壱ノ巻
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――――
状況を確認しよう。メーデー、メーデー。
まずはスマホ!圏外!OK!
防犯ブザー!落としました!OK!
見たことない【暗い】街!前方黒い壁です!OK!
「捕まえたぞ!」
『 全然OKちゃうやん!!』
ノーOK!へるぷみー!あてんしょんぷりーず!メーデー!
アキレス腱の由来の英雄的速さを誇る私の健脚(笑う所である)でも振り切れず、袋小路で敢え無く捕まってしまった。
よくよく考えて見ると逃げる必要は無かったのだが、何だか怖そうな人達だし、生物的本能が働いてしまった訳であります。ハイ。
誰に言い訳してるのか分からないが、思考回路も現実でも混乱している私は、武器を所持していないかベタベタと触られ、そのまま縄で縛られてどこかへと連れて行かれる。
ていうかこの人達当たり前かのように屋根走ってるんスけど!!スタントマンでも中々居ないよ!?ここまでの軽業師!!人間の限界に挑戦してる感じある!
『あのう』
「下手な真似をすれば殺すぞ。」
『質問です!良いですよね?抵抗しませんから!ね?ね??』
「……話なら尋問室でたっぷりと聞いてやる。その前に……その巫山戯たサングラスを取れ。」
『サングラスじゃなくてコレは水泳の時のゴーグルですよ!……ハッ!!なんか可笑しいと思ったらコレのせいか!』
道理で街行く人々や今私を縄で縛り連行(?)している人達が某名探偵アニメの犯人宜しく黒い訳だ。
私は殺されるのは嫌なので、失礼しまーす。と一言言ってからゴーグルを取る。窮屈感がなくなり、フラッシュとは違う自然の光に目を細める。
『…………めっちゃ綺麗…………ゴーグル越しでも凝ったセットだなぁって思ったけど…………』
お兄さんがゴーグルのことを指摘してくれなかったら、私最期にこの綺麗な街を見れなかったかもしれない……
『ね、怖い顔のお兄さん。』
「…………」
『ゴーグルのことありがとうございます。素敵な街ですね!ココ!感動しました!』
「……?」
『こんなに大きいセットなんて、どんな映画撮るんですか?』
「……お前、何を言ってる?」
ベラベラと水を得た魚のように喋っていた私に、我慢の限界と言った感じで沈黙を貫いていた顔の傷が怖めのお兄さんが、焦ったようにそう聞いてくる
『何をって……やだなー!映画の撮影現場ですよね?ココ。いやね、私さっきまで森の中の小さい滝の現場でCM撮影をーって感じだったんですけどね?お兄さん達との現場近かったのかな……撮影の邪魔したから怒ってるんですよね?』
すいませんでしたー。と謝る私に、顔の傷が怖めのお兄さんと、その周りにいた緑のジャケット?っぽいのを着てバンダナみたいなのをしてるお兄さん達が、顔を見合わせる。
それにしてもすごくレトロっぽい街並みだ。下町……とかそういう雰囲気に近いけど、繁華街のようにも見える。
此処でどんな映画が撮影されるか分からないけど……全国放映になったら観に行ってみたいな。めっちゃお金かかってるもんねこのセット。
悶々と映画の想像をしていると、お兄さん達は屋根の上で急ブレーキをかけるかのように止まる。痛い、舌噛んだ。止まるなら言って欲しかった。
「お前、チャクラを練ってみろ。」
『ハイ?』
「チャクラだ。」
急に止まったお兄さんをちょっと半目で見たのが気に障ったのか、お兄さんが訳の分からないものを練ってみろとか言ってくる。何一つ分からない。
『…………えーと。ね、ねりねり〜…………?』
「…………」
試しに手の平と手の平を合わせて擦る……みたいな動作をしたが、黙ってその様子を複数人のお兄さん達に見られる。恥ずかしい。いっそ死にたい。
「…………どう思う」
「チャクラは感じるんだが…………」
「チャクラの乱れが無い。嘘はついてない。」
ヒソヒソと何かを話し、羞恥に項垂れる私を他所に、揉めているようだ。解せぬ。
顔の傷が怖めのお兄さんを筆頭に、話が纏まったのか、縄で縛られていた私は何故か解放され――――
『どぅあッ!?』
「喋るな。舌を噛むぞ。これから【火影】様に会う。失礼な真似は慎め。」
『また走った屋根の上走ったこの人達ヤバい火影様誰ソレ何コレ助けてーーーー!!』
拝啓お父さん、お母さん。私は今、怖いお兄さん達のせいで小さい頃お母さんの悪戯で落ちた落とし穴にはまり、小一時間ほど気づいて貰えなかった時より、恐怖と絶望感を感じています。
状況を確認しよう。メーデー、メーデー。
まずはスマホ!圏外!OK!
