俺達のラナンキュラス
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――
「――――不味い」
がやがやと賑わっていた食堂が、一瞬で冷え込み……会話がピタリと止まる。
それもそう、明らかに不機嫌そうな顔をする大男――
名を【サカズキ】。ここ、三日月形の島――マリンフォードにある海軍本部を拠点とする【海軍大将】が一角――赤犬である。
直属に所属している部下は勿論、直属ではない海兵達が【鬼】と陰で称する程――赤犬は誰からも恐れられていた
「おォ~~う……サカズキィ……海兵達も頑張ってるんだからさァ~~……野暮な事言っちゃァいけねぇよゥ~~」
この間延びした喋り方をする、いかにも怪しいちょい悪親父は、その海軍大将の一角。【ボルサリーノ】。通称――黄猿。
海軍大将には、それ相応の仕事がある。海賊討伐だけでなく、その報告書の作成、犯罪履歴の確認、捕まえた海賊の投獄―……挙げたらキリがないが、とにかく、憔悴しきる彼らには、癒しが必要だった
「ん~~……まぁ、美味い……とはいえねェよなァ。味気ないっつーか、味にまばらがあるというか……」
このいかにもやる気のなさそうな男――この男も、海軍大将が一角【クザン】。通称――青雉。
「何で不味い飯食いにわざわざワシが仕事を切り上げにゃァならんのじゃ……!」
「だぁってサカズキィ~~、君三日も食べてないんだろう~~。流石に外に食べに行く時間はないしねェ~~」
食堂で食事にありついている海兵もそうだが、大将達の台詞で一番怖がっているのは……慣れない手つきで料理をする海兵達である
サカズキの行き過ぎた正義は……時に、海兵でさえその能力で消してしまうのだ
「くっとれんわィこんなモン……仕事に戻る」
荒々しくガタリ、と椅子を鳴らし、静かになった食堂から赤犬が出ていくと―……所々で安堵のため息が聞こえ始め、食堂はまたその活気を取り戻す
「……しかしィ……サカズキの台詞もまぁ……全部じゃないけど……」
「ん~~……確かに不味い。……それに、俺可愛い女の子の手作りがいいなぁ~~……」
そう言って残しちゃ流石に可愛そうだ、とサカズキが置いて行った分まで二人で食べる海軍大将に、料理を作る海兵も申し訳ないと思うと同時に、少しだけ嬉しそうな顔になる
「……なんとかなんね~かなァ」
「なる訳ねぇよぅ、あのセンゴクさんだよぉ~~?前々から言ってても聞かねェんだから……期待したって無駄だってぇ」
海軍本部は、別に美味い飯を食う所ではない
そんな事、誰だってわかっているが、本部であるだけに……仕事量が多いココでは、海兵の疲れを癒すものは……何もないのだ。
海軍本部に娯楽施設など置いては世間にしめしがつかない、かといって海兵が娯楽に町へ繰り出すのもいかがなものかと手を出しづらい
せめて、そうせめて……食堂の料理さえ、美味しければ
それか……そう、そんな疲れ切った海兵達に癒しを与えてくれるような、そんな人が現れたら……
「ま。期待するだけ無理無理」
「だよねぇ~~~」
海軍大将二人のため息と同時に、その場にいた全員も同じ意見なのか……ため息を吐く。
まさか、この翌日……奇跡が起こるとも知らずに。
――
≪へぇ~~……!!ここが……マリンフォード……!!≫
≪えへへッ!明日から楽しみだなぁ!≫
「――――不味い」
がやがやと賑わっていた食堂が、一瞬で冷え込み……会話がピタリと止まる。
それもそう、明らかに不機嫌そうな顔をする大男――
名を【サカズキ】。ここ、三日月形の島――マリンフォードにある海軍本部を拠点とする【海軍大将】が一角――赤犬である。
直属に所属している部下は勿論、直属ではない海兵達が【鬼】と陰で称する程――赤犬は誰からも恐れられていた
「おォ~~う……サカズキィ……海兵達も頑張ってるんだからさァ~~……野暮な事言っちゃァいけねぇよゥ~~」
この間延びした喋り方をする、いかにも怪しいちょい悪親父は、その海軍大将の一角。【ボルサリーノ】。通称――黄猿。
海軍大将には、それ相応の仕事がある。海賊討伐だけでなく、その報告書の作成、犯罪履歴の確認、捕まえた海賊の投獄―……挙げたらキリがないが、とにかく、憔悴しきる彼らには、癒しが必要だった
「ん~~……まぁ、美味い……とはいえねェよなァ。味気ないっつーか、味にまばらがあるというか……」
このいかにもやる気のなさそうな男――この男も、海軍大将が一角【クザン】。通称――青雉。
「何で不味い飯食いにわざわざワシが仕事を切り上げにゃァならんのじゃ……!」
「だぁってサカズキィ~~、君三日も食べてないんだろう~~。流石に外に食べに行く時間はないしねェ~~」
食堂で食事にありついている海兵もそうだが、大将達の台詞で一番怖がっているのは……慣れない手つきで料理をする海兵達である
サカズキの行き過ぎた正義は……時に、海兵でさえその能力で消してしまうのだ
「くっとれんわィこんなモン……仕事に戻る」
荒々しくガタリ、と椅子を鳴らし、静かになった食堂から赤犬が出ていくと―……所々で安堵のため息が聞こえ始め、食堂はまたその活気を取り戻す
「……しかしィ……サカズキの台詞もまぁ……全部じゃないけど……」
「ん~~……確かに不味い。……それに、俺可愛い女の子の手作りがいいなぁ~~……」
そう言って残しちゃ流石に可愛そうだ、とサカズキが置いて行った分まで二人で食べる海軍大将に、料理を作る海兵も申し訳ないと思うと同時に、少しだけ嬉しそうな顔になる
「……なんとかなんね~かなァ」
「なる訳ねぇよぅ、あのセンゴクさんだよぉ~~?前々から言ってても聞かねェんだから……期待したって無駄だってぇ」
海軍本部は、別に美味い飯を食う所ではない
そんな事、誰だってわかっているが、本部であるだけに……仕事量が多いココでは、海兵の疲れを癒すものは……何もないのだ。
海軍本部に娯楽施設など置いては世間にしめしがつかない、かといって海兵が娯楽に町へ繰り出すのもいかがなものかと手を出しづらい
せめて、そうせめて……食堂の料理さえ、美味しければ
それか……そう、そんな疲れ切った海兵達に癒しを与えてくれるような、そんな人が現れたら……
「ま。期待するだけ無理無理」
「だよねぇ~~~」
海軍大将二人のため息と同時に、その場にいた全員も同じ意見なのか……ため息を吐く。
まさか、この翌日……奇跡が起こるとも知らずに。
――
≪へぇ~~……!!ここが……マリンフォード……!!≫
≪えへへッ!明日から楽しみだなぁ!≫