三日目!
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――
たしぎさんが私に料理を教えてほしいとやってきて早数十分――
「ああッ!!」
がしゃんッ
「あれっ?」
べちゃっ
「きゃーーーーーーー!?」
どんがらがっしゃーーーん
『だ、大丈夫ですか!?たしぎさん!!』
「は、はいぃ……そ、それよりごめんなさい!厨房がめちゃくちゃに……!」
『いえ!それは片付けるだけで済むからいいのですが……まさかここまでのドジっ子さんだとは……』
「うぅッ!右ストレート……そ、そう、そうなんです……わ、私……昔から本当に、何をやってもドジばかりで……わ、私なんかが繊細な料理なんて……できっこ、ないんです……」
そう言って自信を無くし、項垂れてしまうたしぎさん。
ここまでのドジっ子さんは早々いないけれど、だからと言って諦めるのは早いと思うのだ。
それに――
『たしぎさん、たしぎさん』
「え?」
『たしぎさんは……私に、料理を教えてほしくて、勇気を出してやってきてくれました。』
「へ?え、えぇ……」
『はい、私……すっごく嬉しかったです。だって、私を訪ねてきてくれる海兵さんは、皆私の料理を食べに来てくださってる方だけでしたもの。たしぎさんが、初めてですよ。私【と】料理したいって、お願いしてくれたの』
私、嬉しかったんです。とそう言うと、たしぎさんの瞳がみるみる内に歪んでいく
きらきら きらきら
たしぎさんは頬に伝う涙をぐいっと拭って、鼻水をすすりながら、勢いよく立ち上がる
「――おねがいします!!」
『はい!喜んで!!』
まずは掃除からですね!なんて言うと、申し訳なさそうに、でも笑いながら、二人でちりとりと箒を持って――
『では、まずは卵を割ってみましょう』
「は、はいッ!」
慎重に、やさぁしく、そうっと、そんな手つきでぷるぷるとしながら、たしぎさんは卵を――
「あっ……!!」
『あ、綺麗にできましたね!』
「は、はい!!やっと!!」
『うふふ、十個目にしてようやく、ですね!私の方で殻を取り除きましたので、空気と混ぜるように……こうやって混ぜてください!』
「分かりました!」
たしぎさんが慣れない手つきで、卵を混ぜるのを見て和みつつ、とりあえず本日の課題として簡単にスクランブルエッグからにしてみました。
スクランブルエッグなら早いし簡単なので、たしぎさんもなんとかできそうだ、と喜んでくださいました
なんだか、海軍本部に来てから初めての女の子のお友達、という感じです
「総料理長!このくらい混ぜれば大丈夫でしょうか?」
『どれどれ~~……あ、はい!ばっちり!じゃあ次はこちらの温めておいたフライパンにゆっくり流してください!』
「了解です!」
素直で、健気で、可愛くて……ちょっとおっちょこちょいだけど、そういう所もたしぎさんの魅力なんだな、なんて考えていると
物凄い勢いで食堂の扉が開き、思わず顔をそちらの方にむける。
「おっと……さっきぶりだな、【総料理長】」
『あ、スモーカーさん!えへ、さっきぶり、です!どうなさいました?』
「ん?ああ、ここに――そうだな、どんくさいメガネの女海兵が来てねェか?」
『え?どんくさい……ドジっ子さんのメガネの可愛い海兵さんならいらっしゃいますよ?』
「ソレだ。オイ、たしぎィ!!」
「……」
「あ?オイ、たしぎ……?」
スモーカーさんはどうやらたしぎさんに用があるらしく、何度かたしぎさんを呼ぶものの――
「……」
スクランブルエッグ作りに真剣なたしぎさんには聞こえていないようで、スモーカーさんの顔がだんだんと険しくなっていく
『ちょ、ちょっと待っててくださいね!』
「……あ?ああ。頼む」
『たしぎさ~~ん……?』
「あっ、総料理長!どうですか!?こんな感じですか!?」
『ん?あ。いい感じです!もうそろそろお皿に盛ってくださいね!』
「はいっ!うわぁ……私……初めて料理という料理が出来ました!」
総料理長のお蔭です!なんて言われて、胸がくすぐったい気持ちになる。
どこかぽかぽかしてて、居心地のいいその感覚に私も思わず笑顔をたしぎさんに返しながら、スモーカーさんのことを伝える
「そうですか!スモーカーさんが!へえ~………ええ!?い、今休憩なのに……!?」
「提出された報告書が報告書としての役割を果たしてねェんだ。むしろなんだコレお前。舐めてんのか」
『あらあら……どんな間違い何ですか?』
「……計画書になってるな。お前との」
『え?』
「あっ」
「≪総料理長のラナンキュラスさんと仲良くなれる方法≫だとよ」
ほら見てみろ、と渡されたたしぎさんの報告書(?)を見て、本当に計画書みたくなってる。と驚いてたしぎさんの方を見る
たしぎさんは私と目が合うと、あたふたと分かりやすく慌てながら、目線をしどろもどろと泳がしてしまう
……つまりたしぎさんは、私と仲良くなりたくて料理を口実に会いに来てくれたのだ
『えへ……たしぎさん、たしぎさん』
「……はい」
『お気持ち、すっごく嬉しいです。だから……ぜひ私とお友達になってください!』
「!!……総料理長……!!喜んで!!」
『えへ、私のことは名前で呼んでください!』
「はい……!ラナンキュラスちゃん……これからよろしくお願いします!」
『こちらこそ、たしぎちゃん!』
拝啓、お母さん。お父さん。海軍本部にお勤めして三日で、可愛い女の子のお友達ができました!
