成長をする為
物取り少女
はるかの公開告白と交際宣言は新規でついたはるかのファンには衝撃的で、昔から知っているファンはみちるではない少女だと知ると驚きの声が上がる。
誰もがみちると付き合っていると思っていたからだ。
だが、はるかから語られる言葉は何故かみちるのSNSを炎上させるがみちるは沈下をするどころが油を注ぐように生き生きとうさぎについて話し、はるかにまで喧嘩を売る。
それを知った少女、原島は顔を青くした。
はるかがあげたネックレス、指輪。
それを取ろうとしていることがバレればただではすまない、と本能的に察した。
「うさぎの恋人って、天王はるかだったんだね」
「うん。ネックレスも指輪もはるかさんが買ってくれたの」
うさぎは微笑むと愛おしそうにネックレスに触れれば指輪も姿を表す。
「大切、だよね」
「うん、とっても大切。はるかさんの想いでもあるの。はるかのさんの守護星である天王星の加護もあるようにっていう願いと側にいるっていう気持ちもあるから。結構ご利益あるんだよ」
へへと幸せそうに笑い表裏ない言葉をかける。
そんなうさぎをみて『辞めよう』と思ったのは何故だろうか。
いつから分からない癖だった。
物心ついた頃から人の物が欲しかった。
気がつけば手を伸ばして、万引きですらしたこともあった。
幸いとバレることは無かったが、本能が告げている。
『狙っていることを知っている』と。
それでも友達として微笑みかけ、話を聞いてくれる。
人から避けられ特定のグループには入れない自分を受け入れてくれている。
そんな海よりも広く深い心の持ち主。
「ごめん、うさぎ」
「分かってくれて嬉しいよ」
柔らかくでもどこか儚い。
そんな笑顔をみせるうさぎに彼女は「またね」と呟く。
「うん、バイバイ」
誰もいなくなった教室でうさぎは少女に手を振った。
彼女の足跡も聞こえなくなった頃、深いため息をつく。
「ふーっ…これで良かったのかな…」
前世では救えなかった命。
償いも、してはいけないという意味も。
全て出来なかったのだ。
今世でも同じ事を繰り返した。
罰せられる前に。
どうか彼女に幸あらんことを。
そう祈る。
「…今度こそ、幸せになってね――――」
ぼそりと呟かれた名前は彼女の前世のもの。
自分が関わったから無くなった命。
救えなかったのも同じであるが同時に怖かった。
彼女目が、雰囲気が。あの時は守られるだけのお姫様だったが今は違う。
守られてばかりだが自分の足で立てる力もある。
だからこそ。
今度こそ守りたい。
甘いと言われても。
新学期が空けると彼女の姿は無かった。
急な引越しだったという。
だが彼女を惜しむ人は居なかった。
うさぎと話してから彼女は盗んだものを直接頭を下げなから返していたから。
勿論罵声を浴びせる人、叩く人。
そんな人もいたが彼女はそれを全て受け入れ頭を下げ謝った。
痛かっただろう、悲しかっただろう。
それでも彼女は最後まで涙を見せなかった。
うさぎも、亜美たちもそのことは彼女の罪だからと手を貸すことは無かった。
うさぎにとっても心を痛めるものでもあったがうさぎにとっても少女にとっても。
それが『成長』だからと戦士たちはアフターケアをしながらも見守った。
――ひとつの事件がこれで幕を閉じた。
はるかの公開告白と交際宣言は新規でついたはるかのファンには衝撃的で、昔から知っているファンはみちるではない少女だと知ると驚きの声が上がる。
誰もがみちると付き合っていると思っていたからだ。
だが、はるかから語られる言葉は何故かみちるのSNSを炎上させるがみちるは沈下をするどころが油を注ぐように生き生きとうさぎについて話し、はるかにまで喧嘩を売る。
それを知った少女、原島は顔を青くした。
はるかがあげたネックレス、指輪。
それを取ろうとしていることがバレればただではすまない、と本能的に察した。
「うさぎの恋人って、天王はるかだったんだね」
「うん。ネックレスも指輪もはるかさんが買ってくれたの」
うさぎは微笑むと愛おしそうにネックレスに触れれば指輪も姿を表す。
「大切、だよね」
「うん、とっても大切。はるかさんの想いでもあるの。はるかのさんの守護星である天王星の加護もあるようにっていう願いと側にいるっていう気持ちもあるから。結構ご利益あるんだよ」
へへと幸せそうに笑い表裏ない言葉をかける。
そんなうさぎをみて『辞めよう』と思ったのは何故だろうか。
いつから分からない癖だった。
物心ついた頃から人の物が欲しかった。
気がつけば手を伸ばして、万引きですらしたこともあった。
幸いとバレることは無かったが、本能が告げている。
『狙っていることを知っている』と。
それでも友達として微笑みかけ、話を聞いてくれる。
人から避けられ特定のグループには入れない自分を受け入れてくれている。
そんな海よりも広く深い心の持ち主。
「ごめん、うさぎ」
「分かってくれて嬉しいよ」
柔らかくでもどこか儚い。
そんな笑顔をみせるうさぎに彼女は「またね」と呟く。
「うん、バイバイ」
誰もいなくなった教室でうさぎは少女に手を振った。
彼女の足跡も聞こえなくなった頃、深いため息をつく。
「ふーっ…これで良かったのかな…」
前世では救えなかった命。
償いも、してはいけないという意味も。
全て出来なかったのだ。
今世でも同じ事を繰り返した。
罰せられる前に。
どうか彼女に幸あらんことを。
そう祈る。
「…今度こそ、幸せになってね――――」
ぼそりと呟かれた名前は彼女の前世のもの。
自分が関わったから無くなった命。
救えなかったのも同じであるが同時に怖かった。
彼女目が、雰囲気が。あの時は守られるだけのお姫様だったが今は違う。
守られてばかりだが自分の足で立てる力もある。
だからこそ。
今度こそ守りたい。
甘いと言われても。
新学期が空けると彼女の姿は無かった。
急な引越しだったという。
だが彼女を惜しむ人は居なかった。
うさぎと話してから彼女は盗んだものを直接頭を下げなから返していたから。
勿論罵声を浴びせる人、叩く人。
そんな人もいたが彼女はそれを全て受け入れ頭を下げ謝った。
痛かっただろう、悲しかっただろう。
それでも彼女は最後まで涙を見せなかった。
うさぎも、亜美たちもそのことは彼女の罪だからと手を貸すことは無かった。
うさぎにとっても心を痛めるものでもあったがうさぎにとっても少女にとっても。
それが『成長』だからと戦士たちはアフターケアをしながらも見守った。
――ひとつの事件がこれで幕を閉じた。
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