防犯ブザー!落としました!OK!
見たことない【暗い】街!前方黒い壁です!OK!
「捕まえたぞ!」
『 全然OKちゃうやん!!』
ノーOK!へるぷみー!あてんしょんぷりーず!メーデー!
アキレス腱の由来の英雄的速さを誇る私の健脚(笑う所である)でも振り切れず、袋小路で敢え無く捕まってしまった。
よくよく考えて見ると逃げる必要は無かったのだが、何だか怖そうな人達だし、生物的本能が働いてしまった訳であります。ハイ。
誰に言い訳してるのか分からないが、思考回路も現実でも混乱している私は、武器を所持していないかベタベタと触られ、そのまま縄で縛られてどこかへと連れて行かれる。
ていうかこの人達当たり前かのように屋根走ってるんスけど!!スタントマンでも中々居ないよ!?ここまでの軽業師!!人間の限界に挑戦してる感じある!
『あのう』
「下手な真似をすれば殺すぞ。」
『質問です!良いですよね?抵抗しませんから!ね?ね??』
「……話なら尋問室でたっぷりと聞いてやる。その前に……その巫山戯たサングラスを取れ。」
『サングラスじゃなくてコレは水泳の時のゴーグルですよ!……ハッ!!なんか可笑しいと思ったらコレのせいか!』
道理で街行く人々や今私を縄で縛り連行(?)している人達が某名探偵アニメの犯人宜しく黒い訳だ。
私は殺されるのは嫌なので、失礼しまーす。と一言言ってからゴーグルを取る。窮屈感がなくなり、フラッシュとは違う自然の光に目を細める。
『…………めっちゃ綺麗…………ゴーグル越しでも凝ったセットだなぁって思ったけど…………』
お兄さんがゴーグルのことを指摘してくれなかったら、私最期にこの綺麗な街を見れなかったかもしれない……
『ね、怖い顔のお兄さん。』
「…………」
『ゴーグルのことありがとうございます。素敵な街ですね!ココ!感動しました!』
「……?」
『こんなに大きいセットなんて、どんな映画撮るんですか?』
「……お前、何を言ってる?」
ベラベラと水を得た魚のように喋っていた私に、我慢の限界と言った感じで沈黙を貫いていた顔の傷が怖めのお兄さんが、焦ったようにそう聞いてくる
『何をって……やだなー!映画の撮影現場ですよね?ココ。いやね、私さっきまで森の中の小さい滝の現場でCM撮影をーって感じだったんですけどね?お兄さん達との現場近かったのかな……撮影の邪魔したから怒ってるんですよね?』
すいませんでしたー。と謝る私に、顔の傷が怖めのお兄さんと、その周りにいた緑のジャケット?っぽいのを着てバンダナみたいなのをしてるお兄さん達が、顔を見合わせる。
それにしてもすごくレトロっぽい街並みだ。下町……とかそういう雰囲気に近いけど、繁華街のようにも見える。
此処でどんな映画が撮影されるか分からないけど……全国放映になったら観に行ってみたいな。めっちゃお金かかってるもんねこのセット。
悶々と映画の想像をしていると、お兄さん達は屋根の上で急ブレーキをかけるかのように止まる。痛い、舌噛んだ。止まるなら言って欲しかった。
「お前、チャクラを練ってみろ。」
『ハイ?』
「チャクラだ。」
急に止まったお兄さんをちょっと半目で見たのが気に障ったのか、お兄さんが訳の分からないものを練ってみろとか言ってくる。何一つ分からない。
『…………えーと。ね、ねりねり〜…………?』
「…………」
試しに手の平と手の平を合わせて擦る……みたいな動作をしたが、黙ってその様子を複数人のお兄さん達に見られる。恥ずかしい。いっそ死にたい。
「…………どう思う」
「チャクラは感じるんだが…………」
「チャクラの乱れが無い。嘘はついてない。」
ヒソヒソと何かを話し、羞恥に項垂れる私を他所に、揉めているようだ。解せぬ。
顔の傷が怖めのお兄さんを筆頭に、話が纏まったのか、縄で縛られていた私は何故か解放され――――
『どぅあッ!?』
「喋るな。舌を噛むぞ。これから【火影】様に会う。失礼な真似は慎め。」
『また走った屋根の上走ったこの人達ヤバい火影様誰ソレ何コレ助けてーーーー!!』
拝啓お父さん、お母さん。私は今、怖いお兄さん達のせいで小さい頃お母さんの悪戯で落ちた落とし穴にはまり、小一時間ほど気づいて貰えなかった時より、恐怖と絶望感を感じています。