それだけ私を気に入って頂けて、光栄至極に存じます」
ニタリと笑うマザーに、ミメイは最上級の営業スマイルで応えてみせる。
仕事中も針に襲われるのを、警戒しないとならないな……。
厄介なボディーガードを相手に、ミメイは心の中では冷や汗を流していた。
完
占い師、マザーを前に片膝をついた。
「今回、ボディーガードをさせて頂きます
ミメイと申します」
マザーの占いの館にて頭を下げるミメイに、マザーはうふふふっと笑いながら話しかける。
「そんなに仰々しくせずともよい。頭をお上げ」
声に従い、ミメイが頭を上げマザーを伺う。
マザーは隻眼の占い師で、頭にターバンを巻きドレスを身に纏う。
「そちは業界でもなかなかのボディーガードらしいが、本当かの?」
「ええ。自分で言うのもなんですが、それなりの上位ではあると思います」
「ふむ、ならば試させてもらおう」
マザーが言葉を発するや否や、カーテンの影から数人の刺客が現れた。
ミメイにそれぞれ持った針を飛ばし、襲って来る。
ミメイは上手く針をかわしながら、次々と
刺客をナイフで倒す。
「ほう、やるのう」
マザー自身もミメイに向かい針を投げてくるので、たまったものではない。
全員を倒すと、やっとマザーも針を投げるのを止めた。
「うむ、合格じゃ」
「ありがとうございます」
ミメイは背高帽子を取って、深々とお辞儀をした。
「しかし惜しいのう。そちのような部下が、欲しいものなんじゃがのう」
マザーは自らが持つ針を手で弄びながら、落胆した様子をみせる。
マザーの持つ針を刺された者は、彼女の操り人形となってしまうのだ。
刺客たちも、マザーに針を刺された操り人形だろう、皆一様に虚ろな瞳をしていた。
「まあ、これからボディーガードをしてもらうわけであるからのう。チャンスはまだまだある」
「それだけ私を気に入って頂けて、光栄至極に存じます」
ニタリと笑うマザーに、ミメイは最上級の営業スマイルで応えてみせる。
仕事中も針に襲われるのを、警戒しないとならないな……。
厄介なボディーガードを相手に、ミメイは心の中では冷や汗を流していた。
完