――
「……(置いて行かれた)」
葉巻を吸うしかなかったスモーカーさん。
たしぎさんが私に料理を教えてほしいとやってきて早数十分――
「ああッ!!」
がしゃんッ
「あれっ?」
べちゃっ
「きゃーーーーーーー!?」
どんがらがっしゃーーーん
『だ、大丈夫ですか!?たしぎさん!!』
「は、はいぃ……そ、それよりごめんなさい!厨房がめちゃくちゃに……!」
『いえ!それは片付けるだけで済むからいいのですが……まさかここまでのドジっ子さんだとは……』
「うぅッ!右ストレート……そ、そう、そうなんです……わ、私……昔から本当に、何をやってもドジばかりで……わ、私なんかが繊細な料理なんて……できっこ、ないんです……」
そう言って自信を無くし、項垂れてしまうたしぎさん。
ここまでのドジっ子さんは早々いないけれど、だからと言って諦めるのは早いと思うのだ。
それに――
『たしぎさん、たしぎさん』
「え?」
『たしぎさんは……私に、料理を教えてほしくて、勇気を出してやってきてくれました。』
「へ?え、えぇ……」
『はい、私……すっごく嬉しかったです。だって、私を訪ねてきてくれる海兵さんは、皆私の料理を食べに来てくださってる方だけでしたもの。たしぎさんが、初めてですよ。私【と】料理したいって、お願いしてくれたの』
私、嬉しかったんです。とそう言うと、たしぎさんの瞳がみるみる内に歪んでいく
きらきら きらきら
たしぎさんは頬に伝う涙をぐいっと拭って、鼻水をすすりながら、勢いよく立ち上がる
「――おねがいします!!」
『はい!喜んで!!』
まずは掃除からですね!なんて言うと、申し訳なさそうに、でも笑いながら、二人でちりとりと箒を持って――
『では、まずは卵を割ってみましょう』
「は、はいッ!」
慎重に、やさぁしく、そうっと、そんな手つきでぷるぷるとしながら、たしぎさんは卵を――
「あっ……!!」
『あ、綺麗にできましたね!』
「は、はい!!やっと!!」
『うふふ、十個目にしてようやく、ですね!私の方で殻を取り除きましたので、空気と混ぜるように……こうやって混ぜてください!』
「分かりました!」
たしぎさんが慣れない手つきで、卵を混ぜるのを見て和みつつ、とりあえず本日の課題として簡単にスクランブルエッグからにしてみました。
スクランブルエッグなら早いし簡単なので、たしぎさんもなんとかできそうだ、と喜んでくださいました
なんだか、海軍本部に来てから初めての女の子のお友達、という感じです
「総料理長!このくらい混ぜれば大丈夫でしょうか?」
『どれどれ~~……あ、はい!ばっちり!じゃあ次はこちらの温めておいたフライパンにゆっくり流してください!』
「了解です!」
素直で、健気で、可愛くて……ちょっとおっちょこちょいだけど、そういう所もたしぎさんの魅力なんだな、なんて考えていると
物凄い勢いで食堂の扉が開き、思わず顔をそちらの方にむける。
「おっと……さっきぶりだな、【総料理長】」
『あ、スモーカーさん!えへ、さっきぶり、です!どうなさいました?』
「ん?ああ、ここに――そうだな、どんくさいメガネの女海兵が来てねェか?」
『え?どんくさい……ドジっ子さんのメガネの可愛い海兵さんならいらっしゃいますよ?』
「ソレだ。オイ、たしぎィ!!」
「……」
「あ?オイ、たしぎ……?」
スモーカーさんはどうやらたしぎさんに用があるらしく、何度かたしぎさんを呼ぶものの――
「……」
スクランブルエッグ作りに真剣なたしぎさんには聞こえていないようで、スモーカーさんの顔がだんだんと険しくなっていく
『ちょ、ちょっと待っててくださいね!』
「……あ?ああ。頼む」
『たしぎさ~~ん……?』
「あっ、総料理長!どうですか!?こんな感じですか!?」
『ん?あ。いい感じです!もうそろそろお皿に盛ってくださいね!』
「はいっ!うわぁ……私……初めて料理という料理が出来ました!」
総料理長のお蔭です!なんて言われて、胸がくすぐったい気持ちになる。
どこかぽかぽかしてて、居心地のいいその感覚に私も思わず笑顔をたしぎさんに返しながら、スモーカーさんのことを伝える
「そうですか!スモーカーさんが!へえ~………ええ!?い、今休憩なのに……!?」
「提出された報告書が報告書としての役割を果たしてねェんだ。むしろなんだコレお前。舐めてんのか」
『あらあら……どんな間違い何ですか?』
「……計画書になってるな。お前との」
『え?』
「あっ」
「≪総料理長のラナンキュラスさんと仲良くなれる方法≫だとよ」
ほら見てみろ、と渡されたたしぎさんの報告書(?)を見て、本当に計画書みたくなってる。と驚いてたしぎさんの方を見る
たしぎさんは私と目が合うと、あたふたと分かりやすく慌てながら、目線をしどろもどろと泳がしてしまう
……つまりたしぎさんは、私と仲良くなりたくて料理を口実に会いに来てくれたのだ
『えへ……たしぎさん、たしぎさん』
「……はい」
『お気持ち、すっごく嬉しいです。だから……ぜひ私とお友達になってください!』
「!!……総料理長……!!喜んで!!」
『えへ、私のことは名前で呼んでください!』
「はい……!ラナンキュラスちゃん……これからよろしくお願いします!」
『こちらこそ、たしぎちゃん!』
拝啓、お母さん。お父さん。海軍本部にお勤めして三日で、可愛い女の子のお友達ができました!
――
「……(置いて行かれた)」
葉巻を吸うしかなかったスモーカーさん。