犯罪都市グレグル

 霧の町グレグルにある、死体売りの店。

 この店は小さい店ながら、地下室には大量の生き物たちの死体が保管されている。

 そこに今日もカスタマイズするために、人々は集まっていた。

「よぉガート。最近心臓が悪いって闇医者に言われてんだ。健康な心臓、頼むよ」

「はいな、はいな。三日前に入ったばかりの健康な心臓がありますよー」

「ありがてぇ」

 さっそく客は死体売りのガートと契約し、金を払って心臓を手に入れる。

「これで助かる。ありがとうよ」

 客は満足して店を出て行く。

「やあガート。この子をカスタムさせて欲しい」

 次に現れたのは、ペット連れの金持ち。

「そうだなぁ、猫耳尻尾をつけたいなぁ」

「はいな、はいな。承りました」

 ペットと言っても人間だ。

 金持ちたちは、妖怪や悪魔をペットにするのに飽きてしまった。

 なので人間をペットにして、自分好みにカスタムするのが流行りとなっている。

「ではこちらにサインを」

 契約を交わしお金を払って、求めた品を受け取る。

 お金持ちは満足して、店を出て行った。

 そうして購入した商品を持って、金持ちたちは闇医者に手術してもらうのだ。

 こうして今日もガートの死体売りの店は、繁盛するのだった。



 完

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