異種族エンカウント!(ジェイド/中編)
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『先に課題を済ませちゃおう』
海岸の中でも端の、岩陰となっている静かな場所に1人の少女が座り込んだ。
泳ぎはできないが、人気も無く波の音で多少の雑音がかき消されるこの場所は、マリシアにとってお気に入りのスポットであった。
放課後やたまの休日はここへ来て課題や歌を歌うなどをし、満足したら帰るのが日課だ。
ボーっとお菓子を食べるだけの日もある。
『~~~♪』
「…………」
『~~………ん!?』
「…………」
今日も趣味を堪能していたが今回はいつもと違った。
マリシアは何か視線を感じそちらへ目をやると、”ソレ”は海面から顔を出している。
目から上の半分しか出ていないが、肌の色などからすぐに人ではないと察し反射的に岩陰に隠れた。
明らかな人ならざる者。幻なのか、作り物なのか……ただ、しっかり目が合っているうえで瞬きしているのを見てしまった。
左右で違う瞳を持ち、特に左目の金色には息を飲む美しさがある。
『あ、あれ、は……まさか人魚……いやいやまさか』
"ソレ"は今もじっとマリシアを見ている。
しかし人魚なんて空想上の生き物とすら言われているものが、今自分の目の前にいるはずがない。
近くで撮影でもしているのだろう。年々特殊メイクの技術が向上しているとは聞くが、たしかにあのクオリティは称賛に値する。
ロマンチストだと兄にからかわれることのあるマリシアだが、人魚は本気で存在しているとは思っていなかった。
『撮影の邪魔してすみません。もう帰りますので、お仕事頑張ってください』
「………」
『(返事なし……ね)』
もしかしたら役に入り切っているからなのかもしれないと考えを改め、マリシアは軽く会釈をし家路につくことにした。
海岸から離れる彼女の後ろ姿を、”ソレ”は視認できなくなるまでただじっと見つめていた。
海岸の中でも端の、岩陰となっている静かな場所に1人の少女が座り込んだ。
泳ぎはできないが、人気も無く波の音で多少の雑音がかき消されるこの場所は、マリシアにとってお気に入りのスポットであった。
放課後やたまの休日はここへ来て課題や歌を歌うなどをし、満足したら帰るのが日課だ。
ボーっとお菓子を食べるだけの日もある。
『~~~♪』
「…………」
『~~………ん!?』
「…………」
今日も趣味を堪能していたが今回はいつもと違った。
マリシアは何か視線を感じそちらへ目をやると、”ソレ”は海面から顔を出している。
目から上の半分しか出ていないが、肌の色などからすぐに人ではないと察し反射的に岩陰に隠れた。
明らかな人ならざる者。幻なのか、作り物なのか……ただ、しっかり目が合っているうえで瞬きしているのを見てしまった。
左右で違う瞳を持ち、特に左目の金色には息を飲む美しさがある。
『あ、あれ、は……まさか人魚……いやいやまさか』
"ソレ"は今もじっとマリシアを見ている。
しかし人魚なんて空想上の生き物とすら言われているものが、今自分の目の前にいるはずがない。
近くで撮影でもしているのだろう。年々特殊メイクの技術が向上しているとは聞くが、たしかにあのクオリティは称賛に値する。
ロマンチストだと兄にからかわれることのあるマリシアだが、人魚は本気で存在しているとは思っていなかった。
『撮影の邪魔してすみません。もう帰りますので、お仕事頑張ってください』
「………」
『(返事なし……ね)』
もしかしたら役に入り切っているからなのかもしれないと考えを改め、マリシアは軽く会釈をし家路につくことにした。
海岸から離れる彼女の後ろ姿を、”ソレ”は視認できなくなるまでただじっと見つめていた。
