長編(メインストーリー沿い)番外編
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この小説の夢小説設定twstメインストーリーの番外編なので、学園での呼称が多いです。
一応設定方法も長編と同じ表示にしてるので、同じように入れていただくと同じような感じで読めるかと。。
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『ここは2席ずつになるのでペアになりましょう』
「おや、2人ずつなんですね」
「そしたらオレ一番前がいいなー。一番スリルありそう」
フロイドの希望していたアトラクションの予約チケットが予約時間になったころ、4人は一度訪れたアトラクションに再度訪れた。
通常の長い待機列を横目にどんどん4人は進み、移動中に案内役の[#da=1#]が3人に声をかけた。あえて未履修のジェイドはそうなのかと頷く。
フロイドの希望を聞いたアズールと[#da=1#]は眉毛をピクリと動かした。
『フロイド先輩……この乗り物で一番前は逆に優しいんですよ』
「そうです。スリルを求めるなら最後列の右側になさい」
「2人ともまじで言ってる?だって後ろでしょ?みんなの後頭部見ながらとかつまんなそーだけど」
「……いえ、存外間違ってはいないようですよ。左右の揺れや上下の弾みが多いので、それを最後尾なら一番強く影響を受けられるそうです。右側というのはコースの関係上、外に放り出される感じが味わえるそうです」
「ふぅん?」
このアトラクションは速度がすごく速いわけではないので子どもや絶叫系の初心者でも乗れるものではある。
そのため[#da=1#]は幼少期から何度か乗ったことがあり、アズールは下調べによる事前知識によってどこが一番恐怖を与えるのかを知っていた。
半信半疑のフロイドを見たジェイドはこのアトラクションについて検索し、2人とも嘘をついていないことを説明した。
『最前列でスリルがあるのは飛び込むような落下系ですね。ここみたいに遠心力がメインのものは後列のほうがより揺れを大きく感じてスリルがあるんです。幼少期にそれを知らず最後列で乗ったときは後悔しました……』
「カーブの比率からいっても右側のほうが遠心力を多く感じられます。左側は岩肌にぶつかりそうというスリルがありますのでどちらも変わらないという声はありますが、どちらかといえば右側のほうが声は多いです」
「ふむ……フロイドの場合は本当に頭部が削れかねないですね」
「そんなギリギリなの?」
『そこまでギリギリだった記憶はありませんが……一応僕とアズール先輩は2人のどちらかとペアになりましょうか』
[#da=1#]は昔夢の国に来た際も時計回りで進んだことで初めて目にした絶叫系アトラクションがここで、生まれて初めての絶叫系ということで父の付き添いで最後列に乗り、終着したときには放心状態だったそうだ。
最初にしっかりした怖さを体験したことで他の絶叫系は楽しむ余裕が生まれ、一応良い経験にはなったらしい。
片割れの後押しもありフロイドは最後列の右側を座ることにした。身長の観点からジェイドも自動的に右側に座ることとなる。
「そしたらブルーテトラちゃん、オレと乗ろー」
『えぇ……』
「だって稚魚ちゃんときは後悔したんでしょ?今日乗ってどのくらい成長したかテストすりゃいいじゃん」
「それなら僕はジェイドとペアですか」
「よろしくお願いします」
最前列にアズール、ジェイド。最後列に[#da=1#]、フロイドがそれぞれ座ることとなった。
それぞれの席に座り、他のゲストたちが残りの席に座ったことで互いの状況が分からなくなる。
間もなく出発し、乗り物が動き出した。
「なんも見えねぇけどめっちゃ揺れんね。なんか赤いのいっぱいある。何あれ?」
『コウモリじゃないですか?実況したい気持ちはわかりますが舌噛みますよ』
「だってワクワクすんだもん。うわっ濡れ、たぁぁああ~~~!!あっはははは!!」
『うわーーー!!!』
フロイドは流れる小さな滝の水に気を取られた瞬間にアトラクションは本格的に走り出した。
右に揺れ左に揺れ、時には縦に重力を感じ、あっという間に終着した。
人数が多いため2チームはアトラクションを出てから合流することとなり、[#da=1#]とフロイドは2人で歩き出した。
「おもしろかった~!どう?稚魚ちゃんときと比べて」
『怖かったけど今ではそのスリルも含めて楽しめましたね。フロイド先輩も楽しめたようでよかったです』
「よかったじゃん。あはは、ブルーテトラちゃんの髪ぼっさぼさ~」
『ちょ…さらにひどくしようとしてませんか?フロイド先輩だって前髪が行方不明ですよ』
「あはっ。仕返ししようとしても、ブルーテトラちゃんみたいな小魚じゃオレの頭に届かないだろ?……ぐえっうわっ」
『ははっ、これでおあいこ様ですね』
[#da=1#]の髪の毛を見たフロイドはわしゃわしゃと乱雑に髪を撫でた。
鏡を見なくても悪化したことを感じた[#da=1#]は、どうせ手出しできないと有頂天になっているフロイドの胸ぐらを引っ張り強制的に頭を下げさせ、たった今自身がされたことと同じように髪の毛をわしゃわしゃとした。
お互いに芸術作品のような髪型になったところで建物の入り口に到着し、先に着いていたアズールとジェイドによって笑いながら写真が撮られた。
『2人は乗ってみてどうでしたか?』
「ええ。開けた視界に若干の緊張感はありましたが、口コミどおりの程度だったのでわりとすぐ順応できました」
「あれなら僕とフロイドが本来の姿で泳いだ方が速いですからね。ちょうどいい準備体操になりましたよ」
『オレらはねぇ、めっちゃ体もってかれた!」
『実際の速度より速く感じましたね。楽しかったです』
互いの席で感じたことを共有しながら歩いていると、再びフロイドが「あ!」と叫んだ。
彼の視線と指さす先を見たジェイドは嬉しそうにニコニコし、アズールはまたか……と呆れ、[#da=1#]は納得したような顔をそれぞれした。